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【プリムローズ】(1)

 朝は嫌い。
 夕べのお酒が抜け切らないから?ううん、もぬけの殻のシーツが冷たいから。
 週末は嫌い。
 引き篭もりになっちゃうから。
 
 月曜日の朝、出勤前の儀式。
 近所の公園をお散歩する。決まって5時10分。いつものようにいつもの挨拶を交わす。
 5時30分耐え切れないほどの温水、縮こまるほどの冷水。
 わたしは漸く目が覚める。
 セットしておいたコーヒーサーバーから鼻腔を擽る香り。
 トースターから香ばしい香り。
 判で押したような毎日。
 鏡台の上の魔法のコスメ達・・シンデレラの魔法を今朝もわたしに掛けてくれる。
 6時50分、慌てて鍵を閉める。
 7時35分いつものホーム、前から3両目定位置。
 8時20分、認証システム通過・・・
 
 わたし、詩織。佐倉詩織27歳独身OL。
 更衣室が賑やかになる。8時40分。先輩達の出社。
 わたしは今日の仕事場所を探す。狙いは窓際の席。あった!ラッキー!
 私の会社は決まった部署・・机がない。ノーパソと携帯があれば全ての仕事が進む。
 隣同士がまったく知らない仕事をこなしている。
 希薄な人間関係・・昔のオフィスの飲み会・・今なら忘年会?・・そんな無駄な事まったくない・誘いが来てもノーサンキュー!
 そこが良くて転職した。
 前は・・お堅い国家公務員、今は某キャリア。
 同じキャリアでも大違い。前例、善処、検討、前向き、な言い訳。歓送迎会、花見、暑気払い、忘年会、新年会。
 おじさん達のアイドル・・・酒のお酌係。コピー係、ていの良い家政婦か?わたしは・・
 ゴリ押しの議員、そこでだけ低姿勢の社長・会長、変らない国会答弁書、タクシー券の乱舞、若造たちへの接待攻勢。
 そんな世界に未練はない。わたしはもっと、やり甲斐のある仕事がしたいの。飛び出したのが2年前。
 今は・・・私は子供だった。
 男社会の壁・・・もがき疲れ、月曜の朝が嫌い。週末の朝はもっと嫌い。
 ぼんやり考えていると、目が追っている。
 今朝のこの場所は、特等席。
 深夜12時を過ぎると消えてなくなる人。
 あーあ、どうしてこんな女になったんだろう?
 プリムラ・・花言葉は「永続する愛情」・・只のあだ名。苗字が佐倉「サクラ」だから付けられた。サクラソウ、英名はプリムローズ。他にもある花言葉『富貴、神秘な心、運命を開く、可憐、うぬぼれ』
 メアドも『primrose』
 そう・・2年前うぬぼれていた。
 元国家公務員上級職・・キャリア組・・・元ミスキャンパス。元読者モデル。
 絵に描いたような人生・・それが・・

 特等席から見る。廻りはラフな格好の若者と、きちんとしたブランドの背広・・そこだけ違和感のある服装。ベージュ色の作業服・・
 私の目が追うのは、作業服。
 年の頃50かしら?・・大方4年前にリストラされての再就職。子供二人。
 多分奥さんとは学生時代から付き合い結婚。子供は両親の手を離れる年代、でも、ニートが一人。
 昼食は愛妻弁当、公園のベンチがテーブル。
 目尻に刻まれた皺、モミアゲに白い物。無骨な指、年の割にはスマートなお腹。パンツはトランクス派、薄い拗ね毛。下唇が厚い。細く冷たい眼差し。
 どこから見ても中年男性、負け組、冴えない風貌、暖かい志。

