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【疑惑のテンポラリーファイル】(4)

3月に甥の結婚式があり、この時は日帰りで出席しました。新婦のご近所の席に見覚えのある名前が載っていました。
 そのK子さんが私に気づき、お酒を注ぎに来てくれました。
 『みゆきさんのご主人様ですよね、K子と申します。みゆきさんにはパート先で大変お世話になっていました。』
 と、あいさつされましたので私も。
 【こちらこそ妻が大変お世話になりまして、この間は温泉に誘って頂いたとか、仲良くして頂き有難うございました。】
 と。返答しました。
 すると、K子さんは困ったような顔付になり、早くこの場を立ち去りたい雰囲気を出したので、聞いて見ました。
 【あのう・・どうかされました?】
 『・・・・・・・・』
 K子さんは益々困惑した表情を浮かべます。
 『あの時は残念でした。直前になってみゆきさんから、ご主人の許可が出なかったと仰られて・・・それに・・・パートも昨年末で止めてしまったので、どうしているのかと気になって、お声を掛けたのですが・・・』
 (パートを辞めた?温泉に行っていない?)
 どう言う事なのか私にも判りません。妻が何を考えているのか、何をしているのかさっぱり判りません。K子さんの貌が益々不審なものになってきましたので、適当にごまかしてその場を逃げるように後にしました。甥には途中で退席しなければならない非礼を詫び、いとこにも嫌味を言われながらアパートに帰りました。
 家に寄りたかったのですが、長女にも逢いたかったのでユミのアパートに足を向けました。
 『お父さん、A雄さんの結婚式だったのでしょう。忙しいのに大変ね。お母さんに代わりに出席して貰えば良かったのに。K子さんとS恵さんと旅行だなんて間の悪い事。』
 【え?K子さんはA雄の結婚式に来ていたよ。日にちでも間違って聞いたんじゃないのか?】
 『そんな筈ないわ。・・・・お父さん、この所お母さんの様子が変なの。何か知らない?』
 【お父さんが聞きたいよ、K子さんの話だとパートも年末で止めたそうだし、何が何だかさっぱり判らない。お母さん、淋しくて鬱になったとか、病気に罹ったのじゃないだろうか?】
 真面目で何事にも完璧を目指す妻の性格から、子育てが終わり、夫も単身赴任で気が抜けてしまって、心の病に罹ったのではないか、とその時は思いました。
 【ユミ、悪いけどお父さんの代わりに、お母さんを見ていてくれ。】
 私は娘に頼んだ後、とんぼ返りで赴任先に戻りました。気にはなったのですが、どうする事も出来ません。

 『あ、あなた明日はそちらに行きますね。何が食べたいもの有ります?』
 今回は予定通り妻がやって来ます。その時にK子さんの話をする積りで、
 【お昼には手作り野菜餃子が食べたいな。夜は久しぶりに何か食べに外へ出よう。】
 今夜の妻は大分快活に話をするようになりました。気分が良いのだろうと思い、誘いました。
 『どうしたの?珍しいわね。いつもはアパートで料理を作るように求めるのに。』
 妻の言うとおりです。普段外食の私は家庭料理に飢えていますので、外へ出たがらないのです。
 【偶にはデートしよう。レストランを予約しておくよ。】
 
午後2時、昼前に着く予定の妻が来ません。
家に電話しても、携帯に電話しても通じません。何か有ったのかと凄く心配していたら、TVで緊急放送が行われています。ニュース番組を食い入るように見ました。
 新幹線の脱線事故です。大きな地震により脱線事故を起こした新幹線に妻が乗っている可能性が大きいのです。
 今の所死者はおりません。ケガ人で名前の判った人から、テロップで流されています。大きな事故の割に、ケガ人が少ないようです。
 新潟での脱線事故以来JRも新幹線の安全性を高めていたのが幸いしたようです。地震の方も奇跡的に死者が居ませんでした。
 テロップに30~50代のの女性が重傷と流されました。
 その時です、携帯が鳴りました、妻からです。
 慌てて出ると女性の声で、○○警察と名乗り、私の名前を確認すると妻が事故に逢い重傷であることが告げられました。
 【重傷って命に別条は無いんですか?どこに運ばれたんですか?娘達には連絡してくれたんですか?】
 「ご主人慌てないで落ち着いて下さい。ええ、重傷ですが命の危険は無いと医師の報告に有りました。娘さんがいらっしゃるのですね。この携帯にはご主人から本日の着信履歴以外なく、また番号登録も無いため、身元確認の為連絡して見たのです。」
 妻の携帯は娘達との連絡用に買ったと聞いていたのに、娘の携帯番号が登録されていない訳が無いはず。訝しく思いながら妻の容態の方が気になり、病院名と住所・番号を聞いて切りました。
 娘達に電話して、妻の事を頼み私はすぐに駅に向かいました。在来線はもうすぐ開通の見通しがついたと、報道が有ったからです。
 午後10時頃病院に着くと妻は薬が効いて寝ていました。
 病室の入り口で娘に聞くと医者から完治まで6ケ月ほど掛かるかも知れない、右足が骨折し左手も薬指が骨折したと聞かされたとの事でした。入院そのものは約3ヶ月、リハビリも順調に行けばとの説明です。
 漸く病室に入ると、辛そうな妻の寝顔と足を吊られた痛々しい姿が見えました。
 その晩は、特別の計らいで病室に泊らせて頂き、様子を見ていましたが朝になっても目覚めないため、一旦家に帰り妻の着替えを取りに戻る事にしました。


【ドルチェ・アマービレ】(23)

 「お嬢様、いかがでしょう。まぁ、よくお似合いですこと。」
 ハウスキーパーの聖さんが持ってきたのは何と、イブニングドレス。夜の饗宴に必要だからと用意された物。
 聖さんに聞くと、ラ・ペルラのイブニングドレスだと教えられた。一見そんなに派手な感じじゃないのだけど、さすがランジェリー・メーカーだけあって、身体を入れてみると、ラインの美しいこと、「私ってこんなにスタイル良かった?」と思ってしまうくらい。それでいて着心地も裾裁きもとても楽なんだそうだ。
 でも慣れない私が着て歩いてみたら、見事に裾を踏んで転んだ。・・・事は教授に内緒。
 お風呂が用意されていた。
 ローズの香りに満ちている。 セントオリエント・スパ・ナチュラルフラワーズとバスミルク。
 優雅な気分に誘い、ふんわりと優しく包まれた感字を与えてくれる入浴剤で香りだけでなく、花びらまで入っている。
タイ王国の厳選された農園で栽培され、手摘みで作られたナチュラルフラワーが入っているため、驚くほど香りが良い
バスミルクにはイランイラン・ローズウッド・カミツレ・オレンジ・ラベンダーなどのオイルが配合されているそうで、ヨーグルトエキスとラクトフェリンも保湿成分として配合されている入浴剤。
入浴中に潤いを与え、しっとりとしたキメのそろった肌に整えてくれる。美容液に入っていると言っても過言ではないほどの、贅沢な入浴剤に仕上がっている。
 但し、聖さんが使っているだけあって、ミセスに合う香り、私には少し大人な香りだった。
 ちょっとお尻と内股がヒリヒリ痛いけど、この香りだから我慢する。
 この屋敷に入ってから、いえ入る前から圧倒されっぱなしで、逆に落ち着く。
 私の生活と正反対の生活に夢の国へ来た気分しか感じられない。
 教授は何時からこんな生活をしているのだろうか。子供の頃?大人になってから?興味は尽きない。
 お風呂から出たらラ・ペルラのイタリア製高級ランジェリーが用意されていた。とてもセクシーなランジェリー。
 でも、・・サイズどうして判ったんだろう?ああ、前に教授に下着を買って頂いた、そのときの控ね。
 聖さんは教授の生い立ち知らないだろうなぁ。やっぱりバトラーの三船さんかな?
 そうだ!大事な事を忘れていた。教授の本名!
 教授の事今まで、シュトレーゼマンとか教授としか呼んで来なかったから、みんな知らないよね。って誰に向って話しているの綾歌。・・・鏡に向ってまた独り言言っている。
 この所可笑しいのよね、独り言や妄想が激しくて、教授の事だって翼が見えたり、それに・・・きょ、教授に抱き締められる夢を見てばっかり。おいおい、綾歌、今は教授の本名よ!読者も待っているでしょう。ん?また誰に向って・・・ゴホン!
 それでは~教授の本名の発表でぇ~す!
教授の苗字は『美剣(みつるぎ)』カッコイイよね。で、下の名前が・・・・『拓人(タクト)』何か・・・らしいと言うか「指揮棒。」かよ!と突っ込みを入れたくなるような名前なんでぇ~す!
美剣・・・聞いた事が有るよね?!確か・・古くから続いている酒造会社・・『美剣士』と言う銘柄・・・幻のお酒・・・なかなか手に入らないので有名。1本それも四合瓶サイズ2万円でネットオークションに出品され取引されている、チョー高級酒。勿論宮内庁御用達。
 その一族に連なるらしいけど詳しい事は判らない。
 でも、あっさり判明した。またしてもバトラーの三船さん。
 「旦那様?ええ、美剣の直系ですよ。先代当主の妾の子ですから。」
 『妾!』
 「はい、拓人様は18歳まで養護施設で過ごされました。お母様がご病気で長期入院されていましたので。先代は・・・長い間知らなかったそうです。お子様が生まれた時に認知はしましたがずっと連絡が途絶えていまして、大学に進学される時に拓人様がご自分で保証人をお願いして初めて知ったそうです。」
 ひぇ~少女マンガのストーリー見たい。いまどきそんな話・・不謹慎よね反省。
 でも、三船さんも隠そうともしないで、普通妾の子とか、嫌だよね。
 「拓人様は事実だから隠してもしょうがない。それがどうしました?と仰られて、誰にでも隠し事はしません。ここへもめったにお帰りにはなりません。ここは先代が買い求めて宛がわれた土地屋敷です。私達はそれ以前からここで働いていた者、元々は明治期の華族が所有されていたのです。」
 「拓人様が女性をここへお連れしたのは、拓人様の亡くなられた奥様以来初めてです。」
 もしかして玲子さん?と思ったけど、奥様!?
 教授結婚していたの?
 次々に明かされる教授の過去・・・


【疑惑のテンポラリーファイル】(3)

 『あなた、今度の土日ですけど。ミクとミキの進路相談で行けません。ごめんね。』
 単身赴任2年目の事でした。月に1度妻が赴任先に来て、身の回りの世話をしに泊まりがけで来るのがそれまでの習慣でした。勿論その日は久しぶりに妻を抱きます。
ですから、この時は少々残念に思いつい愚痴を言ってしまったのです。
 【そう言う事は2~3週間前には連絡が来るのだろう?どうしてその時に予定を変更しなかったんだ。】
 『ごめんなさい。平日に行けないからその日にして貰ったのです。あなたの所へ行く日を間違えてカレンダーに記したものですから・・』
 【仕方が無いなぁ。・・・悪いけど子供達の事は頼んだよ】
 『来週は行きますから。』
 来週は会社の用事でイベントに出なければなりません、そう告げると。
『そう・・・残念ですけど今月はもう行ける日が無いの。来月まで我慢してね。』

 その月は何となく不機嫌なまま仕事に追われ過ぎて行きました。
 翌月、妻がいつもより早い週に来ました。
 久しぶりに夫婦水入らずで食べる食事は、どこのレストランの豪華なコース料理よりも美味しく、ビールもあまり飲めないのですがその日は2本も飲んでしまいました。
 飲み付けないビールを飲んだせいか眠くなり一眠りしてしまい、気が付くと妻はもう入っていました。
 常夜灯代りに夜中付けておくスモールランプがこの日は消してありました。私に背を向けて寝ている妻のうなじにそっと口付けし、妻を揺り動かす。
 『みゆき。起きてくれ、ねえみゆき。』
 しかし妻は起きません。何度か起こそうとしましたが、結局妻は起きませんでした。日頃の疲れが出たのだろうと、自分の性欲を無理に押さえ、中々寝付けなくてイライラしながら天井を見詰めていました。
 『ひろくんゴメンね。』
 妻の寝言でした。この時はひろくんと呼ばれていましたので、微笑ましく思い、その寝言を聞いて、私のイライラが解消して眠りに就く事が出来ました。
 翌日午後早くに妻は帰って行きました。赴任先は飛行機では行けない場所で、電車では時間が掛かる厄介な所でしたので、早く帰らなければならないのです。
 短い逢瀬に私は少々不満でしたが、妻はそれほどでもない様子で帰って行きました。

 さらに翌月妻が何時もの週に来ました。
 水炊きに里芋の煮っころがし、これは自宅で作って来たもの。私は好き嫌いが多く、魚が食べられません。以前は肉ばかりで野菜も取らなかったのですが、最近年のせいか野菜を食べるようになり、妻も「漸く健康に気を付けるようになったのね。」と少し安心したように言うと、もう一品ナスの生姜焼きを出して来ました。
 【鍋にナスの生姜焼きかい。単身赴任では食べない食い合わせだな。】
と言うと。
 『普段何を食べて居るの?脂っこい物や肉ばかりじゃないでしょうね。今あなたに死なれたら大変。』
 と、冗談ぽく言うので、苦笑いして。
 【解ったよ。病気で寝たきりにでもなったら、お前に浮気されかねないからな。】
 『・・・あなた、酷い。』
 妻が気分を害して後ろを向いてしまいました。
 軽い冗談の積りだったのです。私は妻に近づき肩を抱きました。
 妻はその手を振り払い、言います。
 『ひろくん酷い事言うから、今夜は無しね。触ったら承知しないから。』
 【そんな・・俺もうずっとみゆきとしていないんだ。我慢出来ないよ。】
 『だめ、どうしてもって言うなら手でしてあげる。』
 流石にそこまでするのは余りにも惨めで、泣く泣く断りました。
 私もそれで気分を害し、妻に背中を向けて寝てしまいました。
 夜中何かの音に目が覚めた私は、妻が向こうを向いたまま泣いているのに気が付きました。
 【みゆき、どうした、何故泣く?】
 『何でも無いの。あなたと離れて暮らすのが急に淋しくなって。・・・』
 【みゆき!】
 私は切なくなって妻を抱き締めました。
 しかし、妻はそれ以上の事は断固として拒否します。
 『気分じゃないの。なし崩しにエッチしたくない。』
 そう言われると、手出しが出来なくなり、布団を被ってふて寝する羽目になってしまいました。
 
 翌日【なあ、ゴールデンウィークに二人で旅行しないか?何とか休みが取れそうなんだ。】
と言うと妻は。
 『ごめん、もうお友達と旅行予約しちゃったの。』
 【何だよ、そんなの断れよ。友達なら何時でも行けるだろう。俺は中々休みが取れないんだぞ。】 
『でも・・・』
【まだずっと先の話じゃないか。キャンセル料だって取られないんだ。断れよ。】
『相談してみますから、少し待って。』
 仕方なく、後で連絡する事で了承し、妻が帰って行きました。2月の事でした。

 翌週夜9時に電話してみました。しかし妻は出ません。携帯にも電話してみました。しかし〈~電源が入っていないか~〉例のアナウンスが聞こえたので切りました。
 夜はめったに外出しない妻が居ません。どうしたのかと思っていたら夜11時過ぎに、それも携帯にメールが入っていました。
 この間、妻のバックから携帯の着信メロディが聞こえて来たので問うと、娘との連絡用に買ったと聞き、私にも番号とメアドを教えるよう言ったら。
 『でも、めったに使わないし、家の電話で間に合うから。それに携帯の会社が違うから高く付くし。』と最初渋りましたが、重ねて言うとしぶしぶ教えてくれたものでした。
 メールには。
 『ごめんなさい。今夜は例の件でお友達とお話しながら飲んでいました。着信に気が付かなかったの。もう遅いからメールにしておきます。』
 そこで携帯に掛け直すと、やはり電源が切られています。
 仕方なくその日は寝ました。


【プリムローズ】(9)

 【うつ伏せになって、尻を高く掲げるポーズを取って。】
 零二が恥ずかしい格好をするように指示する。詩織は躊躇いもせず頭をベッドに押し付けお尻を高く掲げ誘うように尻を振る。
 零二の目に、菊門が飛び込んで来た。その下に息づく膣口、爆ぜたクリトリス。全てを曝し、零二を誘う。
 ゴクリ。零二が唾を飲み込む。詩織の卑猥な格好に欲情を刺激されている。零二が誘蛾灯に惹かれる蛾の様に菊門に舌を延ばす。
 『はぅ。』
 詩織が呻く。ぴちゃ、ぴちゃ、音を立てて啜る。尻を割り大きく広げ肛門を晒す。
 膣口は口を開き、愛液を吐き出している。零二はクリトリスから肛門まで舐め上げた。
 『ひぁあ』詩織が堪らず声を上げる。
 気を良くした零二は、何度も同じ動きを繰り返した。
 『あぁん、はぁ・・うぅ・・ほぉお・・』
 詩織は辺り構わず声を張り上げ、快感を訴える。零二の舌が剥けたクリトリスを転がす。
 身を捩り逃れようとする詩織の尻は零二の手でガッシリ固定され動けない。
 小陰唇を唇で挟み引っ張る。亀裂を覆うように口を付け、息を吹きつける。祕肉が押され膣の中に空気が入り込む。詩織は初めての経験に期待と不安の慄きを示す。
 零二はいきり勃ったチ○ポを握り締め詩織に近づくと、一気に奥まで挿入した。
 ブゥブブブ。
 空気が漏れる音が響く。
 『いやぁ・・・聞かないで。』
 詩織が叫ぶ。バックから入れるとピストン運動の途中挿入の角度によって、空気が入り込み、音が出る事が良くある。しかし最初から音が出て詩織は恥ずかしくて堪らない。
 零二の抽送もワザと角度を変え、恥ずかしい音が出るようにしている。
 『ゼロ・・オジサン、止めて恥かしすぎる。』
 詩織の全身は羞恥の為真っ赤に染まっている。零二は願いを聞きいれ詩織から怒張を引き抜いた。
 すかさず詩織は零二の方に向き直りcondomを外した。そして四つん這いの格好のまま怒張を銜え込んだ。
 頭を前後に激しく揺すり、零二を責めたてる。
 好守を変えて詩織がようやく主導権を握る。零二も詩織の口技に驚きながら快感に酔う。
ゴム無しの生フェラはやはり気持ちが良い。
 【おう、詩織・・気持ちイイ。】
 零二も呻く。微妙に舌が竿に絡みつき吸引の強さに胴震いする。
 急速に高まる射精感を詩織に告げた。
 【このまま出すよ。】
 『ダメ。出すなら中でお願い。』
 【ゴム無いよ。まずいだろう。】
 『いいの。オジサンを感じたいの。出来たら出来たで私一人で育てるから。迷惑はかけないわ。だからねえ、中で出して。』
 零二は躊躇したが詩織は零二を押し倒すと、上から繋がり激しく腰を振る。上下の運動を暫く続け子宮に当たる感触を愉しんだ。
 詩織はその間に何度も軽く逝った。
 小さな波がさざ波のように連続して押し寄せる。
 上下の運動を前後に変えクリを刺激し大きな波を待つ。
 詩織が大波を迎えようとする時に、零二も海底噴火を起こそうとしていた。
 下から突き上げる動きが加わり詩織のカラダが零二の上で跳ね、波間に翻弄される小舟さながらに波の頂から深い波間に落ちた。
 『あぁオジサンいく・・イクぅ・・イクぅう。あっイクぅ。』
 海底噴火が始まった。
 【うっ、出る・・ぐぅ出るっ。おぉおう。】
 二人はほぼ同時に果てた。詩織のカラダは硬直し、やがて弛緩する。零二の腰は痙攣し、宙に浮いた腰がドサリとベッドに落ちた。
 荒い息のままきつく抱き締め合う二人が口付けを交わし、お互いを貪っている所へベスが入って来た。
 『詩織、ゼロはどうだった?満足した?』
 詩織は零二のカラダから降り、ベスが手渡すビールを一口飲んで答える。
 『うん。ベスありがとう。オジサン最高だった、私達相性良さそう。』
 『そう、良かった。・・あらあら、詩織。・・・そこまで気に入ってくれたの。』
 ベスの目は、詩織の陰部から流れる白濁液を見ていた。
 『途中で欲しくなっちゃった。・・・ベス、これからも使わないわよ。良いでしょ?』
 『あなたが決める事よ詩織。私にもゼロにも止める権利はないわ。責任も・・認知はするけど、・・・取らない。それはミストレスの選択。』
詩織は満足だった。男に媚びず、男に隷属せず、親権争いも最初から存在しない。煩わしい事を抜いた関係に。


