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【妻の秘密・義妹の秘密】(22)

 週末になり漸く二人の時間が取れた。
 「彩はどうした?」
 「立花さんのお家でお別れ会を開いてくれているの。今日は美加ちゃんのところへお泊りするって。でも、夜中に泣いて帰ってくるかも知れないけど。
 他愛も無い話をしながら、どう切り出そうか、考えていると。電話が鳴った。
   週末になり漸く二人の時間が取れた。
 「彩はどうした?」
 「立花さんのお家でお別れ会を開いてくれているの。今日は美加ちゃんのところへお泊りするって。でも、夜中に泣いて帰ってくるかも知れないけど。
 他愛も無い話をしながら、どう切り出そうか、考えていると。電話が鳴った。
 「彩かもしれないわね。」
 電話に出た妻が硬い表情になるのが見えたが、すぐに後ろを向いてしまったのでその後の表情は見えなくなってしまった。
 「はい、○○です。・・・ええ、そうですか。・・・・判りました。・・・その事は明日にして下さい。・・・ええ、お願いします。」
 なかなかソファーに戻ったこない妻に、
 「どこから電話だ?」
 「実家から。叔父さんの事で・・」
 「幸吉おじさんか?確か入院していたよな。何かあったのか?」
 妻の母の弟だ。
 「今より更に遠くになるから、会っておけって」
 「ああそうだね。俺も行くか?」
 「いえ。私一人でいいわ、彩の事お願いね。」
 あわてて、断る妻にまたしても違和感を覚えた。

 ベッドでここ数日の事を考えていると、胸が苦しくなる。いったい妻はどうしたのか?本当に浮気、いや不倫かもしれないが、そんな事をしているのだろうか。
 そうだ、思い出した。
 結婚して以来ずっと考えていたじゃないか。私が愛するほどには妻は私を愛していない、と、いや、違う。
 妻は私を愛してさえいないと、ずっと悩んでいたじゃないか。
 私に抱かれている時も愛を確かめ合うと言うような感じじゃなかった。
 義務・・・夫婦の義務・・・ほんのひと時さえ我慢すれば、すぐに済む義務・・・
 
 (「・・もし、もし、彩香が・・・それを、望んだのなら・・私はあなたの妻で居られません。・・・でも、かおるは・・私はあなた・・・ご主人様の物・・・でいさせて下さい。なにがあっても・・・何が起ころうと・・・棄てないで下さい。・・・どんなに・・・どんな事が・・・しんじて・・・信じて・・・わたしは、あなたの物・・・」)

 前に私に行った妻の言葉
 私の妻ではなく「物」・・「所有物」
 妻の愛は別の男に、身体だけが私の「物」だと言う意味なのか?
 苦しい、痛い、苦しい、痛い痛い痛い。
 多分叔父の話も出かけるための口実。
 ・・・出かけてしまうと・・・妻を失ってしまうのだろうか?
 私が何をした?私は妻を愛しているだけだ。・・・何をしたのではなく、何かを与える事が出来なかったのだろうか?
 馬鹿な!妻を信じなくてどうする。あの服装だって偶には着てみたいだろう、妻はまだまだ若いし、美しい。母である前に女でもある。
 ズキッ。
 おんな・・・そうだ、妻は女だ。
 涙が一滴毀れた。

 翌朝、眠くてしょうがないと言って寝ている私を残して妻は出かけた、彩をつれて。

 昼頃に起き出し、する事も無いので引越しの荷物の整理をしようと片づけを始めた。
 本棚を整理し、いるものをテーブルの上に重ねていた。
カバーに包まれた本が1冊出てきた。
 妻の物だ。
 他の本と同じようにテーブルの本に重ねて置いておいた。
 しばらく本の整理に没頭していたら、グラッと揺れたような気がして、頭を上げた。
 地震だ、大きい。・・・・彩達は大丈夫か?真っ先にその事を考えた。
 テーブルの上の本が崩れて床に散らばってしまった。
 カバーのついた本が開いた状態で落ちていた。拾い上げようと手にとり何気なくページを見た。
 活字ではなく自筆の物だ。いけない!
 だが、字が勝手に私の目に飛び込んでくる。
 
 『今日も、あの人から連絡が来ない。もう3日も経つのに、来ない。』
 バタン。
 見てはいけない物を見てしまった。ああ、でも。
 『あの人の指が唇に触れる。夕べ私をさんざん泣かせた指、この指が私の花芯を弄り、綻ばせ、女に変えた。・・・愛しい指。』
 ページを捲った。
 『あの人が微笑む、あの人の前で全てを晒す喜び、あの人が悦ぶのが私の悦び。』

 『あの人の匂い、甘くて苦い煙草の匂い。嫌いなはずだったのに、どうして?』
 『あの人が言う、薫は本当に背中が好きなんだなぁ、と。ニッコリ微笑む、その視線が好き。』
 『ううん、ぜんぜん恥ずかしくなかった。濡らしている私を見て欲しかった。あの人に濡らしている私を見てほしかった。』
 『恥ずかしいか?と、あの人は言う。ううん、と私は答える。そうか、と言ってニッコリ微笑み、やっと私のアソコに触れてくれた。私は嬉しくて泣いたの。』
 『髪を撫でるあの人の指が好き。背中を擽るあの指が好き。やさしく微笑むあの人の目が好き。』
 『あの人の言う事なら何でも出来る。あの人の言う事なら何でもする。あの人の言う事なら何でも我慢できる。あの人が悦ぶなら・・・あの人の奴隷でいい。』
 
 なんて残酷な夢なんだ、早く醒めろ!
 でも、そこにあった。

 『あの人と私には子供が出来ない。でもあの人は言う、子を産めと。』
 『残酷な命令・・・私と彼を一緒にし、子を産ませると言う。ああ、あの人が耳元で囁く、甘くて苦い香りとともに。天使のような悪魔の声で。』
 『悪い人では無いと思う。でも、あの人とは違う。彼に抱かれても、あの人を思うのだろうか?・・・残酷な命令・・・でも。従わずには居られない。従うことが私の悦び。私はどうしようもない女』
 『彼に抱かれて、あの人を思う。ゾクゾクするほど背徳的な香り。彼が私を愛すれば愛するほどあの人の束縛を強く感じる。』
 『彼は今日夫となった。あの人がまた天使のような悪魔の声で呟く。おめでとう、と
そして、あの人は私の前から去っていく。私は後姿に向けて呟いた。』
 『子供はあなたの子よ、姿形が似ていなくても。あなたが迎えに来るまで大切に育てるわ、彼には秘密・・・夫には。』

 気が付いたら、私は床に倒れていた。頭がズキズキする。辺りが暗く夜の帳が部屋を包んでいく。
 床には小さな水溜りが出来ていた。小さく小さく。

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写真は・・・・いけないんだぁ

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