 ジィーと見ていたら目が合う。唇の端が幾分持ち上がる。
 わたしは、誰にも見られないように舌で唇を舐めた。
 照れたように顔を背ける・・オジサン。
 
 4年前新卒のキャリア組として、中央官庁を颯爽と歩いていたわたし。
 ある日、食べ損ねた昼食の変わりにマックをほおばっていた。
 マックもピクルスが啼ければ美味しいのに。そう毒づくわたしの隣でクスッと笑う、失礼なオジサンがいた。
 背広姿でお弁当を食べていたオジサン。中身を覘くと美味しそうなキンピラゴボウが見えた。
 視線に気が付いたオジサンがわたしに勧めてくれる。
 故郷のお母さんの味に似ていて美味しかった。
 オジサンは、食事が終わると、トボトボ公園を奥へと歩いて行く。
 翌日、栄養ドリンクを片手にオジサンを探す。
 昨日と同じ場所、栄養ドリンクを差し出す。ビックリ眼のオジサン。
 こうして、昼食仲間が出来た。
 『本当、困るのよネェ・・』
 わたしが吐いた愚痴。
 『それは、現場を知らない、あなた達の論理だね。机の上で仕事が出来る。あなた達はお目出たい人種なんだね。』
 何時になく辛らつなオジサン。
 翌日からオジサンはわたしの相談役になった。
 経済、福祉、都市計画、教育、あらゆることが議論の対象になった。
 恋に破れたのもその時期。
 オジサンは、私が抱きついて泣くと、困った顔で遠慮がちに頭を撫でてくれた。
 故郷の父、小さい頃に亡くなった父の匂いがした。
 お昼を過ぎるとオジサンは公園の奥に消える、わたしは今日探偵になった。
 トボトボ背中を丸め歩いて行くオジサン。
 公園の奥のブランコ・・今時ベタなシュチエーション。
 ポコなら、『やっちまったな、オジサン』と声を上げるだろう。
 ブランコを揺らすオジサン。刻み込まれた皺が伸びたり縮んだり。
 地面に写る影も伸びたり縮んだり、そしてその影が二つになった。
 交互に揺れるわたしとオジサン。
 オジサンは何も言わない。わたしも尋ねない。
 わたしは小学生のようにブランコから飛んだ。
 慌てたオジサンが駆け寄り抱きかかえる。
 ポツリ、ポツリ、離し始めるオジサン。働き盛りの40代、妻子有り。持ち家、東京郊外、元・・・それはどうでもいい。
 リストラされたことを奥様に言えず、愛妻弁当を持って毎日就職先を探しに来る。
 探偵の報告書にはあらかた記録された。
 オジサンははにかみながら家路に付いた。
 さっきより、後姿が切ない。
 想像の中の父の姿がダブる。

 その夜、赤坂の料亭にわたしは居た。某陣笠代議士と通産官僚、大蔵官僚、建設官僚のトリオ。
 脂ぎった、赤ら顔。お酌の要求が段々酷くなる。
 イヤらしい顔、オジサンと対比する。こいつらの下半身には人格がない。
 芸妓のお姉さん達も持て余している。狡猾な瞳に怖気を震う。
 逃げるように料亭を出る。・・・陣笠代議士が近寄ってくる。無視も出来ずに適当にあしらう。
 突然腕を掴まれる。
 『何をするんですか?』睨みつける。
 陣笠は意に介さず、わたしを力任せに引っ張る。
 頬を叩いた。走り出す。
 私設秘書が追いかけて来る。路地に逃げ込む。出口に別の秘書が立ちはだかっている。
 法治国家のこの国で、政府の役人のわたしが路上で襲われているのに、道行く人は知らぬ振りをする。
 更に細い路地へ、いつの間にかピンクゾーンに入り込んでしまっていた。
 相変わらず、後ろから陣笠と秘書、新たに前の方に官僚トリオ。
 これがこの国の実態なのか。わたしは絶望に襲われ思わず立ち竦む。
 不意に横手から掌が口を覆う。悲鳴を上げる暇もなかった。
  「シィー!」
 え?だれ?・・・オジサン?
 まずい。あいつらに気付かれているわ。
 辺りを見廻す。毒々しいネオン・・今はここしかない。
 わたしはオジサンの手を引いた。隠れる場所は此処しかない。一人では不審がられる場所。