【疑惑のテンポラリーファイル】(2)

 『ただいまぁ~、あなた?どうなさったの?』
 【仕事先で気分が悪くなってね。近くだったから早退した。】
 『大丈夫?ごめんなさい、買い物に行ってたから。あら?洗濯物取り込んでくれたの。』
 いつもの妻と変わりません。洗濯物の事に自分から触れて、動じることが有りません。
 (あの下着も偶には穿いてみたくなっただけか・・)
 『あなた、お昼ご飯食べたの?』
 【いや。】
 『じゃあ、おじや作るから、それ位なら食べられるでしょう?』
 妻は手早く作ってくれた。テーブルに運んできた妻の体から何やら香水の匂いがした。
 (普段付けているのとは違う。むしろ男性用?)
 私は香水に疎く、匂いの種類も製品の名前も全然わからないのですが、女性用とは違うような気がします。
 『あなた、汗かいちゃったからシャワー浴びて来るね。
 私の顔の微妙な変化に気が付いたのか、私にしてみれば唐突に妻がシャワーを浴びに浴室に向かいました。
 すぐに洗濯機の音がして、浴室に入る妻。 汗の匂いはしませんでした。
 
 その夜、長女から近場の温泉の招待券を送ると電話が有りました。
 「お父さん、久しぶりにお母さんと行ってきなよ。単身赴任の間どこへも連れて行ってあげなかったでしょう?」
 【高いんだろう?良いからそのお金で好きな事に使いなさい。気持ちだけ頂くから。】
 私はそう言って断りました。娘の気持ちは涙が出るほど嬉しかったのですが、娘も一人暮らし。何かと物入りでしょう、気持ちだけ頂く事にしました。
 『あなた、ユミの電話何でした?』
 【あぁ、近場のほらU温泉。温泉の招待券送るって。】
 『ダメよ。行けないから勿体ないわ。断っておきます。』
 強い調子の口調、内容も普段の妻には考えられないものです。
 【どうしたんだ?ユミの折角の好意じゃないか?】
 私は昼の事も有り、娘に断ったにも拘らず、妻に反論して見ました。
 『あの温泉お友達と行ったばかりなの。K子さんとS恵さん。』
 K子さんもS恵さんも、確かパートで知り合った人だと思います。
 【それでも良いじゃないか。俺は久しぶりなんだし。】
 『でもね。宿の人に顔を覚えられているでしょう。何回も来たの知られたら恥ずかしいわ。』
 何となく誤魔化されたような気分でしたが、その話はお終いにして食事を始めました。
 家で休んだからか、夕食の時にはすっかり元気になり珍しく2杯もお代わりしてしまいました。やはり、単身赴任中の食事に比べて妻の料理が体に合うようです。
 その夜、妻を求めると『ごめんなさい生理なの。』
 間が悪いもんです。昨夜ならあの下着ですからセックス出来たのでしょうが、昼のシャワーも若しかしたら、生理の不快感で入ったのだと、納得してしまいました。
 とは言え、久方ぶりにその気になったので、収まりが付かず、妻が寝入ってしまってから、妻の胸を弄り、自分のモノをシゴイていました。
 生理中だからか胸が張っていて乳首も硬くなっています。
 口に含み舌で転がして居ると、
 『あぁん、ひろ!』
 妻の寝言。
 ひろ??! 私の事を「ひろ」と呼ばれだ記憶はないのです。
 ひろしとは呼ばれますが「ひろ」・・・いつから私をそう呼んだんでしょう。単身赴任前はひろしでしたから、単身赴任中私の事をそう呼んだんでしょう。
 妻も一人で慰める時も有ったでしょうから、そんな時に呼んだのかも知れないと思いました。しかし、何と無く、気勢が削がれオナニーを止め寝てしまいました。


【ドルチェ・アマービレ】(22)

 大学からの帰り道、私は教授に抱かれ車中にいた。
 お尻が痛くてまともに座れない。後部座席で教授に支えられ横抱きにされていた。
 タクシーの運転手さんはバックミラーでチラチラ私たちを確認し、訝しげな顔を浮かべる。
 【その角を右に50m位行った所に音楽教室の看板が有ります。そこで降ろしてください。】
 此処は何処なのだろうか?初めて来た場所。
 閑静な住宅街の奥まった所にそれは在った。
 周囲は今時の新興住宅地でモダンな建物が並んでいたが、そこは周囲に隔絶した空間を形成する、森林と見まがう鬱蒼とした木立に囲まれ、重々しい門扉が行く手を阻んでいた。
 教授は清算を済ませると私の腰に手を廻し、肩に担ぎ上げゆっくりとした歩調でその門扉の方へ向かう。
 門扉は辿り着く前に、音も無く内側に開く。門柱の呼び鈴も押さず、監視カメラの姿も見えないのに、まるで見ていたように門扉が開いた。
 それは屋敷と言う表現がぴったりの洋館だった。
 門から洋館の車寄せまで直線で数十メートル、この辺りでは広大な敷地と言うべき土地に建っている。
 重厚な扉にあるノッカーに手を掛ける必要も無く、内側から開かれる。
 木の軋む音が洋館の歴史を物語る。最低百年は経ている。
 開けたのは、シルバーグレイの髪の毛を持つ男性。
 「お帰りなさいませ、旦那様。」
 【ただいま。済まないけど、今から食事を用意して下さい。】
 「畏まりました。お嬢様、何かご希望がおありでしょうか?」
 『え?あ、あの・』
 二人の会話をうわの空で聞いていた私は、不意に尋ねられて、言葉に詰まる。
 【簡単なもので良いよ。何時もの食事で構わない。着替えてくるから、綾歌君を頼む。あぁ、紹介するのを忘れていた、この女性は・・・・綾歌君は私のレッスン生です。綾歌君、彼は、バトラーです。少し待っていてください、あぁ、そうだ、ハウスキーパーに頼んで、綾歌君の服装を整えておいてくれ。、じゃあ、ちょっと失礼して・・ランドスチュワードは来ている?】
 多分職名だと思うけど、バトラーとハウスキーパーの名前だけは聞いた事がある。
 バトラーは執事でしょう。ハウスキーパーは・・・あれ?家の管理人の事よね?
 私が悩んでいた事を相手が教えてくれた。
 「ただ今ハウスキーパーが参ります。彼女がこの屋敷の女性従業員の管理を取り仕切っております、何でもお申し付けください、お嬢様。」
  ふう~ん、だとするとバトラーは男性従業員の管理ね。ランドスチュワードは何だろう。?
 この疑問も教えてくれた。
 「ランドスチュワードは昔は主人の領地の管理をする役目を負い、農地を賃貸し、借地料を徴収し、境界線を調査し、テナントの間の争いを調停し、領収・支出の細かい記録を保管する役目でした。日本語では家令と訳される事も有ります。今なら管財人でしょうか。」
 教授の家はどんな資産家なんだろうか?
 そこへ女性がやってきた、年齢は40代だろうか?私服ではあるが、まるで霞ヶ関のキャリア女性の様な姿、女中とかメイドとかのイメージは無い。
 「お嬢様、どうぞこちらへ、お召し替えを致します。」
 連れて行かれたのは2階の客間らしい部屋。南向きの気持ちの良さそうな部屋、庭がらよく見える。
 車寄せのロータリーは中が丸い池のようになっていて、池の中央に彫刻が施された立像、瓶を肩に担いだ女性像があり、その瓶から噴水が出ている。そしてその池の周りは8分割された花壇に取り囲まれる構造で、色鮮やかな花が植えられて居て目を楽しませる。


【プリムローズ】(8)

 ブチュ、グチュゥ、ジュプ、ジュプ、詩織のおま〇こから恥かしい音が洩れる。
 零二の抽送が大きくなるとそれに合わせるかのように破裂音が詩織のおま〇こから響いたのだ。
 詩織は膣壁を押し拡げる感覚と擦られる感覚に我を忘れて叫んでいた。
 『おじさんイイ・・おま〇こ気持ちイイ。』
 詩織の足が零二の腰を挟み締め付ける。両手はずっと背中にしがみ付いている。
 零二の腰の動きが直線からローリングを交えたものに変わると、詩織も自然と腰を廻し、より深い挿入を求め蠢く。
 零二の手が詩織の乳房を握り締め、揉みしだくと背中でしがみ付いていた手が離れ零二の手の上に置かれ動きを止めようとする。
 しかし零二の手は微動だにせず、詩織の乳房を揉む。指が柔肉に食い込み指と指の間から白い肉がはみだす。
 零二の掌に当たる蕾が硬く存在を主張する。零二は蕾の声なき欲求に応え爪で軽い刺激を与えた。
 触るか触らないかの微妙な刺激。
 蕾が期待に震え持主は身を捩る。カラダの中心を硬いもので貫かれたうえ圧し掛かられ詩織は、圧迫感を強烈に感じる。
 嫌ではなかった。むしろ心地良い。自分はこの人に好きにされる、何時もの自分なら、男に主導権を渡さないのに、今日は主導権が取れない。切っ掛けさえ掴めない。
 逆らう事を諦めるとその先には思っても居ない世界が広がっていた。
 『はぁん。強く・・・強く弄って。・・・』
 乳首への刺激を求めた。
 与えられたのは、太股の痛み。内股が抓られ赤く染まる。
 ビクン、ビクン。膣の中でペニスが跳ねる。膣口まで引かれる。戻って来ない。
 『いやぁ・・・奥に・・・・奥に頂戴。』
 くれたのは首筋へのキスのみ。
 『いやよ、そんなんじゃいやぁ。焦らさないで。お願いオジサン・・・ゼロ・・さん。』
 首筋への口付けも止められた。気が狂いそうなほど、昂ったカラダを持て余す。
 『ゼロ・・して・・・お、・・おま〇こして。入れて、硬いの欲しいの。おちん○ん下さい。』
 オジサンはこれが目的なんだ。恥ずかしい言葉を言わせる。
 一度口に出すと、躊躇いはなくなる。
 『ねえ、おちん○んで刺して、嵌めて、動いて。詩織を逝かせて。』
 『意地悪しないで。私を好きにして良いから頂戴。』
 我慢しきれず、膣口がヒクつき亀頭を締める。自分から腰を押し付けた。
 ゼロは動かない。私はもう我慢出来なくて腰を前後に動かし、自分の感じる所に導いた。
変則的な女性上位、腕を伸ばしゼロの腰を引く。
 クリトリスに当たる。完全に自分で自分を刺激する。オジサンのカラダを借りたオナニー。惨めで、気持ちが良くて堪らない。今までどんな男も与えてくれなかった屈辱。
 オジサンが口を開く。
 【して欲しいのか?】
 当たり前でしょう。その言葉を飲み込み媚びる。
 『動いて下さい。』
 【よし、契約成立だね。君達の企みに乗った。】
 それは調印式だったの?一連の苛めはこれからの私の立場を象徴するものになった。
 ミストレスではあるが、同時にオジサンの玩具。
 逢うのは私の都合で、愛し方はオジサンの気分で。
 面白い。私がオジサンに溺れるか、オジサンが私に本気になるか?カラダでする勝負。
 『そう、契約成立よ。・・・だからして!』
 オジサンは私の肩に手を掛け自分の方へ引き寄せる。
 深く穿ち始める。長くゆっくりとしたストローク。亀頭が膣を押し拡げカリが外へ掻き出そうとする。 気持ちイイ。これは真剣勝負。


【疑惑のテンポラリーファイル】(1)

 私達はひろし(45)とみゆき(42)の極普通の夫婦です。子供は社会人の娘(22)と大学生と専門学校へ通う双子の娘(19)の5人家族で関東のとある県に住んでいます。

 これからお話しすることは、結婚して23年幸せに暮らしていたと思っていた我が家に起こった、信じがたい、信じたくない事件の事です。

 私達は妻のみゆきが高校を卒業したと同時に結婚しました。みゆきは私としか付き合った事も無く結婚するまで処女でした。
 付き合っていた当時彼女は高校生でしたが、お互いの両親も認めてくれた公認の仲で、部屋へ遊びに行っても咎められない、いやむしろ儀父母に泊まっていくよう薦められる、そんな付き合いをしていました。
 唯一つ、妻は異常とも思えるほど性的な事に嫌悪を示し、キスはさせてくれるものの、ボディタッチやセックスを求めても何時も『結婚するまではダメ。』の一言で拒否されてしまう事が不満でした。
 私も健康な男です。オナニーでは我慢できなくて、悶々とした夜を何度味わった事か知れません。特に彼女が隣で寝ているのに手を出せない、苦しみはなんとも言えず切なく、哀しい気持ちになったものです。
 漸く正式に結婚式の日取りが決まり、新居を立てて貰う計画が決まり、建築計画の図面を見せて貰った夜、みゆきが。
 『ひろくん。・・・・ずっと私を愛していてね。ずっとだよ。これからもよろしくね。』
と言うのを聞き、胸が熱くなった私は。
 【勿論さ。みゆきを幸せにするよ。約束だよ、離さないから。】
 『浮気なんかしたら、許さないんだから。私だけを見ていてね。』
 みゆきのいじらしさに思わず抱きしめキスすると、妻は。
 『ひろくん、・・・・いいよ。』
 初めてみゆきと結ばれた夜でした。

 みゆきは小柄ですが、胸も意外と大きく、腰もしっかりとした女らしい身体つきです。
 実際抱きしめると、胸が当たりそれだけで勃起してしまう私でした。
 そのみゆきが許してくれた。
 私は夢中でみゆきの服に手を掛け、パジャマのボタンを外してしまいました。
 寝る時にはブラジャーを着けないみゆきの胸は、たわわに実った果実・・・メロンのように丸く頂が上を向き、さくらんぼがチョコンと乗っている。そんな事を連想させる美乳です。
 まだ誰も触ったことの無い胸、その胸を俺は見ている。考えただけで射精しそうなほど興奮し、むしゃぶりついてしまいました。
 ずっとお預けされていた身には抑えられない衝動だったのです。
 『あっ・・ひろくん・・くすぐったい。ダメだよ・・』
 【ハァ、ハァ、みゆき。好きだよ、堪らないよ。】
 『あん・・・私もひろくんの事大好き。だから優しくして。』
 若い二人は初めてと言うこともあり、急速に興奮がピークに達し繋がる事を望んでいました。
 『ひろくん・・・怖い。わたし初めてなの。』
 【大丈夫、俺も初めてだから。】
 なにが大丈夫なのか、考えもせず答えた私でした。
 案の定、興奮しすぎた私は妻に挿入する前に射してしまいました。
 しかし、勃起したままだった私は、何度も妻のおま○こに挑みました。
 堪り兼ねた妻が『ひろくん・・・もう少し下の方、』の声に励まされ、やっと亀頭を押し込む事に成功し、挿入を果たす事ができました。
 シーツには、破瓜の証があり、それを見たとき感動して思わず涙ぐむと、破瓜の痛みに耐えていたいた妻が。 
 『ひろくん、ありがとう。』と言ったので、私も【ありがとう・】と返答してしまい、微笑んで抱き合う、そんな初夜を迎えたのが昨日の事のように思い出されます。

 結婚して直ぐに長女が生まれ、程なく双子を授かり。以来ずっと子育てに忙しい毎日でした。
 長女が生まれる前には、運動不足解消の為二人で公園をよく散歩しました。気分を変える為少し離れた、海を臨む景色の良い公園で散歩しお気に入りのベンチで休みながら話をするのが、何よりの楽しみでした。
 そこでは、将来の夢を語り、生まれてくる子の事を尽きることなく話したものです。
 双子の時も長女をおんぶして、出掛けました。

 子供達が大きくなるにつれ、幼稚園、小学校と行事が増え、何時しかその公園から遠退いてしまいました。
 夫婦の夜の営みも、双子が生まれてから、私の仕事が忙しくなって来て、疲れから誘いをかける機会が段々すくなくなって行きました。
 妻から誘われる事は有りませんでした。元々淡白なのか、余りセックスを好まず、私が求めるから応じる。妻にとってセックスは愛を確かあう行為だと思っている。私はそのように感じていました。

 中学高校と娘たちは、思春期の中をたおやかに、可憐に育って行きました。
 テレビや雑誌でよく見聞きする、不純異性交遊に染まることなく、付き合う男も居ないままそれぞれの夢を叶えるべく頑張りとおし、長女は社会人として一人前の女性になり、双子達も姉のように自分の夢を実現する為、進路を決め、家を出ました。
 二人きりの生活、しかし新婚当初のような甘い生活は望むべくも無く、二人の想いは擦れ違った。
 私は漸く単身赴任の生活から解放され、我が家に戻って来て、子供たちの居ない生活に戸惑った。
 妻は毎日帰宅する私の居る生活に戸惑い、ギクシャクしてしまう。
 それでも長年連れ添った夫婦であり、波風の立つ事も無く幸せな記憶しかない二人は徐々に生活のリズムを取り戻した。ように感じていたのは私だけだったようである。
 私の知っている妻は、インドア派であり直ぐに子供が出来た事もあり余り外出しない専業主婦だったが、戻ってきた時には週1回乃至2回友達と外出し生活を満喫するように変わっていた。
 服装も小奇麗な格好で普段も過ごし、外出時にはそれなりに気を使った服装で出歩いている。
 それまで持っていなかった携帯電話、ノートPCを持ち娘達と連絡を取ったりメールをしていた。
 機械が苦手だといっていた妻がこれらを苦も無く使っている事に驚きもしたが、今時はこんな物だろうと、直ぐにこの事は忘れた。
 ある日、仕事先で気分が悪くなった私は仕事先から午後の早い時間に直帰した時、妻は不在だった。
 家に入り、何気なく庭を見ると洗濯物が干してある。買い物にでも出たのだろうとパジャマを探してみたら、干してあったので、乾いているか確かめる為庭に下りた。
 今では妻と私の洗濯物しか干していない物干し竿、外側の道路に面した側に私の洗濯物があり、内側の家から見えるほうにも私の洗濯物、要するに妻の洗濯物は、周囲から見えないように干されていたのだが、この辺りも下着泥棒の被害があるのだろうと、慎重な妻に改めて感心した。普通家側には無頓着だと思うが、不意の客にも見せないような配慮だと感心したのだった。
 パジャマは乾いていた、内側だったので、このまま取っても大丈夫だと思い、取り込んだ。ついでに、全部取り込もうと、いい夫を演じたくなったのかも知れない、普段しない事をやった。
 【なんだこれ?】
 思わず声に出していた。
 初めて見る妻の派手な下着。
 冷え性に悩んだ妻はお尻をスッポリと包む下着を愛用していたはずだが、そこに在ったのは前も後ろも覆う面積の小さい下着腰の所で結ぶヒモパンという奴だった。
 色もベージュが好みの妻には珍しく黒い下着。その艶やかさにドキドキしてしまった。


忙しい毎日 (>_<)

 「今年は何故か忙しい月から始まった。」
 1月下旬になり忙しさは相変わらず、とは言え、今では贅沢な悩みですね。
 派遣労働者の皆さんの苦衷を想えば、忙しいうちが花と言う事でしょうか?
 
