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【ドルチェ・アマービレ】(12)

 【綾歌君、ボイトレはちゃんとやっていますか?】
 朝食のサーブをしていたら、シュトレーゼマンが声を掛けて来た。
 毎日のマラソンと、腹筋、背筋の強化が組まれていたが、実際にはマラソンだけでバテバテになり、ストレッチはやっていなかった。
 『あのぅ・・・教授。出来れば、その、あのぅ。・・・』
 【つまりは、サボっているのですね。】
 『・・・・・はい。』
 【無意味にボイトレをやりなさいと言っているのでは有りません。綾歌君は声量が少し足りないのです。腹式呼吸をして横隔膜を動かす、幅を拡げるのです。それに喉の強化もね。】
 『あれ?教授。腹筋運動じゃないんですか?』
 教授が少し呆れたように私を見る。
 【綾歌君、まさか君は、フースラーの理論を忘れた訳では有りませんよね?。「肺の中の空気が多い時は、横隔膜の筋肉の緊張は少なく、反対に、肺の中の空気が少ない時には、横隔膜の筋肉の緊張が増すので、重力や弾力による復元力が作用し、自動的に空気が肺の中に吸い込まれる。」「もし吸気が正確に、そして生理学的に正しい分量で行われさえすれば、呼吸器官を弛緩させるための練習は無用である。」要するに、呼吸は上記の様に自動的に作用するものなので、歌い手は、呼吸に対して過大な注意を払う必要は無く、また故意に呼吸を操作するとかえって呼吸器官を緊張させ、浅い呼吸をすることになる。むしろ呼吸法の習得は、呼吸筋の反応力、弾性、伸縮性、敏速性という機能を高めることに目標を置く方法が望ましいのである。
この様な基本的な考え方に添って、著者は、今日多くの流派で使用されている6つの誤った声の支えと、呼吸法について詳しく論じている。これは覚えていますよね。】
 【では声の支えについて説明しなさい。】
 綾歌が必死に思いだしながらそらんじる。

 『声の支え>とは、<声に安定を与える>というように解釈される。この声の支えの要因は、決して呼吸の力ではない。この方法によって発せられた声は、正しい発声の持つ特徴は完全に無く、叫び声の一種である。また、正しいイタリアの流派によって昔から教えられてきたも、上記と同じ考えであるが、イタリアの歌手は特別な考え方を持っていた。それは、‘アッポジャーレ’(何か支えてくれるものに寄りかかるという意味)を、「背中の下方から、胸の前方に向かって、ある空想上の力によって支える」というふうに考えていたのである。このことにより、呼気筋全体を活動化し、同時に、呼気筋と外喉頭筋64)及び内喉頭筋の関連を生じさせる。』