 さっきから、オジサンが困った顔をわたしに見せる。
 部屋に入った時から、落ち着かない様子。キョロキョロ部屋の中を見ている。
 オジサン・・ラブホ、入った事ないの?・・聞こうとしたが聞かなくても判る。
 あ、だめ!そのボタンは・・。
 ベッドに腰掛けていたオジサンが転げた。
 ウォーターベットのフワフワ感に驚いた様子、しかも回転ボタンまで。
 慌てて、枕の上の固定部分に掴まる。オジサンがビックリして手を振り払う。
 宙を飛んだそれは、3個綴りのアレ。・・そんなに驚かなくても・・
 顔を真っ赤にして俯いちゃった。
 オジサン初心なのね。なんだか可愛い。
 「こ、こんな所早く出ようよ。」
 『ダメ。あいつら、まだ探している。このまま朝までお願い。』
 小首を傾げて上目遣いでオジサンを見上げる。
 オジサンはそっとベッドから離れ、玄関近くに腰を降ろす。
 気を使ってくれているのは判るけど、それじゃ、わたしが何かオジサンにするみたいに思われてるの?
 あ~走ったせいで汗かいたなぁ。
 『オジサン。お風呂先に入ってくるね。』


【妻の秘密・義妹の秘密2】(13)

 カチャ・・・地下室の二重扉の内側のドアが開く音がした。
 入ってきたのは妹の彩香でした。
 【お姉ちゃん・・・お義兄さんに赦してもらえたのね。良かった。】
 『え?・・彩香、どうしてそれを?』
 【お義兄さんがずっと前に教えてくれたの。・・かおりを妊娠する前に。・・それでも私、お義兄さんの子を産みたかったごめんね。】
 『ねえ、どういう事なの?彩香教えて。』
 【お義兄さんは私の処女をあげた時に、言ったの。いずれ薫を許す積りだ。彩香の気持ちは嬉しいけど、やっぱり義理の妹を此の事に巻き込みたくない。これは薫と真樹と私の問題なんだ。それに・・・私が彩香を抱いたら薫を裏切ることになるだろ。って言うの。】
 【でも,お義兄さん。お義兄さんはお姉ちゃんに裏切られたのでしょう。お姉ちゃんにも仕返しがしたい筈よ。私お義兄さんにそう迫ったの】
 【今のお姉ちゃんなら判るでしょう。お義兄さんは結婚してからずうっと悩んでいたわ。そんなお義兄さんを見ていたら、いつしか好きになっていたの。】
 『・・彩香・・・』
 【だつて、お姉ちゃんみたいに、一人の人にずうっと、悩むほど愛されたら・・そうなりたい。お姉ちゃん以上に愛して欲しい。そんな事を考えているうちに、タイプじゃなかったお義兄さんを意識しだして・・好きになったの。】
 彩香の気持にはあの頃薄々と気が付いてはいた。でもそれは姉の旦那への淡い慕情だと思っていた。彩香はただ結婚に憧れを抱いて、男の人と付き合ったこともなく、(彩香もずっと女子高育ちだった。)身近にいた主人に恋心を抱いたのだろう。
 【そして・・・お姉ちゃんたちの夜の営みを盗み聞きして、気がついたらアソコをいっぱい濡らして・・初めてオナニーしていたの。凄いショックだった。自分がこんなにイヤラシイことしたなんて、恥ずかしかった。朝お義兄さんの顔見られなかった。それから二人の事が気になって、遊びに行く度に夫婦の寝室を盗み聞きして、オナニーに耽ったの。】
 妹に聞かれていた。身内に知られると気恥かしい。薫は真っ赤になった。
 【ある日寝室のドアに隙間が開いていたの。そこからお姉ちゃんの恥ずかしい声が聞こえてきたの。】
 薫の顔が益々紅潮する。
 【そっと廊下に出て息を殺して覗いたわ。心臓がドキッ、ドキッって大きな音を立てているようで怖かった。でも、気になって体を低くして隙間を覗いたの。目の前に飛び込んできたのは、お姉ちゃんのイヤラしいおまん〇こ・・ビチョビチョに濡れたおまん〇こ。お義兄さんの指で開かれたおまん〇こ・・・興奮したわ、お姉ちゃんがあんな恥ずかしい事言うなんて、お義兄さんに言わされてたのよ。】
 『あぁ・・彩香やめて・・姉さん恥ずかしい。』
 【お義兄さん言ってたわ、私も姉妹だからお姉ちゃんと同じ淫乱な血が流れているって。当たっていたわ。だって、お姉ちゃんのおまん〇こ見ていたんですもの。】