 昨年末までは良いペースで更新出来ていた小説も合間を縫って書き進める状態。
 書いてはUP、UPしては書く、自転車操業のようなモノ。一つの作品を書くので精一杯の、ある意味不本意な、別の意味では一つの作品に専念できる。物書きとしては、はて?どちらがより良いのか悩む状況です。
 おまけに家人にインフルエンザが発症してしまい、夜中起きだしては状況を窺うそんな今日この頃です。
 幸い38℃を超えていた熱も、それ以上は上がらず、下がり出し食欲も回復、あ~退屈の2文字をぼやき、好きな時代劇を見ているようです。一応5日間は様子を見るように医師には言われていますので大人しくしていますが、グチグチ口うるさいので具合が悪かった方が素直で良いと、妻も愚痴り、家人2人から愚痴られる私は、とんだインフルエンザ被害にあっています。(>_<)

 さて、この後10時半頃にUPしますのは、ふと思いついて書き出した新作もどきです。
 PCのメンテナンスを行おうとして、Windowsディレクトリィを展開して階層の確認をしていた時にインターネットテンポラリーフォルダーを思い出して、昔、このフォルダーからネットを参照していた時の一時的なHPの情報やチャットの記録などを取り出し、後から必要な情報を引き出した事が有りました。
 これは使える! そう思い一気に書き出したのが、新作もどきです。

 どんな反応が返ってきますか、楽しみでもあり恐ろしい瞬間でもあります。





目に付いた『TEMP』


【ドルチェ・アマービレ】(21)

 教授がデスクから定規を持ち出し、私の耳元で定規を素振りした。
 【ビュン!!ビュン!!】
 鋭い音が耳を突く。先程のような優しい音ではない。
 無機質な血の通わない音。今更ながら教授の手が恋しかった。
 血の通った手と血の通わない定規。感じる痛みも違うと思う。
 【お尻はこれ以上叩くことは出来ません。ショーツを脱いで脚をもう少し開きなさい。内股を叩きます。】
 『ヒィィ・・・』
 綾歌の悲鳴が部屋中に響く。防音窓には行きかう学生の姿が見える。
 もはや数を数える余裕など無かった。お尻に比べて敏感な内股に鋭い痛みが走る。
 赤い筋が内股を彩る。
 『あぁ・・・教授ぅ・・赦して・・・痛いの。ダメ、耐えられません。』
 綾歌は泣き声を上げ、教授に許しを請う。
 自分から望んだ事なのに、いざとなると鋭い痛みに怖気付き、泣き言を言った。
 しかし教授は赦さず2発目が反対の内股を襲う。
 『あっひぃぃぃ。痛いッ!あっクゥ・・・痛い。いたい。』
 綾歌の甘い気分は2発目で消し飛んでしまう。定規の恐ろしさ、本物の痛みがカラダを蹂躙する。
 綾歌の顔には汗が浮かび、苦痛を訴える目が弱々しい。
 3発目は永遠とも思える間を置いて打ち込まれた。さっきとは、少し違う場所。上下2本の筋が傍目にも痛々しい。
 綾歌は泣き叫び身を捩る。
 しかし、その場から逃げようとはせず、教授のお仕置きを待っていた。
 (私が悪いんだもん、罰を受けて当然よ。罰だもん痛いに決まっている。教授の期待を裏切った心の痛みに比べれば、カラダの痛みなんて・・・あっ・・痛い。太股がズキズキする。お尻も・・・ジンジンする。・・・何なの?・・むず痒い。あっ、教授がお尻を撫でている。・・ふぅん・・はぁん。・・・お尻・・気持ちイイ。叩かれたのに・・)
 教授の手は炎のように熱く、動きがおかしい。以前の様な繊細な動きじゃない。むしろたどたどしい、それが又堪らない刺激を与えてくれる。
 祕肉の間に挿し込まれる指がグッと亀裂を押し拡げた。
 『あぁいやっ。・・・教授見ないで、恥ずかしい。』
 今日の教授は、いつもと違う。
 いつもより乱暴に、私を扱う。
 外気に曝されたクリトリスに教授が吸い付く。吸いついたまま舌で転がされ、しゃぶられる。チュウチュウ卑猥な音を立てて教授が愛液を啜る。
 『はぁん、恥ずかしい。・・あぁ、癖になるぅ・・・やめ・・・』
 教授の手が左右の尻肉をガっと掴み左右に割られた。
 『ヒッ・・いやぁ・・』
 教授がお尻の穴を舐めている。恥ずかしくて気を失いそうになる。ピアノに突いていた手から力が抜け、私の上体はピアノを抱いていた。
 お尻を突き出した格好で、お尻の穴と、おま〇こを交互に舐められる。
 『はひぃ・・・はあん。 ふぅん・・あぉぉお。』
 人差し指がお尻の穴の周りをグリグリなぞり、皺を伸ばしていく。
 こんな事も初めてだった。
 『あぁいやぁ・・汚い・・・汚いから、触らないでッ!』
 教授が口を開いた
 【綾歌君・・・君のカラダの中で、汚い所なんて有りませんよ。どこもかしこも可愛い。】
 また・・・心が躍りカラダが熱くなる。
 女の体で最も恥ずかしい所を見られ、触られている。それも教授に・・・
 心臓が爆発しそうになる。恥ずかしいのと、お尻の穴を弄られる得体の知れない背徳の香りに、頭の中が真っ白になる。
 でも、次の瞬間現実に引き戻される。
 『ひゃぁ・・・痛い・・ヒィヒィ・・・痛い!』
 お仕置きは終わっていない。定規は情け容赦なく叩き込まれる。
 優しい教授と、今の教授・・・どちらが本物の教授なの?ふと疑問が沸く。
 前に見た、背中に羽根の生えた教授・・・・その羽根も白く見えたり、黒く見えたり色々な姿に変わっていた。
 あの教授が本当の教授の姿なの?
 私を辱めている教授、優しく指導してくれる教授、エッチな教授、紳士な教授。解らない、どの姿の教授も、その時々でそういう風に見える。
 教授は決してその姿を明かしてはくれない。玲子さんも翻弄されている。
 私には判る、玲子さんの中には教授がすっといる。千夏先輩には申し訳ないが、玲子さんの心の奥底には先輩はいない。先輩を愛しているのは判るけど、玲子さんの求めているのは教授だけ。
 あの翼に抱かれ、包まれたいのだ。
 『あぅう・・ひぃい・・・はぁはぁはぁ・・・』
 交互に襲う痛みと、快感・・・・もうダメ・・・これ以上は・・・私も・・・
 教授の小指がお尻の穴に潜り込んでくる。引き攣るような痛みと後ろめたい快感。お腹の中を掻き回される恐怖、おぞましい感覚なのに・・・気持ちイイ・・・汚いところを躊躇いも無く触る教授の指が愛おしい。
 指が人差し指に変わる。数ミリ太い棒を私のお尻は受け入れる。下の口から涎を垂らし、苦痛を訴える。涎は教授の口の中に吸い込まれ、猫がミルクを舐めるようにぺチャぺチャ音を響かせる。
 指が引き抜かれた。拡張されたお尻の穴が直ぐには戻らない。小さな穴を開けたまま教授の前に差し出されている。
 『あぁ・・・だめx・・汚い・・・汚れます・・教授。』
 教授の舌が・・・あぁ・・言えない。・・・・こんな事、例え玲子さんにも話せない。淫らで屈辱的で甘美な行為・・・お尻の穴に舌が・・・
 『お、おかしくなるぅ・・・・ヒッ・・・いやぁ・・・あぁ・・だめっ・・・』
 バシィ~~~~
 定規が狙ったのは、お尻。
 火の出るような痛み。内股より力強く叩かれた。
 もう一発同じ所を叩かれた。ズンと重い衝撃。皮膚が裂けた気がする。
 反対側も同じように叩かれた。さらにもう一回づつ。左右のお尻から血が滲んでいる。生温い液体が流れる感触でそれと判る。
 教授がお尻に口付けを一杯する。流れた血も啜られる。
 その姿を思い描くと、吸血鬼が女性の首筋に齧り付き血を吸う光景に似つかわしい。
 あぁ・・・これで・・・教授の虜・・・もう二度と離れられない・・・そんな気がした。
 女性を襲う吸血鬼・・・教授はそうなの?血を吸われた女性は、吸血鬼の僕・・・ゾクゾクッと背中が震え、背筋に電流が走る。おま○こから汁が噴出し、お尻の穴がヒクヒクする。

 ふと気が付くと、教授が私を抱き抱えピアノの脚に背を凭れ座っていた。
 髪の毛を優しく撫でながら、涙を流している。
 教授の呟きが聞こえた。
 【綾歌君・・痛かったろう、辛かったろう、よく頑張ったね。叩きたくは無いんだよ。まだ君には無理だから・・・でも・・・叩かねば君は・・過ちを繰り返す。一人の人間を一人前にする、並大抵の事では出来ない。自分の子でさえ思い悩み惑う、が、血の繋がりがよすがになる。しかし、親御さんから預かった大事な身。ほんの数年預かるだけの絆・・・薄い・・・薄すぎる。・・・私はそれを濃くしたい。わが子で無いなら、我が恋人・・我が女にする。身も心も繋げる・・・私にはこれしか出来ない。この方法しか思い付かない。】
 言葉を切り私に口付けした。
 【・・・支配と服従・・・それを足ががりに・・・両刃の剣・・・・綾歌君は堕ちたままで沈むのか、玲子君のように最後の一線で踏み止まるのか・・・危険な賭けに引き込んでしまった。・・・赦しておくれ。】
 掠れ行く意識の中で、私にはただ一言だけが心に残った。
<支配と服従> なんて甘美で淫らな響き。


【ドルチェ・アマービレ】(20)

 『Voi che sapete Che cosa e amor  ええと、あなたは、それですあのね、そして、好きである。なにこれ?』
 エキサイト翻訳の結果だった。まるでなっていない。仕方が無いから次の手を・・
 『あなた・・・あなた方・・ご存じ。うん。こうよね。単語一つずつ直訳してみよう。あの、何、および、愛・・・これじゃぁねえ。直訳過ぎ!』
 『繋げてみると・・・あなた方は、愛について何かご存じ?直訳としてはこんなものかしら?・・このかしら?は使えるかもメモしておこう。』
 『Donne, vedete S'io l'ho nel cor.  女性‖あなたを見ます、私は彼を呼びますおや。本当にもう!エキサイト翻訳は使えない!意味ないじゃん。やっぱり単語1つずつ訳するしかないのね、クスン綾歌困っちゃう。と可愛い子ぶって・・虚しい。』
 『女性、見る、あなたが、わたしです。わたし・・私には彼がいます。で、おや。なんだかさっぱり見当もつかないわ。イタリア語を英語に直して、それから訳してみよう。ええと、Women, see you I have him in the cor.・・彼が心臓に居ます?ぅ、参照??う~ん、う~ん。これは後に回そう。次に行くわ。』
 『どうしたら、私たちはしてください、私は繰り返します。・・・・駄目ださっぱり判らない。・・・次行こう。』
 『そして、新たに私のために、私が知っている、私は知っている、理解する。Capirが判らない。・・・語学苦手なのよね・・・』

 なんだかんだ言いながら、3日間で出来る事は取り敢えずしたつもりの綾歌。
無謀にも教授の前に立っていた。
【綾歌君まずは発音を確かめます。朗読してスコアはそこに有りますからそれで。】
                 Voi che sapete
                                    Lorenzo da Ponte
               Voi che sapete che cosa è amor,
               donne, vedete s'io l'ho nel cor,
               donne, vedete s'io l'ho nel cor!
               Quello ch'io provo vi ridirò,
               è per me nuovo, capir nol so.
               Sento un affetto pien di desir,
              ch'ora è diletto, ch'ora è martir.
              Gelo e poi sento l'alma avvampar,
              e in un momento torno a gelar.
              Ricerco un bene fuori di me,
              non so ch'il tiene, non so cos'è.
              Sospiro e gemo senza voler,
              palpito e tremo senza saper.
              Non trovo pace notte né dì,
              ma pur mi piace languir così.
              Voi che sapete che cosa è amor,
              donne, vedete s'io l'ho nel cor,
              donne, vedete s'io l'ho nel cor,
              donne, vedete s'io l'ho nel cor!

 『教授自分のスコアでやって宜しいでしょうか?』
 【・・・まあ、良いでしょう。】
 なんだろう?教授のあの間は・・・少し不安になりながら、持って来たスコアを楽譜台に置き朗読し始める。
 『ヴォーイ ケ サペーテ ケ コーザ エ アモール』
『ドンネ ヴェデーテ スィオ ロ ネル コール』
『ドンネ ヴェデーテ スィオ ロ ネル コール』
『クウェッロ キオ プローヴォ ヴィ リドロ』
『エ ペル メ ヌォーヴォ カピール ノル ソ』
『セント ウンナフェット ピエン ディ デズィール』
『コーラ エ ディレット コーラ エ マルティール』
『ジェロ エ ポイ セント ラルマッヴァンパール』
『エ イン ウン モメント トルノ ア ジェラール』
『リチェルコ ウン ベーネ フオーリ ディ メ 』
『ノン ソ キル ティエーネ』
『ノン ソ コゼ』
『ソスピーロ エ ジェーモ センツァ ヴォレール』
『パルピート エ トゥレーモ センツァ サペール』
『ノン トゥローヴォ パーチェ ノッテ ネ ディ』
『マ プル ミ ピアーチェ ラングイール コズィ』
『ヴォーイ ケ サペーテ ケ コーザ エ アモール』
『ドンネ ヴェデーテ スィオ ロ ネル コール』
『ドンネ ヴェデーテ スィオ ロ ネル コール』
 目を瞑って聴いていた教授が私の方へつかつかと歩いて来た。
 【綾歌君、君のスコア見せなさい。】
 『え?あの、教授?』
 【良いから見せなさい。】
 いつになく厳しい教授の声。
 【・・・・ふぅ~・・・・・】
 教授がため息をついた。
 【綾歌君、君にはがっかりしました。君は絶対してはいけない事をしました。がっかりです。もう良い、下がりなさい。出て行きなさい。】
 『あの、教授どうしてですか?』
 【本当に判りませんか?】
 『・・・ごめんなさい教授。・・・時間が無くて・・』
 【それでスコアにカタカナを振ったのですか。漢字のかな振りとは違います。君はカタカナを覚えたくて振ったのですね。原曲、言語の発音を無視して、カタカナを詠んだ。】
 【馬鹿もの!】
 教授に初めて怒鳴られた。今まで怒られた事は有っても、怒鳴られた事は無かった。
 ショックで泣き出した私に教授は更に。
 【指導中の指摘に関してスコアに書き込むのは良しとしましょう。ですが、最初から最後までカナを振りそれで覚えようとする。この事は許せません。単語そのものを覚えないと何年経ってもマスター出来ません。それを判らないなら、もう君に指導する必要も気力も意欲も有りません。出て行きなさい。】
 教授の怒りは怖かった。こんな教授初めて見た。
 実を言うと、別の先生にも同じような事を言われた事が有る。自分じゃなかったが、他の人が怒られていたのを、見ていた。
 でも、軽く考えていた。バレなければそんなに違いが無いだろうと・・・
 しかし、教授は見逃さなかった。微妙な発音の違いを。
 『ごめんなさい、教授。もうしません、許して下さい。』
 泣きながら謝る。教授は私から離れ、ピアノの横に立ち私を見ようともしない。
 涙で良く見えないが教授は怒っているのでは無さそうだった。
 何か・・哀しそうに見えた。教授の背中から羽根が抜け落ちてしまう。そんな光景が見えた気がした。
 私はそれを見たとたん、ガタガタ震えていた。
 涙は止まり、嗚咽も止まる。その代りカラダが震えだし止まらない。
 胸が痛みだし、耐えがたい。呼吸も苦しくなる
 『ひぃ、ひぃ、ひぃ、・・・きょ、ひぃ・・』
 何かに気が付いた教授が振り向く。教授はご自分のデスクからコンビニの袋と鉛筆を手に私に近づいてくる。
 『ひぃ、・・・ひぃ・・・きょ・・ひぃ・・・・う・・ひぃい・・じゅ・・・ひぃ・・』
 私はなんとか教授に謝ろうとするが、苦しくて言葉が出ない。
 教授はビニールの袋に、鉛筆で穴を開けながら静かに言う。
 【過呼吸です。心配しないで。大きくゆっくり深呼吸して。】
 やろうとするが、呼吸は早まり出来ない。
 【これを口に当てて、呼吸しなさい。ゆっくり・・・大丈夫だから。ゆっくり。そう・・そう、ゆっくり。】
 しばらくして漸く呼吸が楽になって来た。
 【酸素の吸いすぎです。落ち着きましたか?】
 常態に戻りつつあった私は、教授に向かって叫んだ。
 『教授・・許して下さい!もう二度としませ!私を罰して下さい。だから・・・だから出て行けなんて、言わないで下さい!』
 『教授のお言付けどおりに何でもします。赦して下さい。ごめんなさい。ごめんなさい。赦して・・綾歌を捨てないで。』
 見捨てないで、と言おうとして、捨てないでと言ってしまった。
 でも、心の底からそう思った。このまま捨てられる。そう思ったら呼吸が出来なくなっていた。
 【・・・・罰が欲しいのですね。赦しを請うために罰を受けるのですね。】
 『はい、教授。悪い子の綾歌を罰して下さい。』
 【ピアノに手を付いて、お尻を突き出しなさい。昔から悪い子にはお尻ペンペンです。】
 『・・・はい。』
 私はピアノに手をつき、恥ずかしいけどお尻を突き出した。
 【スカートを捲り、ショーツを降ろしなさい。】
 え?そんな・・・・恥ずかしかったが、教授に捨てられる事の方が嫌だった。
 スカートを捲り、ショーツを太股の所まで降ろした。
 教授の目には、私の剥き出しのお尻が見えている。外からはピアノが邪魔して、お尻が剥き出しとは見えない。
 【良いですね、カンニングした罰として10回、私を落胆させた罪で10回、音楽を冒瀆した罪で10回。お尻を叩きます。】
 私は身を固くして教授の打嫡を待つ。
 【自分で数えるのですよ。イタリア語で。】
 いきなり、バシーン!と右のお尻を叩かれた。
 『 uno 』
 間をおいて今度は左。ビシィ!
 『 due 』
 バシーン! ビシ! ビシっ!
 『 tre。  Quattro。 Cinque。 』
 続けざまに3発。お尻が痛い。ジーンと痺れる。
 バシィ、ビシィ、バシ、ビシ、バシーン!
 『 sei。 Sette。 Otto。 Nove。 Dieci。 』
 最初の10回が終わった。
 お尻がジンジン痺れ、火の出る様に熱くなっている。既にお尻は真っ赤に腫れている。
 一度手を止めた教授は、私のお尻を掌で摩る。その手はいやらしい手つきでは無く、むしろ優しい。
 教授の手を見た。
 あっと思う。教授の手は膨れ、ピアノを弾けない位だった。
 バシィ、ビシ、バシーン、ビシ、バシ、ビシーっ、バシィ、ビシーッ、バシ、ビシ!
 『 undici。 Dodici。 Tredici。 Quattordici。 Quindici。 Sedici。 Diciassette。 Diciotto。 Diciannove。 Venti。 』
 10回連続で叩かれた。
 教授の手は益々腫れ、あの手ではお箸も持てない。そう思わせるほど膨れている。
 その手を見ると、申しわけなさと、切なさがこみ上げて来る。そして罰を受けているのに嬉しさも。
 あぁ、教授・・・悪い子の綾歌の為に、お手をこんなに腫らすまで叩いて頂いて。・・・。教授ごめんなさい。あぁ・・教授・・・教授。もっと、もっとぶって。綾歌をぶって。
 綾歌は自分の気持とカラダの変化にまだ気が付いていなかった。
 尻肉の狭間から覗く祕肉から、蜜液が零れ落ちている事に気付いていない。
 綾歌は、叩かれて痛むはずのお尻がいつの間にか甘い痺れに変わり快感すら覚えていた事を。
 綾歌はひたすら教授に申し訳ない事、教授の手を心配し、こんな事に教授の手を使わせてしまったと恐縮する一方で、教授に叩かれる悦び、教授が自分をそれ程思ってくれていると思い嬉しさがこみ上げて来る。こんなに腫らしてまで私を・・・胸がキュンとなる。
 教授に叩かれて悦ぶ。・・・まるで・・・
 そんな事無い。そんな事無いもん。・・・そんな事・・・でも・・・教授だけなら・・・綾歌・・・その気が有ったんだわ。・・・
 【綾歌君、中止にします。私の手がこれですから。】
 思わず答えていた。
 『あぁん・・・教授ぅ・・・やめないで・・ぶって・・・綾歌をぶって・・・もっと・・』
 自分でも驚いた。
 痛みが甘い疼きに変わるのを知った。・・知ってしまった。・・・・知らされた今、止めて欲しくなかった。して欲しかった。おねだりした。
 【・・・では、今度は定規でお仕置きです。】
 お仕置き・・・なんて甘い響きだろう。ゾクゾクっとカラダが震えた。
 『あぁん・・はい・・・嬉しい・・・あぁ・・』
 教授の新しい指導はまだ始まったばかり。これからどうなるのか、綾歌は期待にカラダを熱くした。