 【よろしい、では、声のレジスターについては?】

 『声には、2つから3つの音質が異なるレジスターがある。一般的には、胸のレジスターと頭のレジスターの2つに分けられるが、第3のレジスターと呼ばれる中間レジスターを区別する場合もある。
声楽発声器官である喉頭の筋肉が、あるレジスターの歌唱時に独立して作動するなら、発声器官が乱れ、その結果、発声器官内の筋肉が正常に作動せず、所謂[いわゆる]レジスターの分離が生じてしまう。このレジスターの分離とは、通常、レジスターの境界では、器官の形と緊張を内部変換しなければいけないのだが、孤立して作動するためにそれが困難となり、分離が生じるのである。このことは、発声器官の機能的統一が崩壊していることの症状である。その為に、発声器官の各々の筋肉の働きによって固有の音が生じる。
要するに、レジスターとは、声の調子により筋肉の作用が異なるために起こる一過性の音色なので、レジスターは完全に独立をしていない。もしも、レジスターが完全に独立していると考えて訓練すると、やがては声楽発声器官を分裂させ、結果的には、片方のレジスターのみによる歌唱となってしまう。』
 綾歌はなんとか切り抜けた気がした。まさか口頭審問が有るとは思わなかった。今まで実技だけミスしなければ、と考えていたが、シュトレーゼマンにはその考えは甘く通用しない。
 【では声のレジスターについてもう少し詳しく説明して。】
 『え~と、その・・・・声のレジスターには・・』
 そこまで言い掛けたが後が続かない。
(どうしよう。)
 綾歌が、困っていると横から助け船を出してくれた。
 千夏だった。
 「レジスターを生理学的に説明すると。
<仮声のレジスター>
これは、細く痩せ、膨らみのない音色で薄いが芯があり、歯や顎、場合によっては前額に添えられるようなレジスターである。この一つは、<虚脱した>レジスターで、虚脱した発声器官、崩壊した声楽発声機構から作られ、呼気の使用量が多い。もう一つは、<支えのある>レジスターで、張りがあり、明るく、より強く通る音質の声であり、ある程度は充実した声に変化でき、胸のレジスターより呼気使用量が少ない。
<頭声のレジスター>
これは、やや暗く、膨らみがあり芯のない音質で、高く頭に響くようなレジスターである。仮声と頭声のレジスターは、同一の発声的基本要素を変形させたもので、声帯を伸ばし、声帯の筋肉は、殆ど助力しないという点では共通であるが、異なるのは、声門間隙の形だけである。
上記の二つのレジスターは、近代の音声生理学研究による仮説に基づいて区別されているが、この二つの概念の境界を決めるのは難しく、この研究は完結していないが、発声指導者からは認められることなので、大体において真実であろう。
<中声のレジスター>
これは、主として声帯の中の破裂・声帯の外側近くにある、声帯靱帯と声帯内筋とを繋ぐ筋繊維束の働きが増強し、多少孤立的に働くことにより生じる。このレジスターの特徴は、ほっそりとして、明るく前に響き、金属的な音色である。
<胸声のレジスター>
これは、声帯筋(このレジスターにおいて特に働く)だけが独立して働くと、声帯筋の収縮に伴って声帯が太くなり、声が厚ぼったくなる。しかし、声帯筋と同時に、収縮している声帯筋を包んでいる声帯靭帯が引き伸ばされれば、生理学的に正しく機能する。
<混声のレジスター>
これは、中声のレジスターと同じく見なされていることがある。この概念は、フランスの流派の時代(マヌエル・ガルシアからジャン・ド・レシュケ70))を指す。この概念は<全レジスターの融合>であって、生理学的にも、発声に必要な全ての筋肉を集中的に共同に作動させる(各声区を混ぜ合わせる)ことである。これは、当時のフランスの声楽曲のスタイルが、長いスラーを次々と使い、漸強漸弱を伴い、長大なフレージングを必要としたことから伺える。
そして、訓練における声のレジスターの扱いについては、第15章<訓練の原則>で、次のように述べている。
生理学的事実である、高音域(ファルセットー頭声)と低音域(胸声)の知識がある人なら、この二つのレジスターの機能を増進し、最終的には思い通りに<混ぜ合わせる>ことが出来るようになるまで、このレジスターの両極端から訓練をを始めなければならないことは、当然の事実である。以上です。」
 「綾歌くん、玲子さんにからかわれたんだよ。マラソンも最終日10kmなんて無理だと思わなかったのか?」
 『そんなぁ~今朝私3km、ちゃんと走りましたよ。千夏先輩だって自転車で付いて来たじゃないですか。』
 【では、綾歌君毎日とは言いませんが、少し運動を続けなさい。体力も必要です。】
 【ただし・・ボイトレをさぼった罰です。腹筋を30回やって下さい。私が見ています。】
 まずい!今の格好ミニスカにノーパン。確実に見られてします。着替えなくては。
 『教授じゃあ、着替えて来ますから、少しお待ちください。』
 【そのままで構わないですよ。】
  私が構うんです。
 「じゃあ、僕はこれで失礼します。」
 千夏先輩が居ないことがせめてもの救い。仕方なく私は足をきっちり揃え見えないように必死にスカートの裾を押さえて始めようとした。
 【あ、私が足を押さえてあげましょう。少し開いて。】
 え~ん、教授・・・あなたは鬼ですか悪魔ですか?
 【顔が真っ赤ですね。大丈夫ですか?】
 だめです、恥ずかしくって・・教授やめさせて下さい。明日やりますからぁ。
 【じゃあ、さっさと済ませましょう。ほら、足を拡げて。】
 仰向けの私は下半身に力を入れ、足が開かないようにした。
 【どうしたんですか?あぁ、ショーツが見える事が恥ずかしいんですね。大丈夫です。女性の下着に欲情する性癖はありません。見るより脱がす方が好きですけど。】
 あ~ん、教授何をしているんですか?了足の親指をそれぞれ掴んで?
 うっそ~、なんで、どうして?こんなに簡単に足が離れて行くの?
 【知っていましたか?こうするとどんな非力な人でも簡単に足を開かせられるんです。】
 知らなくていいのに・・・教授のエッチ!
  徐々に開いて行く足を羞恥と妖しい感覚の中で見ている。
 教授・・・見ないでェ・・・でも・・見て貰いたい、やっぱり恥ずかしい・・・でも玲子さんに負けたくない。???あれ?玲子さん・・・嫉妬している・・・
 【綾歌君・・・君・・・】
 『あぁぁ・・教授ぅ・・・』
 足は完全にこぶし二つ分開いている。
 あぁ・・・見られている・・恥ずかしい・・・恥ずかしいけど・・見てぇ。
 綾歌のオンナを教授になら見せてもイイ。
 あっ・・・・綾歌・・・・恥ずかしいお汁を・・・・溢してる。
 【綾歌君・・・素敵な光景です。・・・私は・・・口付してもイイですか?】
 どこに教授?・・・ううん、そうよね。綾歌自身にですよね。でも・・・お毛毛が
邪魔ですよね・・・あぁ・・もしかして・・玲子さんも、今の私のように思ったのかしら?
 【綾歌君・・・美味しいです。いい匂いもします。あぁ・・・綾歌君・・・・早く成長して、大人の女性になって下さい。私は綾歌君のその日を一日千秋の思いで待っているんです。】
 『教授ぅ・・・どうしてですか?』
 【今は言えないのです。ただ一つだけ言える事が有ります。綾歌君の事を私はずっと大切に思っています。】
 (ぁああ・・教授ぅ・・どんどん溢れて来てしまいます。・・・教授・・・大切って・・・私が思う通りに取っていいんですか?・・・教授が私を・・・)
 『あぁん・・感じる。教授の舌が・・・淫裂の中に・・・入ってくる。』
 ぴちゃ、ぴちゃ・・綾歌の耳に心地よく響く。
 恥ずかしいのに、幸せな気分だった。顔は相変わらず真っ赤に上気していたが、幸せだった。


クロウエア・エクサラダ【28】PageTop【ドルチェ・アマービレ】(11)

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