「ホンとかな?・・・もし、彩香が覗いていたらどうする?・・・彩香も一緒に嬲られたいって言ったらどうする?」

 (そんな、お姉ちゃんと一緒にお義兄さんに嬲られたいなんて・・・そんな事・・・ふしだらな事・・・)
 と、その時また胸が痛み出した。
 今度は締め付けられるような傷みではなく、甘い疼きだった。
 姉と一緒に義兄の目に裸体を晒し、恥ずかしい格好になる。想像しただけで濡れてしまうのが自分に疼きをもたらしているのだと。

 「・・もし、もし、彩香が・・・それを、望んだのなら・・私はあなたの妻で居られません。・・・でも、かおるは・・私はあなた・・・ご主人様の物・・・でいさせて下さい。なにがあっても・・・何が起ころうと・・・棄てないで下さい。・・・どんなに・・・どんな事が・・・しんじて・・・信じて・・・わたしは、あなたの物・・・」

 (ううっ、お姉ちゃん。イイの、本当にイイの?・・・彩香・・お義兄さんに・・・お姉ちゃんと同じ事して貰ってもいいの?わたし・・・わたし・・・いえ、駄目よ。・・お姉ちゃんの家庭壊す訳にはいかない。・・・妻で居られないって・・・離婚するって事よね。
・・でもそれならナンで・・・棄てないでなんて言うの?そういう事になっても離婚しないって事?・・・・お姉ちゃん、怒るよりも自分が棄てられる方が怖いのね?そんなにお義兄さんを愛しているの?・・・私とそういう関係になっても・・・信じて?どんな事があっても?・・・訳が判らない?)

 考えれば考えるほど姉がどう言う積もりであんな事を口走ったのか、疑問が湧く。しかし、耳からは二人の声が聞こえ、ボンヤリと見つめる光景が新しい興奮を与えようと待ち構えていた。
 義兄の指が大きく開かれた姉の秘唇に突き刺さり、掻き回されベトベトの愛液を掻きだしている、姉の嬌声が耳に木霊する。

 「ああああ、いい、おま○こ気持ちいい。・・もっと、もっと強く掻き回して!」

 「はああ、いい!・・・舐めて、舐めて下さい。薫の汚れたマ○コなめてぇ!」

 義兄の舌が姉の秘唇を舐め回している。

 「ぎゃぁ。・・・おま○こ、ジンジンする。もっと、もっと噛んで」
 「イイの、痛いの感じるの。・・もっと滅茶苦茶にして下さい。」

 義兄が姉の小陰唇を噛んで泣かせている。
 いつしか自分が姉になったような感覚が芽生え、今義兄に嬲られているのは自分・・・彩香なのだ、と思った。
 (あああ、いいの。もっと、もっとして下さい。彩香を虐めて。もっと痛くして、彩香我慢します。)
 (お義兄さんに虐められて、彩香嬉しいの、あ~ん、もうもう、ほしいの・・・)
 姉と感覚がシンクロしたようだ、姉が言う言葉は自分の言葉、姉が感じている事は自分が感じている事。その感覚が見事に一致したタイミングで姉が哀願する。