【ドルチェ・アマービレ】(19)

 【綾歌君、、君の友人から聞いたのだが、オーディションでは散々だったようだね。もう一度基礎からやり直そうか。ではモーツァルト作曲、ダ・ポンテ台本のオペラ(《フィガロの結婚》、《ドン・ジョヴァンニ》、《コシ・ファン・トゥッテ》)のなかから、アリアを1曲選び朗読すること。明後日までに私の下へ来てください。】
 それから、色々迷った。《フィガロの結婚》から、『恋とはどんなものかしら』を選び、一杯練習した。好きな歌だったし、2度も教授を落胆させた後だから何としても挽回したかった。
 『まずは原曲の発音ね』
 『Voi che sapete Che cosa è amor,  ヴォーイ ケ サペーテ ケ コーザ エ アモール』
 『コーサッじゃ無くて、コーザ・・濁るのね。確かイタリアのマフイアの事を、コーザ・ノストラと言うのよね、あれと発音は一緒なんだ。』
 『次は、Donne, vedete S'io l'ho nel cor.   ドンネ ヴェデーテ スィオ ロ ネル コール。スィオ ロ hを発音しないのはフランス語に似ているわ。隣同士だし似てくるのね。その割りにドンネ・・・英語だとダニーと発音してしまいそう。混乱してくるわ。』
 『次の詩ね。Quello ch'io provo Vi ridirò,  クウェッロ キオ プローヴォ ヴィ リドロ。クウェッロ・・・クエロと詰めてしまいそう。気を付けないと。キオもヶ、イオかケオって発音しちゃうかも。ヴィも下唇を噛んで発音しながら唇を離しヴィね。』
 『È per me nuovo Capir nol so.  エ ペル メ ヌォーヴォ カピール ノル ソ。メをどうしてもミーと勘違いしちゃう。』
 『Sento un affetto Pien di desir,  セント ウンナフェット ピエン ディ デズィール。アン アフェットとか、アンナフェットと発音しそう。どうも英語とイタリア語の読みが混じっちゃう。意外と多いのよね、フランス語でもtable、タブルをテーブルと発音して先生に笑われた事が有ったわ。1年の時だけど・・・』

 『Ch'ora è diletto, Ch'ora è martir.  コーラ エ ディレット コーラ エ マルティール。 スカッと爽やかの方じゃなくて・・あぁ集中力が途切れちゃった。少し休憩しようかしら。』
 この曲は1度教授に聴いて頂いた。その時には何の指摘も無かったから多分大丈夫よ。大好きな紅茶を飲みながら、あ、今日はボイトレ終わったから、喉への負担も大丈夫でしょう。喉が可笑しくなるのが怖くて紅茶が止められるかって・・・その時は止めるわよ。
 『Gelo e poi sento L'alma avvampar,  ジェロ エ ポイ セント ラルマッヴァンパール。ここ最後が発音し難いのよね。』
  『E in un momento Torno a gelar.  エ イン ウン モメント トルノ ア ジェラール。何かまた英語風の発音が混じる。』
 『Ricerco un bene Fuori di me,  リチェルコ ウン ベーネ フオーリ ディ メ。』
 『Non so chi'l tiene,   ノン ソ キル ティエーネ』
 『Non so cos'è. ノン ソ コゼ。』
『Sospiro e gem Senza voler,  ソスピーロ エ ジェーモ センツァ ヴォレール。』
 『Palpito e tremo Senza saper.  パルピート エ トゥレーモ センツァ サペール。』
 『Non trovo pace Notte né dì_,  ノン トゥローヴォ パーチェ ノッテ ネ ディ。』
 『Ma pur mi piace Languir così_.  マ プル ミ ピアーチェ ラングイール コズィ。』
 『Voi che sapete Che cosa è amor,  ヴォーイ ケ サペーテ ケ コーザ エ アモール。』
 『Voi che sapete Che cosa è amor,  ヴォーイ ケ サペーテ ケ コーザ エ アモール。』
『Donne, vedete S'io l'ho nel cor.  ドンネ ヴェデーテ スィオ ロ ネル コール。』

 『ふぅ~これで一応発音を書き出したわ。これを何回も繰り返し発音して覚えなくちゃ。でも、教授が課題の中にコシ・ファン・トゥッテ入れて下さったのは、温情かしら、それとも・・・愛情かしら。キャッ、自分で言っておいて顔が赤くなるなんて。でも、教授いつになく、厳しい顔していたような気がする。そろそろ本格的な特別レッスン、アダルトレッスンが行われるのかしら?前ならエッチレッスンなんて考えも、耐えられもしないと思うけど、今の私は・・・耐えられると思うし、チョッピリ期待・・いやぁ、恥ずかしい。なに言わせるの。って、誰に向って話しかけてるの綾歌。』
 疲れからか、緊張からか自分でノリ突っ込みをしながら、再確認の朗読を行う。
 これから、詞の意味を訳す作業、オペラのストーリーを考えて訳した言葉を感情を込めて歌う。やる事は一杯有る。間に合うのか不安に陥るが、絶対間に合わせる。
 教授に嫌われたくない。教授に見放されたくない。教授に良い子だと褒められたい。教授にkissされたい、教授にハグして貰いたい。教授に私を見せたい。教授を見たい。教授に抱かれ・・・ハッとなった。
 いま、何考えていたの綾歌。・・・教授に抱かれるのを望んでいるの?
 綾歌ヴァージンだよ。そのヴァージン教授に捧げるの?貰って頂くの?
 不意に胸がキュンと音を立てた。
 私は・・・望んでいる。教授に捧げたい。
 はっきり自分の気持ちに気が付いた。
 後は私の問題だわ。教授に愛される努力をしなければ。私は学生だもの、勉学に勤しむのが、教授への愛に繋がるのよ。きっとそうよ。
 そこまで考えたら休憩なんかしていられない。
 『まずは、直訳してみよう。そしてストーリーを確認して・・意訳ね。』
 方針が決まると、電子辞書とノートPCを用意する。いまどき辞書片手に訳するなんて、学生居ませんよ。電子辞書で判らなければ、ググッてみれば大概の事は判るし、特別なキーワード検索方法をマスターすれば・・・ネットには何でも有りだから。
 裏動画だって転がっている、有名なAV女優さんから無名の女優・・素人AVは、多分この人達が主演でしょう、に人妻物や女子学生、OL物、種々有るけど、見ることが出来る。それも無料でDL出来るの。
 PC1台を専用機にすれば・・個人情報を入れていないPCね。P2PでDL出来るの。
 やって見た。
 『凄ぉい。あぁ、丸見えじゃないの、この人恥かしくないの?若しかしたら世界中の人に見られるんだよ。あっ、こんな事まで・・・この女の人見られる事に快感を覚える人なんだわ。芸能人も有る意味見られる事に快感を覚える人達でしょう、ステージで注目を浴びたいから、あの興奮が忘れられない。と、芸能界から去れない売れない芸能人も一杯居る。異口同音に言うのは、一度ステージに立ち聴衆の前でスポットライトを浴びたら普通の生活に戻れない、もう一度、もう一度と麻薬の様にスポットライトを浴びたい。と言っていたわ。
 彼女もライトを浴びて裸を曝し、全てを見られる事に、快感を覚えているのね。
 私もそうなるのかしら。ステージで歌う事が忘れられず、聴衆に聞かれ、見られる快感に溺れるのかしら?
 ううん、まだ判らないけど、教授にだけ見られたい、教授にだけ見せたい。その気持ちだけで精一杯なの。
 私はいつの間にかショーツの上からアソコを摩っていた。
 ショーツはグッショリと湿り、恥ずかしい液が後から後から溢れ出していた。
 この所ずっとカラダが疼き、そのたびに自慰をしていた。
 止めようやめよう、と思っていても、教授の貌、あの指を思い浮かべると触っていた。
 一度触ると昇り詰めるまで止められない。アソコが別の綾歌になってしまう。
 昼間の私が、夜こんな事をしてしまうなんて・・・・そう思っていたのが2日前。今の私は昼でも自慰をしてしまう。
 ショーツをずらし指を亀裂に這わせる。
 教授に剃られたアソコが口を開いて指を待っていた。
 『・・・教授ぅ・・あん・・駄目・・・そんな事・・言えません。』この所妄想するのは教授に言葉で苛められ、言う事を聞かされること。
 『あぁん・・・やだぁ・・・そこダメェ、触らないでぇ・・・言います。言いますから、やめないでぇ。』
 妄想の中の綾歌は言いたくて堪らないのだ。女性器を恥かしい言葉で叫ぶ。
 『あぁ・・お・・オマ○コ・・・触って・・下さい。』
 『あぅ・・いじわるしないで・・・弄って下さい。』
 教授の指の積りで人差し指の腹が、クリトリスを包皮ごと弄られる。
 徐々に膨らむクリを弄り続ける。乳首は硬くしこっている。
 人差し指と親指で捻り潰す。
 『はぁ・・ふぅん・・・はぁあ・・』
 一度触ると乳首もクリも離れ難く、何度も摩り嬲る。
 『教授ぅ・・・おま〇こイイ・・・気持ちイイ。・・もっと・・もっと。』
 普段の綾歌が、そんな私を諌める。
 (綾歌、やめなさい。あなたは女の子。いやらしい事をいてはいけないわ。結婚して旦那様に愛されるまで、してはいけないのよ。)
 『だって・・気持ちイイの。・・止められない。カラダが言う事を聞かないの。』
 (勉強しなさいよ淫乱綾歌。あなた、随分いやらしくなったわね。教授は喜んでいるでしょう?でも、もっと教授に愛されたい・・セックスして欲しかったら我慢して勉強しなさいよ。)
 普段の綾歌が少し淫らに言う。普段の綾歌まで・・・・感化されたの?
 ショーツを脱いで足を開く。
 足もとの姿見が目に映る。
 姿見には、動画の女優と同じ女がいた。
 オマ○コを曝して、愛液を流す女。これがわたし・・・私の本性なの?
 違う、違うもん。綾歌は好きな人の前でだけ乱れるの。
 (でも、結局殿方の前でおま〇こ晒すのでしょう。綾歌・・・いい加減認めなさいよ。普段の綾歌も、今の綾歌も一つなのよ。そうやって偽っていたら、教授に満足してもらえないわよ。勉強もあなた自身もね。)
 『あぁ・・言わないで・・・ちがうの・・ちがう・・の・・・あぅん。』
 指の動きが激しくなる。開いた足を閉じ、股間の手を挟みつけ、より強い刺激を求める。
 『あっあぁ・・・もうダメ・・・きちゃう・・・うぅぅん。あ~~~』
 その日はあっけなく逝ってしまった。
 カラダが弛緩し、床に横たわる。
 姿見の中の女もぐったりとカラダを横たえ、股間を弄くる手を止めていた。
 姿見の中の女が頷く。
 綾歌はノロノロとカラダを起こし、姿見を見る。
 中の女と目が合い、微笑んだ。綾歌は姿見ににじり寄り、姿見の女と対峙する。
 綾歌はしばらく姿見の女を見詰めている。
 綾歌の貌が姿見に近づき唇を突き出す。 姿見の中の女も同じ動きをした。
 姿見の中の女と口付けを交わし立ち上がる。
 『さぁ、勉強しよ。何だっけ?うん、直訳だったわ。ええと・・』


【プリムローズ】(7)

 【おお、ベス・・気持ちがいい、どうしてだ?し、詩織君が上手いのか。】
 詩織のフェラチオで異常に感じている、零二は傍らのベスの方を見て聞く。
 ベスの顔を見たとたん、ペニスが一段と大きくなった。銜えて居た詩織が苦しそうに呻く。
 『ぅぐぅ』
 『やっぱり・・ゼロ、あなたは私に他の女の人としている所を見られて興奮している。それが気持ち良くさせているのよ。』
 【どうしてそう思う。】
 『私がそうだからよ。さっき詩織さんに聞かれて居た時に気付いたの。多分詩織さんもそうよ。ゼロ、詩織さんのおま〇こ触って確かめてみて。』
 零二は上体を折り、詩織のおま〇こに手を伸ばした。
 洪水のように愛液が流れ出している。詩織のソコはパックリと口を開け、物欲しげにヒクついている。ビラビラは充血し、折りたたまれた祕肉がピンクの口を開けている。
 零二が人差し指を挿し入れると、膣肉が食い締めるように指を包み込む。
 『ふぅん・・・はぁ・・』
 零二のペニスから口を外した詩織の鼻声が浴室に響く。
 『オジサンもう、もうダメェ。入れてお願い。』
 「だめよ詩織。もっと綺麗にしてから。それにここではダメよ。」
 奥様が意地悪にも言う。
 オジサンが後ずさり始める。私はオチン○ンを離さないように、銜えたまま這う。四つん這いで追いかけるような恥かしい格好。
 またオジサンが後ろに下がる。私はまた1歩、また1歩這いながら従う。
 屈辱的な格好を取らされ、オジサンのオチン○ンを舐めシャブリながら、移動する。
 ゆっくりした動き、銜えたチ○ポが外れないように、オジサンの動きを察知し動く。
 テレビで前に見た犬の躾。
 カッーッと体が熱くなる。胸の鼓動が早鐘を打つ。犬と同じ格好・・考えると屈辱と甘美、否定と肯定、背反する心とカラダが、私を倒錯の谷に突き落とす。
 また、オジサンが動く。そう察知し身構えた私。
 オジサンは急に後ろを振り向き歩きだしてしまう。
 私はあわてて、オジサンの後を追い掛ける。四つん這いのまま追いかける。
 追いついたのはベッドルーム。オジサンの腰に抱きつき夢中でチ○ポを銜えた。
 オジサンはベッドに腰を下ろして足を開く。
 私は足の間に正座し、オジサンのチ○ポを捧げ持つ格好をして言った。
 『ゼロ様ぁ。詩織におチ○ポ様を下さい。』
 すっかり『奴隷』の様な言葉使いをしてオジサンの反応を窺う。
 オジサンは笑っていた。それも噴き出す直前の様な顔をして。
 【詩織君、ノリが良いんだな。つい、そんな気分に浸ってしまったよ。ベスの思惑に嵌ってしまった、と言う事だな。】
 やっぱりオジサンは優しい。こんなに淫靡な状況でも冷静でいて、頑固に拒否するのではなくベス・・奥様の思惑に乗った振りをしていた。
 【で、どう言う事なのかな?】
 『あのね、オジサン・・・奥様はね.』
 【いや、その前に詩織君立ってくれないか。】
 私は何気なくオジサンの言うとおりにした。あっ、わたし裸のままだ。
 オジサンの目の前に恥かしい所を曝してしまっている。慌てて股間を手で隠そうとした。
 その手をオジサンは掴み、隠せないようにする。
 『オジサン、恥ずかしいからやめて。』
 オジサンは構わず、私の股間に顔を埋めた。
 『はぁぁ・・ダメェ・・あぁん・・・あん・・あぁ・・あん・・』
 土手高のアソコを上から刺激される。ここがこれほど感じるなんて知らなかった。
 今までの男はここには目もくれず、直接亀裂を刺激するだけだ。
 草叢越しにポっこり膨らんだ下腹部を舐められ、膝がガクガクいってしまう。
 【足を開いて。】
 オジサンの言葉が逆らい難い『命令』のように聞こえた。
 足を大きく開き両手をオジサンの肩に置いた。
 オジサンの頭が股間に潜り込む。下から吸いつかれ、唇でビラビラを挟まれ引っ張られる。
 亀裂に舌が潜りこんできた。
 ずっと待って居た刺激に私の女自身が涙を流し喜ぶ。粘り気のある涙・・世間では愛液と言うのね。
 【詩織君、自分の指で開いて中を良く見せて。】
 『あぁいやっ。オジサンどうしたの?恥ずかしい。』
 膣前庭を舌で刺激される。膣口がパクパク口を開いたり閉じたりしているとオジサンに言われた。
 『いやん、そんな・・・』
 【ベッドへ横になって。足を太股の所で抱え込んで。・・そう、そうだ。もっと足を開いて。】
 オジサンの『命令』にまた従ってしまった。
 恥ずかしくて堪らないのに、この姿を見て欲しい私が別に居る。
 別の詩織は、アナルまで見られる事に興奮し、愛液を噴き出している。
 噴き出している・・・オシッコの様にピュッと出たの。
 初めての経験に別の詩織は、狂おしいまでに興奮した。
 何度もピュッ、ピュッと愛液を噴き出してしまう。自分がこう言う体験をするとは思わず、自分のカラダがおかしくなったと思った。
 詩織はオシッコをお漏らししてしまったと思っている。
 尿道口がむず痒い。その上のピンクに光る真珠の珠も弾けそうに膨らんでいる。
 そこをオジサンの舌が襲う。オジサンの舌は以外にも短い。舌先で擽るような動きは出来ないらしかった。その代り舌全体でベタッと舐められる。いつもとは違う感覚、これも新鮮な刺激だった。
 唇で挟まれ、吸われ、歯で甘噛みされ、狂う。身を捩り逃れようとしたが、オジサンのカラダが邪魔して動けない。
 そのオジサンのカラダがぐるりと回転し、私の顔の上に股間が来た。
 目の前にオジサンのおちん○んが来ている、私は躊躇いも無く手を伸ばし、勃起したおちん○んを口元まで押し下げた。
 硬いおちん○んに向かって頭を少し上げ、亀頭にキスしてから、舌先で亀頭冠をなぞる。
 ビクン。オジサンのおちん○んが反応する。ピク。私のクリトリスも反応した。
 お互いの性器を舐めしゃぶる。飽きることなく味わい尽くす。
 『はふぅん。あぁん、オジサンもうダメ。入れてぇ・・オジサンのおちん○ん詩織に入れてぇ。』
 ずっと欲しがっていた。焦らされて焦らされて、やっと・・・
 オジサンがまたカラダを入れ替えて、私を見下ろす。
 口付けされ、抱き締められる。今までの行為が嘘のように優しく抱き締められた。
 『ふぅん、オジサン・・』
 長い口づけ、オジサンのおちん○んが私のアソコに宛がわれ、上下に擦られて膣口を開く。
 あぁやっと。あとひと押しで亀頭が嵌る。
 いよいよ、私はオジサンと結ばれる。
 『stop ゼロ!』
 『うぁぁぁあぁ、奥様!どうして?』
 ここで止められるなんて、なんて意地悪なの。ベスのバカぁ!!
 『これちゃんと着けて。Condom忘れているわよ。詩織も妊娠したいの?』 
 【あぁ、忘れていた。ベスとする時には着けた事無いから、そんな物何時用意したんだ?】
 『細かい事を詮索しないの。さあ、詩織は気が狂いそうよ。私が着けてあげるから。』
 ベスは慣れた手つきで、condomを装着する。
 詩織は我慢しきれず腰を揺すり、足を限界まで開く。
 『くぅぅ、あぁぁぁああ、ぅぅん、はぁぁ。』
 安堵のうめき声をあげ、零二にしがみ付く。さしたる抵抗も無く嵌る。その動きは止まらず何処までも刺し貫かれる。
悦びと、下腹部を圧迫する感覚が少しずつ奥に向かって迫ってくる、が、子宮口で止まると思っていたおちん○んが子宮口を押し上げた事で逆に恐怖を感じた。
喉元から飛び出る!咄嗟に感じた恐怖。それほど奥まで届いている。