 「薫の・・・ま○こに・・・・ち○ぽ・・はめて、下さい。」
 
 義兄がそれに答えさらに意地悪く言う。

  「よく聞こえないな、もっと大きな声で!」

 (ああぁん、お姉ちゃんに聞こえちゃう。)
 「いやぁあ、聞こえちゃう・・・彩香に・・きこえちゃう。」

 『彩香の、マ○コにチ○ポ嵌めて下さい!』
 『チ○ポほしいのォ・・チ○ポ、チ○ポ』
 『入れて、嵌めて、ぶちこんでぇ』

 「薫のま○こに、ち○ぽ嵌めてください!」
 「薫のマ○コにご主人様の硬いチ○ポ嵌めてぇ!」
 「チ○ポ、チ○ポ・・・ください。はめて・・・ぶちこんでぇ!・・薫ほしいのぉ。」
 「あううううう、いじわるしないでぇ!ごしゅじんさまぁ!はあっはあっ、」

 『ああああああ、ご主人さまぁ!彩香にも、ください、お姉ちゃんばかりイヤァ・・・
意地悪しないで・・・』

 秘裂を掻き毟りながら、彩香は廊下で空しくひとり言を呟いていた。自分がどんなにはしたなく、淫乱な女であるのか自覚させられ、目も眩むような焦燥感に襲われた。
 ドア1枚隔てただけで、こんなにも苦しい気持ちにさせられ、一人だけ放置されているような気さえした。
 飛び込んでいけばどんなに楽になれるだろう。
 義兄に虐められたいのは、義兄をいつのまにか愛してしまったのに違いない。最愛の姉の夫、小さい頃からの憧れだった姉、この先どう言う顔をして二人を見る事が出来るのか。
 (泊まりになんか来るんじゃなかった・・・知らなくて良い事を・・・胸の痛みに耐えて行けるの?・・・もう二度とお義兄さんに会わないで・・生きていけるの?・・だめっ
お義兄さんに逢えないなんて・・・隣で抱かれる姉を見せられて・・・)

 また胸の奥で、子宮でキュンと疼く。
 (いいの、私はそれでも。また、私は泊まりに来るわ。・・きっとその夜は、今日みたいな事になる。・・・・・・それを覗いて私は感じるの・・・見ながらオナニーしてイクの
きっと、そうするんだわ。)
 彩香は自分が倒錯的なマゾヒストだと感じたのだろう、その後続けられる二人の痴態を見る事に喜び、何度もイッた。



【あのときお姉ちゃん言っていた、どんなことが有っても信じてって。愛しているのはお義兄さんだけだって。】
【それからお姉ちゃん覚えている?課長に昇格が内定した時よ。】



「そうねぇ・・・じゃ、お義兄さんでも借りようかしら。1週間でいいわ。」
 「え?え?」
 私は冗談についていけずにいたのに妻は。
 「どうぞ。1週間と言わず一生面倒見てくれる??それなら貸すわよ。」
 「本当にいいの?借りたら返さないかもよ?」
 冗談が危険な方を、向きだしたので割って入ります。
 「おいおい二人とも冗談は止せよ。」
 その言葉に。
 「ププッ、アハハ」
 「うふふ、いやだあなた。」
 二人が同時に笑い出します、ひとしきり笑った後。
 「そう言うことが絶対無いとは、言い切れないけど・・・絶対返して貰うから・・・」
 驚くほど真剣な表情で妻が呟くのが聞こえました。思えばそれがあの事につながっていたのだと今ではわかります。



【で、その後お義兄さんにお姉ちゃんの浮気を相談されたの。後は知っての通りだよ、お姉ちゃんに、あの時の彩香が感じた焦燥をお仕置きにすることになったの。】
 彩香はペロッと舌を出し唇を舐めた。
 【すぐに許してもらえる筈だったの、でも、私妊娠していて・・お義兄さんか産んでも良いと言ってくれたから、甘えちゃって・・お姉さんにお返しする前にお義兄さんとの愛の結晶がどうしても欲しくて・・あの子がいればこの先一人でも耐えられる・・ごめんね。お姉ちゃんごめんね。】

【色々あったけど、約束通りお義兄さんをお返しします。】
『あ、彩香っ!』  姉妹は涙をボロボロ流しながら長い間抱き合っていました。
 思えば妻を責める資格は彩香を抱いた時に失っていたのです。
 確かに妻の裏切りは酷いものでした。
 結婚の経緯が経緯でしたから、私の心は傷み誰も信じられない状態でした。
 妻が時折話せない秘密を匂わすような意味深な事を言っていたのは、どうにかして秘密を伝えたい気持ちの表れだったのでしょう。
 伝えたいけど伝えた瞬間に壊れる夫婦の愛情と信頼に苦しみもがいていたのです。。
 そして義妹の彩香。
 義妹も道ならぬ義兄との愛の葛藤と憧れ慕う姉との狭間で苦しみ、もがいていました。
 特に5年間も姉を欺いて来た事を悩んでいました。
 その苦しみが5年の歳月を経てようやく解放されようとしています
 『彩香・・あなたはそれで良いの?』
 『私は・・・良いのよ彩香。・・あなたと晃一さん・・・夫を分け合っても。』
 【うん、お姉ちゃん、お義兄さんが言っていたわ。お姉ちゃんと私を一緒に嬲りたいって。その約束果たしてもらいましょうよ。これからずっと・・お義兄さんに二人で仕えましょう。】
 『そうね・・彩香、あなたが妻の時は私が奴隷妻、私が妻の時はあなたが奴隷妻になるのね。』
 姉妹は顔を見合って無言の会話をしています。
 おもむろに二人が服を脱ぎだし全裸で私の前に正座し土下座しました。
 彩香が、口火を切り
 【お義兄さん・・ご主人様、私達姉妹を同じように愛して下さい。そして一生奴隷として飼って下さい。】と話し始め。
『あなた・・・ご主人様。私達姉妹はご主人様の妻です。あなたとの大切な二人の子供を互いに同じように護り慈しみます。だから、あなたは私達に愛とご主人様からの性の悦びを与えて下さい。』
 と、妻が引き取り口上を述べました。
 姉妹は私にとってかけがえのない存在です。
 「薫、彩香・・酷い夫で済まない。でも、君達を彩とかおりを愛してる。本当だ。
どちらがどうのこうの誰がどうのこうのなんて言えない。平等に二人を愛しそして苛める、約束する。二人を離さない。」
 『あなた・・・ありがとう、ありがとう。』
 【お義兄さん・・あなた・・嬉しい】
 また二人は号泣してしまいました。
 こうして【妻の秘密・義妹の秘密】は【妻と・義妹と・私】の秘密になったのです。
 これから3人いや5人は世間では謗られる関係になります。が、誰よりも幸せを感じています。
 しかし・・・あと一人・・そう、真樹です。これから真樹はどう絡んでくるのか。
 これから、未だ全てが語られていない【真樹の秘密】が幕を開けようとしています。

第二部 (完)