【ドルチェ・アマービレ】(18)

 2週間の特別レッスン・合宿が終わった。
 夏の雷鳴と共に、季節は移り始めていった。
 玲子さんと千夏先輩は、仲良く手を繋いで山荘を出て行った。筈もなく相変わらず毒舌を交わしながら、それでも親密に帰って行った。
 『ぼやぼやしないでよ千夏。明後日には海外へ行くんだから、準備しなくちゃ、いけないのよ。』
 「何だよ、いきなり海外だなんて。聞いてないぞ。」
 『あ~千夏。もう亭主気取り。こら十年早いわよ。』
 「へえ?十年経ったら玲子はオバ・・・痛ってえ!」 千夏先輩が後頭部を抱えて蹲る。
 『それ以上言ったらコロす。・・・千夏がそう思っていたなんて・・・ぅぅ。』
 玲子さんが、あの玲子さんが泣き出した?
 意外と年齢差を気にしていたのね。先輩にも困ったものだ。女心がまるで判っていない。
 「ゴメン玲子。冗談だって、れ、玲子は今でも素敵だよ。」
 あっちゃぁ!千夏先輩これじゃあ火に油を注ぐようなもの・・・
 『今でも?・・・・・い・ま・で・も??』
 「あ、いや、その、なんだ。・・いま・・・その・・・」
 千夏先輩は心底困った顔をして立ち竦んでいた。玲子さんは肩を震わせ泣いている。
 『クッ、くっ、クッ、クッ、クッ、アッハッハッ・・アハハハ!』
 笑っているよ 
、この人はまったく。
 『千夏のバカ。玲子さんだって女だぞ。好きな人にあんな事言われたら、傷付くんだから。』
 この玲子さんは可愛く見える。 結局私は痴話喧嘩を見せられたのね、アホらしい。
 『綾歌、色々お世話したわね。もう二度と迷惑掛けないでよね。』
 前言撤回。どこが可愛いの?この毒舌女。
 『綾歌、今度の月曜日、オーディションが有るから出なさい。』
 『え?えっ~?』
 『公演の主催者は○○市。コンサートホールアンサンブルホール○○○で行われる『マイクロオペラ』演目はビゼー作曲/カルメン。オーディションで選ばれるのは、フランスキータ(ソプラノ)1名、スニガ(バス)1名、ダンカイロ(テノール)1名よ。』
 『対象は、あなたのような一般人、○○大学、大学院、卒業生、勿論ピアノ伴奏者を連れて行くこと。今回は千夏を連れて行きなさい。あ、そうそう、このオーディションは公開で行われるからその積りで居てね。』
 『無理ですよぉ。全然準備していないし、公開だなんて。オーディションで公開なんて有り得ない。』
 『オーケストラ、コーラス、ウィンドアンサンブルの定期演奏会へ出演する学生は、各学年毎或いは各学期毎の成績、および勉学状況により決定されるわ。でも、これらと共演するソリスト、オペラのキャスト、また各種室内楽のメンバーなどは、その都度行われるオーディションにより公正に選考される。対象の学生は、これらのオーディションに自由に応募することができるわ、チャンスは広く公平に与えられていて、このオーディションへの挑戦は、意欲ある学生にとって、勉学の大きな目標となっている。そのことは判るわよね。ならば、自分でチャンスを掴みなさい。準備不足がどうのこうの、やる前からグジグジ言わない。どうせ本番は有料の公開なのよ、無料の公開オーディションで度胸を付けなさい。』
 自分だって、エリザベート王妃国際音楽コンクールに出るかどうかで、グジグジ悩んでいたくせに。
 『なあに、文句が有るの?綾歌あなたはね、もっと場数を踏みなさい。私達は歌ってナンボのもんでしょう。シュトレーゼマンも賛成してくれたわよ。教授からの伝言はね、綾歌君恥掻いて来なさい。だそうよ。』
 教授は、音楽の事になると手厳しい。玲子さんも同じ事を言われていたわ。

 『ハ~イ皆さん。オーディションの模様は、わたしエッちゃんがお話しま~す。』
 なんでエッちゃんが?あんにゃろめ○○まで男と観光に来たな。
 『オペラのオーディションが入場無料で見れるということで見に行きました。オペラには詳しくないので、オーディションとはいえ無料で聴けるとは格好の機会です。演目は、ビゼー作曲/カルメン。本番は8月22日(土)に同じ○○コンサートホールアンサンブルホール○○○で行なわれます(もちろん有料)。「マイクロ・オペラ」というタイトルが示すように、最小限の出演者で、コンパクトな形態で行なわれるようです。アンサンブルホール○○○のステージの広さを考えれば、舞台装置はおそらくなく演奏会形式に近いと思われます。伴奏はオーケストラではなくてピアノのようです。オーディションを本番と同じ場所で行なうなんて贅沢ですね。』
 どこが詳しくないだ。エッちゃん意外と詳しいじゃないの。

『今回のオーディションでは、フランスキータ(ソプラノ)1名、スニガ(バス)1名、ダンカイロ(テノール)1名を選びます。対象は、○○市立芸術大学音楽学部生、大学院生、卒業生。一般。公演の主催が○○市なので、○○市立芸大にお声がかかったのでしょうか。4名が出場しました。ピアノ伴奏者は自分で連れてくる必要があります。』

『集まった聴衆は50名ほど。出演者の関係者というよりは、音楽やオペラが好きそうな年輩の方が多かったです。 』
『審査員が登場。6列目に座りました。左から、○○晶子、□□有奈、△△正治の順。本番で、○○はピアノと音楽監督を、□□はミカエラ役を務めます。』
『アナウンスで出演者名が告げられてオーディションがスタート。課題曲(「カルメン」の一部)と自由曲を続けて演奏しました。1番は、スニガ役のA。ピアノ伴奏はAA。高音の伸びがよくきれい。低音はちょっと聞こえにくいです。両手を広げて歌いました。自由曲は、グノー作曲/歌劇「ファウスト」より「門出を前に」。演奏後に、○○晶子がマイクで質問。「レパートリーは」の質問に「イタリアで歌った経験がある」と答えました。また、バリトンでスニガを選んだ理由について質問。「ダンカイロはいかがですか」と聞くと、Aは「声の質が違うと思います」と答えました。2番は、ダンカイロ役のB。ピアノ伴奏は、BB。演奏が始まってすぐにうまいと分かりました。声が整っている。口から声が出ているのではなくて、体全体が響いている感じ。声量もすごい。自由曲は、ドニゼッティ作曲/歌劇「ファボリータ」より「レオノーラよ、私の愛を受けてくれ」。課題曲とは対照的に、細かな音符が続く曲で選曲も考えられています。また、課題曲は直立不動で歌いましたが、自由曲は手や腕を動かしながら歌いました。ピアノ伴奏のBBの演奏も表情があっていい。演奏後は、○○がレパートリーを聞いた後に、「学内公演か学外公演か」「演出家は誰か」「フランスもののアリアの経験はあるか」など突っ込んで質問しました。』
『3番は、フラスキータ役の綾歌。出演者のうち唯一の女性です。ピアノ伴奏は千夏さん。課題曲の第2幕「五重唱」は有名なメロディーでした。自由曲は、ウェーバー作曲/歌劇「魔弾の射手」より「りりしい若者が来るときは」。歌唱は音程が不安定。跳躍のなめらかさもいまいち。発音もあまりよく聴こえません。ここぞというときの声量はすごかったです。演奏後、○○は「どうもありがとうございました」と話しただけで、質問はなし。なかなか厳しいですね。』
『4番は、ダンカイロ役のC。ピアノ伴奏は、CC。譜めくり要員1名が同伴。課題曲はBと同じ曲ですが、歌う人が違うと別の曲のように思えました。Bとは対照的に、声が硬め。ドイツ語的な発音と言えるでしょうか。もう少しやわらかさがほしいです。強唱ではちょっと無理して声を出している感があります。また、身振り手振り(というよりも演技)を多く交えながら歌いました。ヒザを曲げて歌ったり、手を動かしたり。自由曲(ドニゼッティ作曲/歌劇「ピア・デ・トロメイ」より「彼女を失って」)を歌う前に、ネクタイを外したのはどんな意味があったのでしょうか。演奏後の質問は、「レパートリー」「指揮者」「演出家」を聞いた後に、「まだ学生さんとのことですが、稽古は大丈夫でしょうか」と確認していました。』
15:10に終演。結果発表は、15:30にホワイエで行なわれるとアナウンスがありました。ホワイエでしばらく待つと。ホワイトボードに紙を貼って結果が発表されました。紙には、<フラスキータ>該当者なし、<スニガ>B、<ダンカイロ>A、と書かれていました。AとBは逆の役で歌ったので、間違えて発表したのではないかと思いましたが、どうやら合っているようです。オーディションで歌った役ではない役で合格するなんてちょっとびっくり。Aは低音があまり出なかったので、テノールのダンカイロのほうが適役と判断されたのでしょう。あくまで声の質が審査されたということでしょうか。楽器だったら無理ですが、声楽はこういったコンバートができるのである意味便利ですね。出演者も後から掲示を見に来ていました。同じ大学の先輩と後輩の関係なので、仲良く家路につかれました。』
『短時間ですが、オーディションの現場を見れて勉強になりました。演奏会とは違う独特の緊張感も感じ取れました。オーディションを公開する試みはそれほど多くないと思いますが、無料公開することによって、宣伝効果だけでなく、聴衆も公演の完成過程を知ることができます。固定ファンの獲得にも有効でしょう。機会があればぜひ行きたいです。以上現場のエッちゃんがお送りしました。』

 『綾歌、残念だったね。でも綾歌の実力じゃあんなもんでしょう。あ~あ、シュトレーゼマンさんに頼まれたから、ここまで来たけど、おかげで男と同じ部屋で寝る羽目になったんだから。アリガトウbyエッちゃん☆』
 挨拶もそこそこに、メール1通でエッちゃんは去って行った。
 落ち込む私に千夏先輩の容赦のない声が掛る。
 【教授から言われている。落ちたら帰りはアダルトレッスンの続きだそうだ。何の事だか判らないが、綾歌君は顔に出るからレッスンをちゃんとやっているかどうか、判るそうだ。】
 うぅ・・・泣きっ面に蜂。ってこの事だ。
 しばらく躊躇ったあと、トイレに駆け込んだ。ショーツを脱ぎブラも外す。
 なんで、従っちゃうんだろう?あぁ・・帰りの電車、痴漢は居ないよね。(T_T)
 階段を上がる時、スカートの裾を押さえて昇る。電車は必ず無理やりにでも椅子に座ること。周りの男には鋭い視線を送り威嚇する。これを鉄則として帰って来た。
 部屋に入ると疲れがドッとでた。愛液もドッと出ていた。
 あぁ・・こんなに敏感なカラダになっちゃって・・・この先どうなるの?
 教授は・・・私をどうしたいの?いつの間にかベッドで寝ていた。その日の夢は電車で痴漢に囲まれた夢だった。


【ドルチェ・アマービレ】(17)

 山荘に戻って暫くすると、遠くの方で花火とは違う音が轟いた。 雷だった。
 その音がどんどん近付いて来る。
 音とともに光が横に走る。稲光・・
 『キャァ~・・・嫌ぁ~・・・怖いよぉ。』
 綾歌は一人部屋の中で震え、布団を被る。

 『綾歌・・・雷が怖いの?』
 『玲子さん・・・・怖いよぉ・・・キャァ!』
 玲子さんはずぶ濡れでドアの傍に立って居た。浴衣が着崩れている。
 『もう少し我慢して、シャワーを浴びて来るから。』
 『お願い早く帰って来て。』
 30分後玲子さんは部屋に戻って来た。
 『あぁん・・遅いよぉ玲子さん。』
 綾歌は半ベソをかきながら、玲子にしがみ付く。
 『あらあら、綾歌・・・じゃあ、今夜は一緒のベッドに寝る?』
 『え・・でもぉ・・・きゃぁああ・・いやぁぁああ・・寝ます、寝ます。』
 一度は断ろうとした綾歌、しかし無情にも稲妻は山荘近くに落ちたらしい。轟音とともに綾歌は玲子のベッドに潜り込んだ。
 玲子のベッドはグリーンティの香りに包まれていて、綾歌を安心させる。
 『綾歌・・・あのね・・私ね。』 玲子は珍しく言い淀む。
 綾歌は何も問いかけず玲子が話し始めるのを待っている。と言うより、雷が怖くて声が出せなかっただけなのだが。
 『あのね・・・私、千夏と付き合う事にしたの。』
 『ああ、やっぱり。』
 『なんで知っているのよ?綾歌言いなさいよ。』
 『え~・・言っていいのかな?・・・夏祭り会場で、その・・見ちゃったの。』
 綾歌は顔を真っ赤にしながら言う。
 『はぁ~・・・見られていたの・・・もしかして・・・教授も一緒?』
 玲子さんは恥ずかしそうでは無く、淡々と事実を認めて言う。
 『はい。』
 『あ~あ、これで教授とお別れかぁ・・・』
 それだけ言うと玲子さんは布団を被ってしまった。
 まだ雷の余韻で眠れない綾歌の耳に、玲子の啜り泣きが聞こえる。
 『教授・・・・玲子・・・教授から卒業、なんですね。・・千夏の事は小さい頃からの・・でも、教授の事もお慕いしていました。ただ・・教授の事を想うと胸が苦しくなるのに千夏は・・胸が暖かくなります。・・・私が教授から離れたのですね。・・・教授が拒絶したのではなかったのですね。・・あぁ・・教授・・・教授・・・。』
 啜り泣きはいつ果てる事も無く続いている。私は切なくて貰い泣きしてしまう。
 同じ女として玲子さんの気持ちが判る。玲子さんは今心の平穏が欲しいのだわ。教授の事を諦めたこと、後悔しないのかしら?
 『教授・・後悔はしないわ。・・・あなたは私の初めての人。大切な思い出・・それで良いんですよね。・・・・愛しい方。』
 今度は嗚咽を堪えた声だった。それも直ぐに泣き声に変わる。
 一頻り泣いた後は、ぴたりと泣き声は止んだ。

 『綾歌、起きているでしょ。アヤカ・・・教授の事をお願いね。今でも、納得できないけど、綾歌は教授のお気にらしいから。本当・・こんな子供・・どうしてかしら。』
 すっかり、玲子さんに戻っている。この毒舌。
 『綾歌・・・』
 玲子さんが私の頭に手を置き髪を撫でる。
 『うふ、案外可愛いのね。食べちゃいたいくらい。』
 え?れいこさん・・・あなた、もしかして・・バイ?・・・ちょっとやだぁぁ・・
 玲子さんの手が私の胸を弄る。教授の手よりも柔らかいその感触が、私の抵抗を奪う。
 されるままにしている私を、玲子さんは上から見下ろしている。
 その顔がどんどん近付いて来る。
  柔らかい唇が触れる。唇を玲子さんの舌がなぞり、舐める。
 強く吸われ痺れたようになる。舌が口の中を自在に這い回り、吸われる。
 Kissが甘美な事は知っているが、教授より優しいkissで頭の中が真っ白になりそう。
 『むぅんん、ハァ・・ダメェ・・玲子さん・・綾歌・・・イケナイ・・』
 乳首がいつの間にか勃っている。指で潰された。
 『あひぃ・・イイ・・』思わず声を上げていた。はしたないは嬌声をあげた。
 『ふぅぅん・・玲子さん・・・もっと強く・・して・・あぁ恥ずかしい・・・言っちゃった。』
 『可愛いわよ、アヤカ。お姉さんに抱かれて綾歌は嬉しい?』
 『あぁン、お姉さまぁ・・・お姉様ぁ・・・綾歌、どんどんイヤラシイ女の子になるぅ。』
 『目一杯なりなさい。今夜は私が教えるわ、最後の夜だから。』
 『え?お姉さま?』
 『何でも無いわ、さ、綾歌私の足とあなたの足を交差させて・・花唇同士でkissするわよ。』
  女同志で、アソコとアソコを擦り合う。濡れたアソコはピッタリくっ付き合わせ貝のようだった。絶えず蠢き絶えず愛液を溢しお互いを刺激する。
 『あぁ、ふぁぁ・・・おねえさまぁ・・気持ちイイ・・おかしくなっちゃう。あぁいい。』
 『綾歌ぁ・・いいわ・・・イイ・・もっと動いて、もっと押し付けて。』
 二人の腰は勝手に動き出したように見えて、調和の取れた動きを示している。
 玲子の肉厚な花唇に対して、綾歌は未発達で薄い。慎ましやかな花弁も既に綻びかけ、その上の真珠が存在を主張し飛び出している。玲子のそれと比べれば小振りで小豆大の大きさしかない。玲子の小指の先大の淫核は完全に包皮が捲れているが、綾歌の淫核は半分だけ頭を出しているだけだった。
 その包皮を玲子は指で優しく捲り、自分の淫核で擦る。
 『ひぃあぁぁぁ・・あぅあぅぅうぅ』。』
 強烈な刺激に綾歌が呻く。
 息が荒い、肩で息をしながらビクン、ビクンと身を震わせ腰を突き出している。
 『綾歌・・・気持ちイイでしょ。女はここを刺激されると堪らなくなるのよ。中よりもここが感じる女の人も多いわ。あなたはどちらでより感じるようになるのかしら。』
 玲子の言葉も耳に入らない。ただひたすら腰を擦り続ける。
 初めはサラッとした愛液が粘り気を持ち、透明な液体は白濁している。
 綾歌はある意味安心して玲子に身を任せ快感を貪っている。
 (教授とは同じ事をとても怖くて出来ない。教授は男・・・肉の凶器を持っている、その凶器に串刺しされる怖さ。処女の私には教授にアソコを委ねる事はできない。まだ、怖い。気持ちがいいのか?痛いのか?・・・みんな最初は痛いって言う。玲子さんはどうだったんだろう?)
 『綾歌・・・教授にこうされたい?性器を擦りあう・・・教授のペニスを受け入れる気持ちは有るの?』
 玲子さんはストレートすぎるぅ。もっと、ロマンチックにロスト・ヴァージンしたいの。
 『綾歌、夢見るのは構わないけど、現実はもっと生々しいわ。ギャップが大きいと、セックスそのものも誤解する・・・男と女・・求め合う事は一緒でも、感じ方考え方は違うの。』
 『教授から教わった事の受け売りよ、いいよく覚えておくのよ。男女の性差について、まず衝動的で激しい男の性欲には、ハッキリした目的があるの、それは自分の遺伝子の存続なの。性欲が強烈でいつでもどこでもチャンスが訪れたときにはすぐさま行為に及ぶ事ができるし、いつ外敵に邪魔されるかもわからないので短時間でオーガズムに達する必要があるんですって。そして、自分の遺伝子を広範囲に、なん度でも蒔かなければならないという朱の保存本能なの。 一方、女性の性的欲求は男性と比べたら変動的、それは妊娠・出産・子育てに長い期間を要することに関係があり、動物のメスはその間は性衝動が少ないのが特徴よ。もちろん個人差はあるけどね。また、ホルモンの影響で周期的に心身のバランスが変化することがあるわ。
 男は視覚重視でセックスという行為自体が目的になるけど、女は聴覚や感覚重視、触れ合いやロマンスを求めているの。』
 玲子さんの話はまるで催眠術の様に、快感でボーッとした私の頭に入り込んでくる。教授のアダルトレッスンと同じだ。教授の講義もやはり、快感の中で受けた方が頭に入って来る。
 『はぁん・・おねえさまぁ・・アソコから・・クチュクチュ音がするの。恥ずかしい。』

『とにかく視覚重視の男は目で見て興奮して、エキサイトしてしまうのがポイントなの。直接的な性的刺激こそが男性が好むスタイルと言えるわ。』
『そして、獲物を追いかける狩猟本能を持っている男性は、女性を追いかける 事でさらに感情が高まり興奮するの。つまり、獲物が自分の物になってしまったら急に興味が失せてしまう、それが男の本能なの、だから女性は求められてもすぐに肉体関係になってはいけないわ。肉体関係は好きな男性を獲得する手段には成らないの。じっくり実が熟するまで待つのよ、女性は肉体的な快楽以前に、精神面での満足感が欠かせない。男は心の結びつきがなくても射精できるけど、女性にとっては心の結びつき無しに、気持ちのよいセックスは出来にくいわ。女性は「心の交わりがなければ、身体の交わりを持つ事もしたくない」というのが本音だと思う。』
  あぁ・・でも、カラダのこの疼き・・・早く静めて・・おねえさまぁ。
 『いい綾歌。女性にとってのセックスは、肉体的なものよりも精神的な部分が極めて重要であり、むしろ精神な欲求が満たされなければ、肉体的な満足感も得られないものなの。』
 さらに、玲子の講義が続く、綾歌に聞かせる。と言うよりも、まるで部屋の外で聞いているかもしれない千夏に向けて講義しているみたいだった。痺れた腰を振りながら綾歌はそんな気がしてさらに興奮する。
『極端な言い方をすれば、女は精神的に満たされていればエクスタシーを感じなくても十分満足するのよ。もちろん個人差があるから一概には言えないけど。男の独り善がりのセックスは女性を傷つけてしまうことになから、くれぐれも一方的で過剰な性衝動にはブレーキをかけるよう心がけてね。』
あん、やっぱり千夏先輩が外で聞いているんだわ。私の声も聞こえたかしら・・
『女性は「愛されている」という実感こそが最高の快感に繋がるんだと言うことを忘れないでね。そして、女性が感じてなくても感じた振りをするのは、男性を傷つけないためのやさしい思いやりでもあるの。その気持ちをやさしく受け取ってくださいね。』
 確信した千夏先輩は外に居る。
『男性は、セックスによって心の安定や自信を獲得するの。とてもナイーブな心理状態になるのは、セックスによって「自分は受け入れられ、男として認められている」ことを確認しようとするから。拒絶されると、自分のプライドが傷ついてしまうので神経質にならざるを得ないの。性交の最中に、絶えず「上手くやること」「相手をいかせること」ばかり気にするようになると、セックスは快感ではなく“義務”のようなものになり虚しさを感じるのよ。本当のセックスは、お互いを大切に思う者同士のリラックスした心身の触れ合い、リラックスして“楽しいセックス”を心がけましょうね。』
『良い綾歌、また傷ついた心を抱えている男性は、女性に甘えたくてセックスをすることがあるわ。 しかし男性は心の傷が癒えてくると、逆に女性に与えたくなるの。「自分が相手の女性を幸せにしている。」という実感が欲しいのよ。それが、健全な男としての価値基準よ。綾歌、男性は感受性が鈍く感情を表に出すことも、受け取ることも苦手なの。これがセックスをすることによって、女の話もじっくり聞けるし、小さなことにも感動できる豊かな感性や余裕が生まれるの。傷ついている心も、セックスをすることによって癒されるの。男性にとってのセックスの意味は単なる性欲の処理や種の保存だけではないということを理解してあげましょうね、覚えておきなさい綾歌。』


【ドルチェ・アマービレ】(16)

 ♪砂山の砂に   砂に腹這い  初恋のいたみを  遠くおもい出ずる日♪
♪初恋のいたみを  遠く遠く  ああ ああ  おもい出ずる日♪

 『教授?日本歌曲ですか?・・私寝てしまったの?』
 【よく寝ていましたね。石川啄木作詞:越谷達之助作曲の歌曲です。石川啄木は岩手県立盛岡中学2年生のときに堀合セツと出会いました、13歳でした。啄木は15歳頃から短歌にのめり込んだのですが、その頃から急速に堀合セツとの恋愛も進展したそうです。その後啄木は上京しました。二人がどうなったか判りますか?】
 『その当時ですと大変な遠距離恋愛ですね。中々逢えないのなら自然消滅じゃないですか?』
 【明治38年(1905)に友人の主催で結婚式を挙げることになったのですが、途中行方不明となり、花婿不在のまま披露宴が行われたのです。婚姻届は啄木の父一禎が明治38年5月12日に盛岡市役所に提出していました。実はこのとき啄木は仙台にいたのです。19歳の時です。26歳で死去する時に傍に居たのは妻セツでした。】
  【作曲家の越谷達之助は来年で生誕100周年ですね。啄木の短歌初恋を歌曲集『啄木に寄せて歌える』に収録しました。達之助がイタリア留学中に師事したチオーニが(モーツァルトはイタリア人の為にオペラを作った。)と言っていた事に感銘を受け日本の歌曲を作曲しました。】
  【玲子君と千夏君はまさに初恋を紆余曲折の上、成就させたのでしょう。これで玲子君が精神的に安定すれば、いい結果が出るでしょう。】
 【ついでに、綾歌君は少し歌曲についての補習が必要らしいから、歩きながら講義しましょう。】
 教授は私のお尻を支える手で、ギュッと抓った。
 【歌曲という言葉はさまざまな意味あいをもっており、歌曲とそれ以外の声楽曲との区別を一義的に行うことは必ずしも簡単ではありません、が、最も広い意味にとると、ソロまたは重唱で歌われる無伴奏ないしは器楽伴奏つきの声楽曲で、オペラ、オラトリオなどに含まれない独立したものを指します。この場合は民謡、童謡の類や、マドリガルのような多声歌曲なども含まれることになります。しかし一般には、特定の作曲家によって、芸術的意図のもとに作曲された独唱曲を歌曲(芸術歌曲)と呼ぶことが多いのです。19世紀以降の近代歌曲は、文学的な詩をテキスト(歌詞)にして、ピアノ伴奏をもったものがほとんどでです。
 この狭義の「歌曲」の歴史をたどるにあたり、まずは西洋音楽における声楽の歴史をたどってみましょう】
 またも教授が私のお尻を抓る。
 『あぁん、教授ぅ。何をするんですか?』
 【覚えの悪い子には、体で覚えて貰いますよ。】
 教授の顔は私からは見えないが、多分ニヤッとしているに違いない。
 だって教授は時々私を苛めるもの。教授は愛情表現の一種だよ、と仰るけど、とても恥ずかしくて、いやらしい事をするし、痛いこともする。
 でも・・・・最近慣れてきたのかなぁ? 
 ちょっとワクワクしている自分が居るの。これ教授には内緒だよ。知られたら、もっと苛められちゃう。

【1. 古代から中世の声楽曲は、音楽史をたどってみると、古代、中世を経て16世紀にいたるまで、他のジャンルに比して、声楽曲のもつ割合はひじょうに大きいものがありました。古代ギリシャでも、音楽は言葉と結びついて、宗教的な儀式、神話の伝承、ギリシャ演劇などで大きな役割を占めていました。しかし、この時代にどのように演奏されていたのかは、残されているこの時代の壁画等から、リラ、アウロス、キタラなどの楽器が伴奏に使われていたことを知るにとどまっており、研究者達の推測の域を出ていません。
中世になると声楽曲の主流は、キリスト教会の中で神に対する賛美や、儀式のために用いられる教会音楽となっていきます。6世紀末から7世紀はじめにかけて、それらの聖歌を、ローマ教皇グレゴリウスⅠ世( 540頃-604)が整理、再編成し「グレゴリオ聖歌」を大成しました。歌詞は原則としてラテン語を用い、単旋律、無伴奏、男声合唱(斉唱)またはソロによって歌われます。西欧のカトリック教会では、各国共通の典礼音楽として用いられ、9世紀ごろからは、ネウマ譜の普及ともあいまって、11世紀に至る期間、最盛期を築いて行きました。一方、グレゴリオ聖歌の単旋律に、ある一定の音程をもたせた、もうひとつの声部を平行して重複させる「オルガヌム」という技法が導入され、11世紀末には、斜行や反行によるオルガヌムがみられるようになりました。これが多声音楽のはじまりで、12世紀はじめに中部フランスの聖マリシャル修道院と、スペイン西北部のサンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂を中心に栄え、平行オルガヌム、自由オルガヌム、メリスマ型オルガヌムへと発展して行ったのです。さらに12世紀末から13世紀中期には、「ノートルダム楽派」の音楽家たちの手によって、彼ら独特のオルガヌムも作曲されるようになりました。
しかし、この時期を境に、オルガヌムは次第に衰退の兆しを見せはじめます。それに代わって声楽曲の重要な型となるのは「モテット」です。ノートルダム楽派のオルガヌムの一部を書きかえ、さらに新しい歌詞をつけ加えて歌うことからはじまり、二重モテット、三重モテットとなって行くのです。ギョーム・ド・マショーに代表される「アルス・ノヴァ」のモテットも含めて、14世紀の音楽は、フランスを中心に栄えて行ったのです。
教会音楽はその後、14世紀後半から15世紀にかけての、ギョーム・デュファイ(1400頃-1474)に代表される「ブルゴーニュ楽派」と、ヨハネス・オケヘム(1425頃-1497)、ジョスカン・デ・プレ(1400頃-1521)に代表される「フランドル楽派」両楽派のミサ曲、ヱアット、カノンによって引き継がれて行きます。そして、ここまで発展してきた多声的な教会音楽を完成に導いたのが、16世紀末にあらわれた二人の偉大な作曲家、オルランド・ディ・ラッソ(1532頃-1594)とジョバンニ・ピエルルイージ・パレストリーナ(1525-1594)である。ラッソの音楽は、大胆で前衛的、国際的な性格が強く、宗教曲の分野では、主にモテットで彼の多才さを示しました。パレストリーナの作風はむしろ保守的で、その音楽は清澄で壮麗、そして崇高です。彼の作品は今日までカトリック音楽の模範とみなされています。
教会音楽が発展、完成されていく一方で、これら教会を中心とした職業音楽家の音楽とは別に、世俗歌謡芸術が、中世の騎士や貴族たちによって育まれていました。フランスのトルバドゥール、トルベール(10-13世紀)、ドイツのミンネゼンガー(12-15世紀)たち吟遊詩人の歌です。原則として、同一人物が詩人、作曲家、歌手を兼ねており、高貴な女性への憧れ、素朴な信仰心、当時の世相などをうたった詩が多くありました。ミンネゼンガーの伝統は、のちにドイツの商人や職人たちによってマイスタージンガーの芸術として継承され、18世紀まで存続して行きます。これら吟遊詩人の歌が「歌曲」の発展へとつながっていくのです。
16世紀末から17世紀にかけて、音楽の中心はイタリアに移ります。1600年ごろ「通奏低音」が作曲原理として音楽に導入されるようになると、歌の声部が、楽器群と完全に分離することが可能になり、歌はより自由な動きを得ます。この時期、ヴェネツィアのジョバンニ・カブリエーリ(1553頃-1612)、ドイツのハインリヒ・シュッツ(1585-1672)らが傑作を生み出しています。そしてこれらが、17世紀における「カンタータ」「オラトリオ」「オペラ」などの、中世とはまったく異なる原理に基づく声楽曲が生れた要因となったのです。
ここまで、声楽の大まかな歴史の流れを説明してきましたが、「歌曲」の起源にしぼって言いますと、10世紀頃から登場してくる南フランスのトルバドゥール、北フランスのトルベール、ドイツのミンネゼンガーなどを始まりと考えて良いと思います。そしてさらに、17世紀に導入された「通奏低音」により、歌が独立した旋律を歌うという意味で「歌曲」のあり方に一層近づき、さらに各国独自の型を持つに至るのです。】
 教授の悪戯は、話の最中ずっと続いていた。
 浴衣1枚隔てただけで、教授の指の動きが感じられる。支えたお尻をモミモミしたり、ギュッと揉まれたり、でもそれはまだ良いの。
 教授の指が大きく割り裂かれた足の付け根・・・・アソコに触れると、ジュンと濡れて来てしまうの。
 教授の指が縦割れに添って擦られる。鉤型に曲げた指の爪でアソコを掻かれると思わず声が出ちゃう。
 『あぁん。教授ぅ・・・いやん・・ダメェ・・』
 【は?どうしました?続けますよ。】
 教授は恍けているのだろうか?益々指の動きが大胆になって行く。私は教授の背中に顔を埋め、必死に声を押し殺そうとした。

【2 ドイツ・リートの発展です。 ドイツ・リートの原型は、17-18世紀にベルリンを中心に栄えたベルリン楽派の歌曲でです。代表的作曲家にヨハン・ライヒャルト(1752-1814)とカール・ツェルター(1758-1833)がいます。彼らはゲーテと個人的にも親交があり、この大詩人の多くの詩に作曲をしました。ゲーテ自身、詩の各節に同じ旋律が反復される「有節歌曲」を理想としており、二人をその理想の実現者として評価していました。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)は、ごく少数ではあるが、1785年から91年にかけて魅力的なリートを作曲しましたた。1787年には、続けざまに10曲近く作曲していることから、この年を“歌曲の年”と呼ぶことも有ります。これらのリートの中で、詩の各節の展開に合わせ、異なった旋律をつける「通作歌曲」の形式をもった《すみれ》《夕べの思い》などは、モーツァルトが詩に対してより積極的な関わり合いを試みた重要な作品です。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)は、ボンからウィーンに移った22歳以降、この地において作曲を続け、ドイツ・リートの分野でも重要な作品を残しています。初期の作品《思い》《アデライーデ》をはじめとする優れた作品を50曲以上書いていますが、何よりも彼のリート史上における大きな功績は、《はるかなる恋人に》で、数曲から数十曲をまとめて演奏する「連作歌曲」の形態をはじめて取り入れたことにあります。
“歌曲の王”フランツ・シューベルト(1797-1828)は、生涯に600曲余りのリートを作曲しました。彼によりロマン派リートは全盛期を迎えるのですが、そこにはゲーテ、シラー、ハイネ、ミュラーら、ドイツ詩壇の隆盛も大きく影響を与えています。シューベルトの作品で最も多いのは、ゲーテの詩で、《野ばら》《魔王》《ミニョンの歌》《月に寄せて》等、70曲以上に及びます。ミュラーの詩による連作歌曲集《美しき水車小屋の娘》《冬の旅》そして、厳密な意味での連作歌曲では無いのですが、彼の死後、彼の遺作歌曲をまとめて出版した曲集《白鳥の歌》は、“3大歌曲集”といわれ、彼の歌曲の頂点をなしています。
 シューベルトより2ヶ月ほど早くドイツで生まれたカール・レーヴェ(1796-1869)は、40年以上という長い創作期間のあいだに約600曲の歌曲を作曲し、特にバラードと呼ばれる分野で数多くの傑作を残して、当時の民衆に愛好されました。
フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)は、ツェルターの弟子として、ベルリン楽派の伝統を直接受け継いでいます。彼のリートは、厳格な古典形式を守りながらもロマン的で、当時貴族階級と代わって文化の担い手となっていた市民階級に特に愛好されました。有名なリートに《歌の翼に》《ヴェネツィアのゴンドラの歌》などがあります。
ドイツ・リートの流れの上でシューベルトに続く大きな存在は、ローベルト・シューマン(1810-1856)です。彼は、初期の習作歌曲を別にすると、クララとの結婚を間近に控えた1840年に突然リートの作曲を始め、この年だけで130曲余りもの作品を生み出しました。彼の作品は、自身の持つ広い教養と文学的素養、ピアノ奏法に関する豊富な知識に基づいて、独自のスタイルを有していました。それは、歌とピアノが全く対等におかれる様式で、ピアノの独奏曲ともいえるような伴奏の上に、詩の朗読にも似た独唱部をおいたものです。これは、新たなリートのあり方(ピアノの役割の増大)を示したものと言えます。連作歌曲《リーダークライス》《詩人の恋》《女の愛と生涯》などに、この手法がよく表れています。
シューマンに才能を認められ、作曲家として世に出たヨハネス・ブラームス(1833-1897)も、優れたリートを残した作曲家の一人です。《五月の夜》《永遠の愛》《日曜日》や連作歌曲《マゲローネのロマンス》など、ドイツ歌曲の伝統を受け継ぎながら、彼独特の重厚な作風の中に、ロマン的感覚があふれた作品を数多く残しています。
ウィーンの作曲家フーゴー・ヴォルフ(1860-1903)は、ワーグナーの強い影響を受け、詩のリズムや言語の韻律を重視することに力点をおく手法で、300曲におよぶリートを作曲しました。一時期、一人の詩人の詩をまとめて作曲した作品群は、完成度が高く、その集中度と多様性においてシューベルトと並び称されるほどの、重要なドイツ・リート作曲家とみなされています。代表作に、《メーリケ歌曲集》《ゲーテ歌曲集》《アイヒェンドルフ歌曲集》などが有ります。
世紀の変わり目に位置する作曲家に、グスタフ・マーラー(1860-1911)とリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)があげられます。マーラーの歌曲は、彼の創作の中でも重要な位置を占めています。9つの交響曲も、うち4曲は声楽を伴ったものですし、他の5曲にも、歌曲的な要素がしばしば取り入れられています。《嘆きの歌》《さすらう若人の歌》など、詩も自分で書いた作品の他は、古い民謡から取ったものが多いです。《こどもの不思議な角笛》《亡き児をしのぶ歌》などがその代表的なものです。これらの作品には、世紀末に生きる者の厭世観が表れており、時には分裂的な作風も示しています。一方シュトラウスは、マーラーと同様に世紀末的な雰囲気も有りますが、彼の場合は、それが職人的な澱みの無い創作態度で、時には技巧的、表現主義的、時には耽美的な作品を残しています。その作品数は約200曲に及びます。《献呈》《子守歌》《4つの最後の歌》など、演奏効果が緻密に計算された多くの優れた作品が含まれています。マーラー、シュトラウス二人に共通していることとして、これまでピアノ伴奏が主体であったリートから、オーケストラ伴奏によって表現領域の拡大を試みたことが挙げられます。
以降、20世紀に入ってからも、ロマン派の流れをくむ作曲家に、ハンス・プフィツナー(1869-1949)、マックス・レーガー(1873-1916)、ヨーゼフ・マルクス(1882-1964)、オトマール・シェック(1886-1957)らがいます。
一方、急進的な革新を行ったのは、十二音技法を導入し、音楽を機能和声の法則から解き放った「新ウィーン楽派」の作曲家たちです。アーノルド・シェーンベルク(1874-1951)、アルバン・ベルク(1885-1935)、アントン・ウェーベルン(1883-1945)の3人で、彼らの作品は、声も時には楽器のように扱われ、言葉の響き、音色、リズムを生かした作風がみられます。特に、ゲオルゲの詩に基づいて作曲されたシェーンベルクの連作歌曲集《架空庭園の書》は、重要な作品です。
その他、20世紀のリート作曲家としては、パウル・ヒンデミット(1895-1963)、ヴォルフガング・フォルトナー(1907-1987)、ボリス・ブラッハー(1903-1975)、ヘルマン・ロイター(1900-1985)、ヴェルナー・エック(1901-1983)らの名前が挙げられます。】
 真面目な話をしている教授なのに、手や指はいやらしく私を弄っている。
 さっきから、トントン、トントンとリズミカルにアソコの尖った淫核を刺激している。強くも無く弱くも無く、丁度良い強さ。
 やだ、私何を言っているんだろう?丁度良いなんて・・・キャッ、恥ずかしい。
 その時には私の腰が勝手に動き。教授の指にアソコを押し付けて腰を振っていた。
 『はぁぁん。・・強くう・・・いけないのにぃ・・あぁん、もっと弄ってぇ・・あぁんエッチな女の子になっちゃうよぉ・・・』
 でも教授は意地悪だ。それ以上は強くしてくれない。それでいて止めようともしない。綾歌は・・・もう・・もう・・。
 【3 イタリアの歌曲では、「イタリア古典歌曲」と総称される声楽曲の中には、はじめから「歌曲」として作曲されたものもあるが、オーケストラ伴奏のついた「モノディ」や、本来オペラの中に含まれるアリアを、のちにピアノ伴奏用歌曲として書き改めたものも少なくないです。
19世紀のイタリアでは、オペラ一辺倒だった当時の音楽界の事情や、イタリア人、生来の声そのものの美しさや、カンタービレな旋律に対する強い嗜好から、ドイツにおけるようなロマン派歌曲の発展はみられませんでした。この時期、ジョアッキーノ・ロッシーニ(1792-1868)、ガエタノ・ドニゼッティ(1797-1848)、ヴィンチェンツォ・ベルリーニ(1801-1835)ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)などが、少数の歌曲を残したにすぎません。
彼らに続く世代のイタリアの作曲家、フランチェスコ・パオロ・トスティ(1846-1916)は、カンツォーネにも近い平易で、耳になじみやすい様式で多くの歌曲を作曲しました。《セレナード》《理想の人》《夢》《マレキアーレ》など数々の傑作を残していますが、それらはいずれも、甘美なメロディと感情豊かなハーモニーで愛や人生を歌い上げています。
以降、ピエトロ・マスカーニ(1863-1945)、ルッジェーロ・レオンカヴァルロ(1857-1919)たちも歌曲を作曲しましたが、この国がイタリア歌曲として純粋な芸術歌曲を持つに至るのは、現代のオットリーノ・レスピーギ(1879-1936)、ステファノ・ドナウディ(1879-1925)イルデブラント・ピッツェッティ(1880-1968)、エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948)、ルイージ・ダラピッコラ(1904-1975)などの歌曲によってです。】
 【4 フランスの歌曲芸術は、詩においても音楽的響や香りを重視するフランス人は歌曲芸術においても独特の高い価値をもった世界を開きました。中世に起源をもつシャンソンの一種であるロマンスという様式が,17世紀中ごろからサロンを中心にもてはやされていましたが,18世紀に入ってから,エクトール・ベルリオーズ(1803-1869),シャルル・フランソワ・グノー(1818-1893),カミーユ・サン=サーンス(1835-1921),ジョルジュ・ビゼー(1838-1875)などが,ロマンスにメロディという様式を加えながら,フランス歌曲の発展にカを注ぎましだ。フォーレは60年近い長い創作期間中に多様な様式を試み,メロディの様式を完成に導きました。彼の作曲した詩人にはユーゴー,ボードレール,ベルレーヌら,フランス近代詩の重要な存在が含まれています。簡潔な書法によりながらも,詩の本質にふれて時には微妙に打ち震え,時には素朴に歌うフォーレの芸術には万人を引きつけるものがあり,ドイツ・リートにおけるシューベルトと比べられるでしょう。アンリ・デュパルク(1848-1933)も少数ながらすぐれたメロディを残しています。クロード・ドビュッシー(1862-1918)とモーリス・ラヴェル(1875-1937)の歌曲も重要で,フオーレと比べるとむしろ20世紀的な屈折した心理の反映が感じられ,取り上げられた詩の内容もより幅の広いものになっています。それに続く歌曲作曲家としてはダリユス・ミヨー(1892-1974)、フランシス・プーランク(1899-1963)、オリヴィエ・メシアン(1908-1992)などがあげられます。】
【5 ロシア、その他では、 ロシア歌曲史においてまず重要なのは、“ロシア国民楽派の祖”とされるミハイル・イヴァノヴィチ・グリンカ(1804-1857)です。イタリア音楽に影響をうけ、その作品は旋律優先の単純な歌曲が多い。
もう一人、ロシア歌曲の作曲家として、モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)の存在を欠かせることはできません。《死の歌と踊り》《子ども部屋》などの連作歌曲のほか、かなりの数の歌曲を残しており、ロシア歌曲史上の頂点をなしたといえます。大胆な和声法、不規則なリズム、力強い表現を持った個性的な作品が多いです。
その他、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)、セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)、東ヨーロッパの、ベドルジーハ・スメタナ(1824-1884)、アントニーン・ドヴォルザーク(1841-1904)、レオシュ・ヤナーチェク(1854-1928)、ベラ・バルトーク(1881-1945)、ゾルターン・コダーイ(1882-1967)、北ヨーロッパのエドヴァルド・グリーグ(1843-1907)、ジャン・シベリウス(1865-1957)、イルヨ・キルピネン(1892-1959)らが、歌曲史上に名を残しています。】
 【6 日本の歌曲ですが、 最後に、日本の歌曲についてもふれておきましょう。山田耕筰(1886-1965)、信時 潔(1887-1965)の二人によって、日本芸術歌曲の歴史は始まったといってもいいでしょう。特に山田は、1922年に北原白秋と、雑誌「詩と音楽」を創刊し、日本歌曲の創作に大きな影響を与えました。《からたちの花》《この道》など、多くの品を残しました。
彼ら創始者の精神は橋本国彦(1904-1949)、平井康三郎(1910- )、高田三郎(1913- )、小山清茂(1914- )らによって引き継がれますが、次の世代である中田喜直(1923- )、石桁真礼生(1916-1996)、畑中良輔(1922- )、柴田南雄(1916-1996)らは「新声会」を結成し、日本歌曲の歩みを大きく前進させました。その他、歌曲作品を残している作曲家には團 伊玖磨(1924- )、大中 恩(1924- )、間宮芳生(1929- )、林 光(1931- )、湯山 昭(1932- )、三善 晃(1933- )らがいます。】
 【こら、綾歌君ちゃんと講義を聞いていますか?・・駄目ですよ、特別Lessonに溺れては、帰ったらお仕置きです。浴衣の裾を捲って、私に見せるのですよ。】
 【あぁ教授・・・綾歌・・癖になりそうです。・・・見せるの好きかも。】
 綾歌は教授にっ恥ずかしい格好を見せる姿を想像して、アソコを愛液で一杯にしていた。そこを教授に見られると思うと、中からジュンと染み出してくる。
 胸を教授の背中に押し付け、乳首を刺激する。自分からする女の子になってしまった。いやらしい仕草で腰も振る。
 教授のお仕置きが密かな楽しみだなんて、どんどん綾歌・・イヤラシイ事が好きになって行くの。ねえ、教授ぅ、ツルツルのアソコ・・見てぇ。


【ドルチェ・アマービレ】(15)

 『教授・・先程の話、聞いていました。私は綾歌のあて馬なの?その為にわざわざ呼び出したの?』
 玲子が、強張った顔を教授に見せて詰問する。
 【ああ、玲子君聞いていたのですか?では、聞いた通りです。】
 教授は少しも動じることなく答える。
 『酷い、教授に身も心も捧げたのに、綾歌に取られるなんて、納得できない。』
 『な~んて、言いませんよ~だ。教授は綾歌の為にあのように話したのよね。』
 【何か勘違いしていませんか。私は今の私の気持ちをそのまま綾歌君に伝えただけです。玲子君の思うような、綾歌君の為につく嘘など有りません。】
 玲子の顔が歪む。
 『教授は・・教授は私を見捨てるのですか?私が今世界進出で悩んでいるのを、知っていらっしゃるのに!』
 玲子は、悔しげに言う。
 『綾歌は、60回以上開かれている、瀧廉太郎全日本高等学校声楽コンクールの事も知らない子なんですよ。私はQueen Elisabeth International Music Competition of Belgium
に出るかどうか迷って・・教授に相談に来たんです。』
 『ベルギーで開催される、エリザベート王妃国際音楽コンクールですか、世界3大コンクールの一つですね。1937年第1回開催のイザイ国際音楽コンクールが前身ですね。2008年は声楽・作曲部門が対象で、確か優勝賞金は20,000ユーロです。挑戦して御覧なさい。今の自分と世界の実力差を肌で感じるのも勉強です。他の部門なら日本人入賞者がいます。ヴァイオリン部門とか、ですが声楽部門では私が知っている限りで一人もおりません。』
 『教授は、私にLessonをして下さる為に、この合宿に私を呼んでくれたのですよね、違うんですか?』
 【Lessonする必要はもう玲子君には、有りません。独自に自分の世界観を築いた筈です。私はその成果を、見せて貰いたいと思ったので、君を呼んだんです。ひとり立ちした玲子君が今更Lessonも無いでしょう。それに・・・・千夏が君に逢いたがっていました。あの頃から千夏君は君に憧れていましたね。どうです、千夏君とデートでもしてくれば。今夜はこの辺りの夏祭りです。花火大会もやります。】
 『・・・教授は私に飽きたんですね・・・いいわ、千夏とデートしてきます。今夜は帰らないかもしれません。』
 玲子は唇を噛み締め教授を睨みつけていたが、ふっと力を抜き肩を落とした。
 

 『千夏・・・千夏!グズグズしないで。行くわよ。ちゃんと、コンドーム持った?駄目じゃない、そう言うものは男が用意するのよ。仕方が無いわねぇ、今夜はお預けよ。』
 玲子に引き摺られるように千夏が出て行った。
 『教授・・・玲子さんどうしちゃったんですか?なんかイラ付いてるし、私の事睨むんです。』
 【ああ、それなら、さっき玲子君と別れましたから、そのせいでしょう。】
 『え?・・・・別れた?・・・どうして?』
 【綾歌君が気にする事では有りません、が、彼女はもうすぐ大事なコンクールが控えています。依然私に対する依存心が強く残っているようです。彼女の為には突き放す事が必要でした。突然で可哀想ですが玲子君がもっと大きくなる為に敢えて鬼になりました。千夏君を一緒に行かせたのも。千夏君が玲子君にどんな思いを抱いていたか承知の上です。】
 教授は淡々と話をしているけど、顔色は幾分青白い。
 (教授は・・・・本当は玲子さんが甘えて来るのが嬉しかったんだ。でも・・コンクールが有るから。・・・千夏先輩・・・やっぱり玲子さんが好き・・・あの目・・時々教授を睨んでいた。・・・・先輩の事はイイ。憧れていたけれど、好きと言う感情は今はないから。でも・・・玲子さん・・・教授は、玲子さんの事・・・仕方が無いのね。教授は私だけの教授じゃないもの。今は私の事を見て、大切に思ってくれる。それだけで充分よね。それだけで、我慢できるよね、綾歌・・・だって・・教授素敵だもの。・・大人の男の人・・色々教えて欲しい。教授に相応しい女性になりたい。)
 『教授、夏祭りが有るんですよね。私も行きたいなぁ。連れて行って下さい。』
 【綾歌君は、優しい子ですね。私が落ち込んでいると思っているのですね。】
 『そんなつもりじゃ、有りません。』
 綾歌は否定するが、教授に優しい子と言われ嬉しげだ。
 【それでは浴衣でも着て行きますか。】
 教授は何かを耳打ちしてリビングを出て行く。後に残された綾歌は顔を真っ赤に染めている。

 笛の音と太鼓の音、輪になって踊る人々に交じり、夜店を冷やかして歩く。
 『教授ぅ・・金魚掬い、金魚掬いしませんか?』
 【もうこれ以上荷物は持てませんよ。】
 教授の両手は、綿菓子、いか焼き、たこ焼き、焼きソバ、みそ田楽で一杯だった。
 『あ~ん、やりたい、やりたい、やりたいぃぃ。』
 【しょうがないですねぇ。1回だけですよ。
教授は苦笑しながら、生簀の前に座り込む綾歌に近づき、また耳打ちする。
 【綾歌君、金魚掬いのオジサンに見られないように気を引き締めるのですよ。】
 綾歌は、玲子に言われているノーパンLessonを教授に指示され浴衣でもして居た。裾が乱れる度に顔を赤くし、小股で教授の後を付いて来ていた。
 『あっ、あぁん。破れちゃった。悔しい!』
 【綾歌君、この食べ物を何とかして下さい。あの木の所。そこしか空いていませんが行きましょう。】
 祭りの会場で、その場所ははずれも外れ暗い一角だった。
 【さあ、これを敷いて座りなさい。】
 二人並んで私はいか焼き、教授が焼きソバを食べ始めた。綿菓子は歩いている間に食べた。
 『あぅん・・』
 木の後ろから艶めかしい声が聞こえて来た。
 『あぁん、そうよ。・・・・上手よ、はぁん。』
 どうも年上の女性と年下の男性の睦語のようだった。
 どぎまぎしながら耳だけその声に集中する。耳がダンボ?!
 『あん、乳首も舐めて、チュウチュウして。・・・あぁん歯を立てちゃ嫌ぁ。』
 頭の中で想像する。自分の胸も疼く。身動ぎすると浴衣に擦れ乳首が感じてしまう。
 『あん・・そこは敏感なの。もっと優しく・・皮が被っているでしょう。それを剥いて舐めて。・・あぁ、そう・・凄い硬いわ。こんなになって、痛くない?うん・ビチャビチャでしょう。啜って綺麗にしてぇ。・・・』
 うぅ・・アソコを舐められている。他人のそんな所見た事も聞いた事も無い私は興味津々でその場を動けない。教授は聞こえない振りをしているのか、焼きソバを一生懸命食べている。
 『ねぇ、私にもおちん○ん舐めさせて。・・・あん、大きいお口イッパイ。はむ、はむ。』
 うっ・・・千夏先輩のおちん○んを思い出してしまった。大きくなったおちん○んが目に浮かぶ。
 『あっやぁ』思わずあげた声にも教授は反応しない。おかしい?教授を良く見る。
 『み、耳栓!』
 道理で、聞こえないはず。それが幸いした。教授に聞かれていたらと思うとどうしていいか判らなくなる事が木の後ろで展開されていた。
 『ふふっ・・美味しいよ、千夏・・・』
 「あぁ玲子さんのお口、凄く熱い。」
 千夏?玲子?まさか・・
 「あぅ・・玲子さん・・いんですか?・・玲子さんは教授と・・・」
 『良いのよ、私と教授は終わったの。・・・いまはそんな事言わないで、私を感じさせて、抱いて千夏!』
 私はガタガタ震えてしまった。
 だって、玲子さんは教授を愛していた筈、幾ら何でも千夏先輩と、エッチするなんて。
 『私を抱きたかったんでしょう千夏。私を教授から奪ったらどうなの?男でしょう、意気地なし!』
 「なんだとぉ!あぁ、奪ってやる、奪ってやるよ。教授に渡すもんか。玲子ぉ!」
 『あぁん、そうよ千夏。奪って、私を奪って、滅茶苦茶にして。千夏のモノにして。』
 二人の息遣いが急に激しくなった。
 服がビリビリ破ける音が響き、肉のぶつかる音が聞こえる。
 『あぁぁぁ・・千夏・・イイ・・・一杯だよぉ・・アソコが・・アソコが・・壊れちゃうぅ。』
 「オマ○コ、って言え。言って見ろよ。」
 『あぁ・・言えない・・恥ずかしい。』
 「言わないとこうだ!」
 バシッ・・・・何かが叩かれる音がした。
 『ひぃ・・痛い。』玲子さんの悲鳴が上がる。
 [言え、玲子!]バシッ、ビシッ!
 『あぁん、言います。言いますから叩かないで。・・お、・オマ○コ』
 「違う、玲子のイヤラシイおま〇こだよ。」
 あぁ・・千夏先輩・・やっぱりSなんだ。・・でも・・玲子さんも・・Sじゃなかったの?
 『れ、玲子の・・いやらしい・・・オマ○コ。』
 「違うだろ、どうされたいか言えよ。」
 『あぁん・・・意地悪ぅ・・・千夏・・・チーちゃん・・・玲子のイヤラシイおま〇こ・・一杯可愛がって・・下さい。』
 「もう一度!」
 『玲子のいやらしいオマ○コ・・チーちゃんのおっきな、おちん○んで嵌めて、挿して、気持ち良くして・・チーちゃんの女にして・・・あぁん・・・チーちゃん。・・子供の頃からチーちゃんの事好きだったの。・・・チーちゃんが、抱いてくれないから・・玲子・・チーちゃんに初めて・・あげられなかった。チーちゃん・・・チーちゃん。』
 意外な告白・・・その間にも千夏先輩は玲子さんの事を何度も叩いている。
 「なんで・・アイツに・・なんで・・」
 『あぁごめんなさい。・・だってチーちゃん・・ずっと見ているだけで・・教授のLesson素知らぬ振りをして・・・私も女よ。・・身体の欲求に・・勝てなかった。本当はチ-ちゃんに女にして欲しかったの。』
 トン、トン誰かに肩を叩かれた。
 【さぁ、綾歌君。野暮は止めましょう。二人っきりにしておくのです。行きましょう】
 教授?・・・耳栓?
 ああ・・教授はずっと知っていたんだ。不器用な二人に、本来の気持ちを思い出させようと・・・
 あぁ・・大人は・・・大人になるの・・大変・・・
 【さ綾歌君・・・これで拭きなさい。】
 教授にティッシュを渡され、気付く・・恥ずかしい愛液が太腿まで溢れていた。
 教授から見えないように体を反転させ素早く股間を拭う。
 慌ててその場を離れようとして、転んだ。
 下駄の鼻緒が切れている。ああぁなんてドジ。
 前を向くと教授が腰を屈めている。
 【さあ、乗りなさい。】
 え~?おんぶですかぁ?
 自分の格好を思い出す。ノーパンだよ私・・・
 【どうしました、綾歌君?遠慮せずどうぞ。】
 だから教授ぅ・・・浴衣の下もう肌なんですぅ・・・お尻触られちゃう・・私・・お尻大きいから、知られるの嫌なの・・
 教授はじっと私が動くのを待っている。
 ・・・・判りましたよ。・・・教授の意地悪・・・触って楽しむのね・・・あぁん・・
 空に大輪の輝きが映し出される。後からドドォ~ンと音が轟く。
 振り向くと上がった花火の光に玲子さんと千夏先輩が抱き合い腰を振っている所が見えた。
 『あっ、恥ずかしい。』
 思わず教授の背中に飛びついた。
 体がフワリと浮き上がる。
 教授は軽々と私を背負い歩き始めた。
 【綾歌君、今夜見た事を二人に話してはいけませんよ。そっとしてあげなさい。】
 教授の背中に顔を埋めコクリと頷く。
 揺れが、まるでゆりかごの様で、私はいつの間にか眠ってしまった。


あけまして、おめでとうございます。

 皆様新年明けましておめでとうございます。
 旧年中は、ご愛読下さり、またコメントを沢山頂きまして
ありがとうございました。

 本年も、より一層皆様にご愛読頂けるように頑張りますので
宜しくお願い致します。

 私も、今年は体調の回復と、皆様のご多幸を祈願しに
明治神宮に行ってまいりました。日本一参拝客が多いという
所です。
 鬱蒼とした森と砂利道は、喧噪に包まれて居るにも拘らず
厳かでした。

 帰りに、原宿の街を散策し、出店を冷やかして歩きながら
食事処を探して右往左往・・・結局お好み焼屋に落ち着き
腹ごしらえ。本当はハンバーグ屋さんで食べようとしたのですが、
有名?店なのか、階段下まで行列が出来ていたので挫折。
 じゃあ軽くラーメン屋でも・・・ここも行列かよ。
 渋谷か銀座に出れば良かったかなと思いながらJR原宿駅
まで戻ると、事故。今日はJRは災難ですね。人身事故等
色々有ったようです。

 しかし東京の街の歩き難い事、人は右車は左の原則を歩道に
まで拡大解釈すれば、お互い行き来し易いのに、右側を歩く者
左側を歩く者無原則ですね。

 おみくじを引いて来ました。
 明治神宮のおみくじは少し変わっているようです。
 大吉、中吉、凶、大凶等とは表記されていませんでした。
 明治天皇の御製が書かれてました。

 『折にふれ  世の中の人におくれをとりぬべし

                     すすまむときに進まざりせば 』

 (大意)

 「世の中は日進月歩で、絶えず進歩しています。もしも日頃の
努力を怠ると、進むべきときに進まれず、世間から取り残されて
しまいましょう。」

 で、最後に【責任ある事は必ず成し遂げましょう。】で終わりです。


 う~ん、意味深・・・さしずめ小説、未完で終わるなよ。と言う
有り難いお言葉と受け止めました。

 プライベートでも、同じですね。(^_-)

 と言う訳で、公私ともにがんばります、 HIRO(S)

                          2009年1月3日


 

【ドルチェ・アマービレ】(14)

 月の美しい夜だった。どこからか、哀切を帯びた歌が聞こえて来た。

 ♪春高楼(こうろう)の花の宴(えん) 巡る盃(さかづき)影さして♪
              ♪千代の松が枝(え)分け出(い) でし 昔の光今いづこ♪

 ♪秋陣営の霜の色 鳴きゆく雁(かり)の数見せて♪
             ♪植うる剣(つるぎ)に照り沿ひし 昔の光今いづこ♪

 ♪今荒城の夜半(よは・よわ)の月 変わらぬ光誰(た)がためぞ♪
            ♪垣に残るはただ葛(かずら) 松に歌ふ(うとう)はただ嵐♪

 ♪天上影は変はらねど 栄枯(えいこ)は移る世の姿♪
            ♪映さんとてか今も尚 ああ荒城の夜半の月♪

 『教授・・教授が歌うなんて珍しいですね。今の荒城の月ですよね。』
 【ええ、そうです。土井晩翠作詞、瀧廉太郎作曲により、明治34年・・1901年に旧制中学校の唱歌の懸賞の応募作品として作られました。原曲は無伴奏の歌曲です。
 同じ曲を1917年に山田耕作がロ短調からニ短調へ移調、ピアノ・パートを補い、旋律にも改変を加えた曲を作りました。山田版は全8小節から16小節に変更し、一番の歌詞でいえば「花の宴」の「え」の音を、原曲より半音下げています。 山田耕作のピアノ伴奏を用いながら、オリジナルの旋律を歌った例として、米良美一が録音した事が有ります。】
 『歌曲だったんですね、教授。』
 【はい、日本の音楽史に残る名作です。彼の曲はベルギーで讃美歌になったほどです。わずか23歳でこの世を去りました。・・・綾歌君は彼の曲、鳩ぽっぽを知っていますか?】
 なんだ、それなら子供の頃うたったことが有りますよ、教授。
 『ぽっぽっぽ、鳩ぽっぽ・・・・』
 【綾歌君、それは童謡の『鳩』です。間違って覚えているようですね。】
 『え?あっ・・違うんですか?あぁ、恥ずかしい。』
 綾歌は自信を持って歌った積りだったのに間違って、顔が真っ赤になった。
 【良いですか、綾歌君。これから貴女のライバルとなる世界と自分の差を良く認識するのですよ。瀧廉太郎の作曲は1901年、今でも上演される最古のオペラ、クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)作曲の『オルフェオ』が初演されたのは1607年・・300年の歴史の差、重みを越えねばなりません。】
 【来日する一流の歌手たちの演奏を耳にして何よりも圧倒させられるのは、その発声の素晴らしさです。彼らはオペラの全幕を少しの疲れも感じさせることなく歌い通し、ドラマティックなアリアにしろ、高度な技巧を要するアリアにしろ、その声をホール一杯に響き渡らせる。特にそのことを痛感させられるのは、彼らが日本人の歌い手たちと共演する場合です。
初幕においては日本の歌い手の方がよく聴こえる場合もあり、これなら外国の歌い手と互角に共演できるだろうと思う時もあるのですが、何故かその声は次第に衰え、やがてオーケストラの音に呑まれて響きが失せてしまう。ところが外国の歌手の方は、幕が進むにつれて徐々に勢いを増し、銀色に輝く美声が客席に押し寄せてきて、終幕には聴衆を完全に魅了してしまう。ソロのリサイタルの場合でも、様々なスタイルのアリアをプログラムに組み入れ、どのような曲も容易に演奏する彼らの姿には、とても信じられないものがあります。
この歴然とした違いは、言うまでなく声楽の歴史の長さから来るものであり、優れた伝統に培われた彼らの歌唱技法がもたらす結果です。】
【彼・彼女らのカラダには伝統と言う遺伝子が組み込まれているのです。それに伍して行くには並大抵の練習ではおぼつきません。綾歌君覚悟は出来ていますか?】
 教授の仰ることは、昨日までの私には理解出来なかったに違いない。しかし、今日の私は違う、あやふやな漠然としたモノから、確固とした心が出来ていた。
 それは・・・私の教授への愛・・・教授の期待に応えたいと言う動機。
 人は不純な動機と言うかも知れない。真面目な人は眉を顰めるかも知れない。
 だけど、私が初めて持った目的意識、親友たちのような夢。それを謗られる事は断固拒否する。
 『教授・・・私・・・どうすれば、彼女らに勝てるようになるの?教えて下さい。』
 【綾歌君、初めて積極的になりましたね。嬉しいですよ。これから頑張れるように、先にご褒美をあげましょう。】
 教授はいきなり私を抱き締めると、口付けしてくれた。
 『はぁぅ・・・あん・・・むふぅ・・』教授の手が私の頭に掛かり、その手を下に引き私の顔を上に向かせる。
 教授の顔が少し離れてしまう。
 『あぁ、いやぁ・・・もっと。』
 上から覆い被さる教授が微笑したように感じた。
 【綾歌君・・そのまま口を開けているんですよ。】
 私は言われたように口を開き、教授の動きを見つめる。
 教授は口を窄め、しばらくそのままにしていた。やがて教授の口が開かれた。
 一筋の流れが私の口目がけ墜ちて来る。口中に生暖かいモノが流し込まれた。
 教授の唾液、とめど無く送り込まれるそれは、甘露だった。汚いだとか、全然考えもせず、教授の唾液を嚥下する。
 『あぅん・・美味しい。美味しいです教授ぅ。もっと、もっと下さい。』
 教授のもう片方の手が、私のお尻を鷲掴みにする。その手で撫で回しまた掴む。
 頭に掛かっていた手がいつの間にか、胸をまさぐっていた。
 『あぁん・・・ふぅん・・・あぁ・・』
 教授の触り方が初めて、いやらしい手つきだった。
 乳房の周りを掌で掬い上げる。優しく揉むかと思うと強く握り潰す。周辺部から中心の乳首を目指し指がさ迷う。指先でコリコリ刺激される。乳首が痛いくらい。
 『教授ぅ・・・あぁん、イヤラシイ・・触り方ぁ・・』
 【綾歌君、こうして何度も乳房を揉んでいるからか、硬さが取れて柔らかい大人の女性らしくなってきましたよ。】
 教授が乳首を口に含み、舌で転がして遊んでいる。時々歯を当てられ甘噛みされる。噛まれると電流が走ったように、痺れる。私はせがむように胸を突き出していた。
 『ひやぁあ・・・うぅん・・ハァ。』
 お尻の割れ目に教授の指が差し込まれ、恥ずかしい所に当たる。
 『あぁいやぁ・・ソコ汚い・・触っちゃいやぁ。』
 構わずに教授の指が、触れてはいけない処、触れらるのは恥ずかしすぎる所に食い込んでくる。
 『いやぁん・・・教授ぅ・・駄目です。お尻の・・・穴は許して。』
 指の腹で、お尻の穴の皺を延ばすようにグリグリと弄られた。
 その指が頃合いを見計らって挿し入れようと、力が籠る。
 『あぁ・・ダメェ・・・おかしくなる。変な感じだよぉ・・教授・変なの変なの。』
 【綾歌君、ご褒美は終わりです。今度ご褒美をあげられるのはオーディションに受かった時でしょう。それまでに色々Lessonしますから、しっかり付いて来るのですよ。】
 あぁ、教授のLesson・・背徳的な香りがする。耐えられるかしら。
ううん、耐えるのよ綾歌。
 『はい教授。綾歌やり遂げます。だから、ご褒美一杯頂戴。』


【ドルチェ・アマービレ】(13)

 教授の指が、わたしの花弁を左右に開いている。
 ピンク色をした複雑な柔肉の襞、亀裂の最下部にまだ口を開いていない入口が見られている。
 意識しだすと、無意識に入口がヒクッと動いてしまう。教授はその上の小さな穴・・尿道口も開いて見ている。そして・・それらを上から見下ろしているかのように突き出た陰核の包皮をそっと捲る。
 包皮は抵抗を示し教授の指に逆らう。
 教授は舌先を尖らせ陰核の表面を唾液で満遍なく湿らす。
 『はぁあっぅう。・・・教授ぅ・・・』
 剥き出しになった真珠色の小豆大のクリトリス。そこには白いカスがこびりついていた。
 処女の証し。・・・まだ良く洗う事が出来ず手入れされていないクリトリスを教授は口に含み綺麗にしていく。
 『ふぅん、はぁん。イイ・・気持ちイイの。あん、あん。あぁ、あん。』
 鼻に掛かった綾歌の嬌声が教授の耳に心地よい。
 【綾歌君。これからは、もう少し、自分の女自身・・ヴァギナに気を使いなさい。清潔にするのは自分の為ですが、あなたを愛して舐めてくれる人の事も考えるのですよ。いやらしいと思わずに大人の女性の嗜みだと思って下さい。】
 教授はあくまでも冷静に綾歌を諭す。
 『はぁん、教授ぅ・・大人の女性って、玲子さんの事ですか?・・・教授ぅ・・わたし・・私も玲子さんのようになりたいの。あの、その、玲子さんの様にアソコ綺麗にしてくれませんか?』
 綾歌は恥かしさを堪え玲子に負けたくない一心で、とんでもない事を口走る。
 【綾歌君、言っている意味が判っているのですか?女性がアソコの毛を剃毛するのは、特定の人に身を委ねる事なのですよ。】
 『あぁん、だからです。玲子さんは教授に身を捧げたのでしょう?わたし・・私も教授に捧げたいのです。この合宿中、教授と玲子さんが・・一緒のお部屋で・・考えると、ダメなんです。すごく悲しくて切なくて・・・教授は・・私を大切だと仰って下さいました。でも、信じられません。大切ならどうしてスグに教授の女にして下さらないの?私・・私教授にならヴァージンを捧げたいと想って、教授の恥ずかしいレッスンを悦んで受けています。どうしてその気持ちを受け取って下さらないの?』
 『教授の事が好きなんです。大好きなんです。』
 綾歌は抑えきれぬ思いを一気に喋り終え、ホッとしたような、不安が増したような気分を味わった。
 【綾歌君、気持ちはとても嬉しいですよ。でも前に言ったと思いますが、私は子供は相手にしません、綾歌君はカラダは確かに大人になりました、が、心がまだ大人に成りきれていない、もう少し成長してから、ではダメですか?】
 『どうしてダメなの?好きだから好きと言っているのに。嫌いなら嫌いとはっきり言って下さい。綾歌を抱きたくないのならそう言って下さい教授。・・もう嫌ぁ・・こんな中途半端な気持ちでいるの嫌なの。何にも考えられない、何も手が付けられない、どうしようもなく苦しいの、ねえ教授・・・助けて、助けて下さい。』
 綾歌が心の底から絞り出した本音は、シュトレーゼマンが危惧していた方向に進んでしまっていた。
 恋愛に苦しみ、全てがそこで停止してしまう。これが才能ある女性に起こるとそれまで成功していた事も奈落に陥ってしまう。
 今の綾歌は、心の強化、肉欲への耐性が出来ていない。
 6年前の玲子も、同じ道を歩んでしまっていた。そこでシュトレーゼマンがある事を玲子に行い、軌道修正したのだった。
 あの時の玲子はヴァージンには違いなかったが、今の綾歌より大人だった。そこでシュトレーゼマンは、玲子のロスト・ヴァージンを奇禍とし軌道修正を行った、この山荘で。
 だが、綾歌はもちろん玲子とは異なる人格を持った女性だ。これまでの特別レッスンでは起こり得なかった、誤算・・・シュトレーゼマン自身が・・・。
あの時とは違い、シュトレーゼマン自身が綾歌を愛し始めていた。年の離れた綾歌に惹かれて行く自分に戸惑い、自己防衛のため玲子を呼んだ。
自身が綾歌に溺れてしまわないように、綾歌にわざと玲子の存在を意識させ、シュトレーゼマンが別の女性とセックスするただの中年男性でしかない事を、自分に幻想を抱かないように綾歌を誘導しようとした。
だが、かえって綾歌の心に火を付けてしまった。
 それなら・・・そうするのが・・・
 【綾歌君。私も正直に申しましょう。私は、綾歌君の事を愛し始めています。綾歌君の事が好きです。これまで、学生に恋愛感情を抱いた事は有りませんでした。あなたが初めてです。自分でも可笑しいと思うほど、綾歌君の事が好きです。だが、その感情をストレートに出してはいけないのです。あなたとこのまま何処までも進んでしまう事は、私が最も危惧していた、綾歌君の才能を潰してしまう事になります。私は綾歌君に世界を見せてやりたい。綾歌君が世界に羽ばたく羽根を付けてあげたい。それが私の願いであり、私の愛した者への希望なのです。
 世界で活躍している綾歌君と、対等の立場で愛し合いたい。その時の綾歌君が私を好きでいてくれる保証も有りません。が、愛する者の成功を自分の恋愛よりも優先したい。これが私の愛し方なのです。今、綾歌君の事を抱く訳には行かないのです。綾歌君が私の綾歌君への愛を信用できない。何か証が欲しいと言うのであれば、綾歌君のロスト・ヴァージン以外でも証明できるでしょう。私の言葉では不足ですか?】
 綾歌は予想外の教授の言葉に驚き、そして言葉が心に沁みて来るに従い、悦びが沸き起こって来た。だが、綾歌はまだ不安だった。
 『教授本当ですか?教授が私の事好きなの本当ですか?宥めるための嘘じゃないですよね?信じていいんですね。教授を愛して良いんですね。だったら、証しを下さい。綾歌はまだまだ子供です、不安なんです。こんな子供の私・・教授に愛想尽かされるかもしれない。そう思うと切ないんです。綾歌が教授のものだと、カラダに証が欲しいんです。玲子さんと同じ様にアソコの毛を教授に捧げたいんです。そうすれば教授は私のこと気にかけてくれる、そう思うんです。』
 【はぁ~、困った子ですね。まだ私の言ったことが判らないのですか?しかたがありません、綾歌君に罰を与えねばなりません。それも思いっきり恥ずかしい罰を・・今から浴室に行きましょう。・・・綾歌君のオマ○コの毛を剃ってしまいます、良いですね。】
 教授は、ニヤリとウインクを私に送り、歩きだした。
 私は嬉しくて、いそいそと教授の後に従い浴室に向かった。
 【さあ綾歌君、足をM字に開いて、剃り易くして下さい。・・・ほら、躊躇ってはいけませんよ、あなたが望んだ罰です。まったく、ヴァージンの女の子がする事ですか?なんていやらしい子なんです。】
 『あぁ・・教授ぅ・・・綾歌は・・悪い子です。・・お仕置きして下さい。』
 【ほら、まずは長い陰毛をハサミで整えます。動くと危ないですよ。】
 私の陰毛がジョキジョキ切られている。まだ綻んで居ない花弁を指で摘まれ、隠れている陰毛を切られた。
 シェービングクリームの泡が股間に塗されていく。白い泡がそれまでパックリ曝されていたオマ○コを隠しててれる。
 【おや、綾歌君。困りますね、折角塗った泡が、流されています。お汁を流す程感じてしまったのですか。】
 『あぁ・・恥ずかしい。言わないで・・教授ぅ・・綾歌・・恥ずかしい。』
 【どんどん溢れて来ますよ、綾歌君は、恥ずかしい事をされると感じるいやらしい女性なのですね。
 教授が剃刀を手にして、またニヤリと笑う。
 その時教授の背中に、はっきりと黒い翼が見えた。
 (あぁ・・教授は、こんな事が好きなんだ。女のアソコの毛を剃るのが好きなのね。そして言葉で苛めるのも好きなのね。・・・教授は・・・サディストなんだわ。薄々感じていたけど・・・私・・・そんな教授でも好き。いいえ、そんな教授だから好きなのかも。・・教授に苛められるのも好き・・・やだぁ!私・・・Mなの? うっそぉ!知らなかったわ。う~ん、でも・・・見られると感じるのは本当だし・・・違うわ・・Mじゃなよぉ。綾歌そんな女の子じゃないもん。・・・自信ないけど・・・)
 剃刀の角度が変わり、少しずつ陰毛が薄くなって行く。土手の部分はあらかた綺麗に剃られた。今は複雑な亀裂に沿った場所を剃られている。段々少女のようになって行くアソコを見ると、恥かしいのに、なぜか悦びが起こる。段々教授の女に変わっていくような気がして。
 すべてが綺麗になった。お湯を掛けられ、アソコが露わになる。
 【綾歌君、罰は終わりですよ、鏡に映して確認してみなさい。】
 教授がまた意地悪を言う。でも逆らえない、恐る恐る鏡の中の綾歌を見る。
 『あぁいや。恥ずかしい。見せないで、見せないで下さい。
 鏡ん中の綾歌は、アソコから恥かしい汁を一杯流し、トロンとした目で私を見ている。その驚くほど色っぽい綾歌を見て、これが自分とは信じられなかった。
 鏡に中の綾歌が言う。
 (綾歌・・良かったね。教授が証しをくれて。それに綾歌も自分がMだと自覚したみたいだし、これからが楽しみね。教授は何をしてくれるのかしら。考えただけでもう一杯恥ずかしい液を出しているのね。教授が愛していると言ってくれておめでとう。綾歌)
 【綾歌君、これで良いですね。明日から勉強も頑張るのですよ。私が愛した女性がオーディションに落ちて、定期演奏会に出られないなんて恥ずかしくて困りますからね。】
 それまでの甘い気持ちがハッと冷めた。
 そうだ、教授に愛されるには、期待を裏切る事は出来ない。
 身が引き締まると同時に、アソコが収縮し、中から愛液がトロッと絞り出て来た。


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HIRO(S)

Author:HIRO(S)
HN:HIRO(S)
年齢:秘密
性別:秘密
地域:関東地方
動機:gooで削除されたので。
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写真は・・・・いけないんだぁ

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