クロウエア・エクサラダ【20

 久しぶりに見る夫が近づいてくる。
 まともに顔を見られない、私はいきなり抱きついた。
 こうすれば目を見なくて済む。まだ、夫の目を見られないから。
 『あなだ・・寂しかったわ・・』
 「なんだ?・・珍しいな。」
 夫が顔を覗き込もうとする。
 『ん、もう・・・あなたったら・・私と会えなくて寂しくなかったの?浮気してないでしょうねぇ?』
 自分の事は棚に上げてよく言うわ・・胸がチクリと痛んだが決めた事は押し通すつもり。
 「ばか・・してたら、会いになんか来ないだろう。・・・みっともないから離れろよ。」
 夫は周囲を見廻して言う。
 私と抱き合うのはみっともない事なの?・・喉までで掛かった言葉を飲み込み、夫の顔をまともに見ないように横に並んだ。
 部屋に着くなり、健一が私を抱きしめる。
 人目が無い所だから、欲情したらしい。
 健一の肩越しに、鏡に写る自分の顔と対面する。 鏡の中の私は、妖しく微笑んでいた。
 激しくキスをされ、乱暴にソファに押し倒される。
 服の上から胸を揉まれる。
 『ちょ。ちょっと待って、あなた。』
 夫の胸を押し体を剥がそうとした。なかなか離してくれない。スカートの中に手を差し伸べてくる。
 『待って!。トイレに行かせて、漏れちゃう。』
 漸く離れてくれた。
 トイレに駆け込み、小用をたす。壁際に置いてあるサニタリーボックスの中からアメリカ製マイルーラの箱を取りフィルムを出す。
 また、箱をサニタリーボックスの中のトイレクイックルの箱の中に隠す。その上にブルーレットの詰め替え用をさりげなく並べて置いた。
 こうすれば健一は気付かない。
 折りたたんだフィルムを膣に挿し込んだ。
 事前に何度か練習した。幸いな事にアメリカ製も日本製と大きさは同じだった。
 トイレから出て夫の下へ戻る。
 「長かったね。」
 『便器拭いていたから・・今朝掃除忘れたの。』
 夫がまた抱きついてくる。
 『いやだ・・あなた汗臭いわ。シャワー浴びてきて。』
 「え~、なぁ、もう我慢できないんだ、後でいいだろう?」
 『嫌よ、綺麗になって来るまで抱かれてあげない。』
 「判ったよ・・・一緒に入らないか?」
 『無理よ、狭いの。それに、私はもう浴びているから、あなただけ入って来て。』
 夫は渋々バスルームに消えた。
 夫のバックを空ける、あれ?下着が無い。
 替えの下着も持って来ない夫に呆れ、クローゼットの中の衣装ケースから真新しい下着を取り出す。
 一郎さんのために買った下着だが、サイズは変らないし、夫もトランクス派だから不審を招かないだろう。
 『ここへ下着を置いておきます。あなた・・ゆっくり入って疲れを取ってね。』
 冷蔵庫の中を確認する、簡単なものなら作れる食材は揃っている。食事に出るかどうか判らない。

 結構時間を掛けて健一はバスルームから戻ってきた。
 腰にバスタオルを巻いたまま、抱きついて来る。
 今度は余り抵抗しないで、夫を寝室へ誘う。
 『ねぇ・・本当に寂しかったんだから・・一杯可愛がって。』
 私もよく言うなぁ・・罪悪感を拭おうと、可愛い妻を演じる。
 今は夫に甘えるだけ甘えて見よう。夫の事も愛しているのは本当だから、やっぱり慣れ親しんだカラダは安心感を与えてくれる。
 夫の好きにさせよう・・どんな風に愛してくれるのかしら。
 期待で興奮していた。
 アソコも何もされてないのに濡れていた。
 『あなた・・・わたし・・あなたの子が欲しいの。避妊具付けなくていいよ。』
 「いいのか?当分欲しくないって言っていただろう?」
 『・・・離れていて判ったの。私やっぱりあなたの子が欲しい。』
 夫は嬉しそうに笑う。・・・あなたも、雄なのね。
 あっという間に服を剥ぎ取られ、全裸になった。
 生まれたままの裸体を明るい室内灯の下に曝け出す。
 恥ずかしさは、そんなに無い。
 夫がオッパイをチュウチュウ吸い出す。あぁ・・赤ちゃんみたい。
 乳首をレロレロ舌先で嬲られる。
 『あん・・あなた気持ちイイ。』
 演技じゃない、本当に気持ちが良い。
 夫は私の感じる所を知り尽くしている。急速に高まる快感に私も大胆になった、
 カラダをスルリと入れ替え夫の下半身に覆い被さる。
 ソフトクリームを舐めるようにペロペロする。
 おちん○んがヒクヒクして可愛い。
 久しぶりに見る夫自身。
 可愛いというのは言葉のアヤで、なんだか愛おしいから。
  サイズを気にするのは男の方で、女は余り気にしない。と私は思う。
 正直一郎さんのと比べても夫の方が大きい。
 女は愛情によってからだの造りが変る。
 だってそうじゃないと赤ちゃんは産めない。大きくも小さくもなる筈でしょう。
 『ねえ・・あなた・・来て。』


クロウエア・エクサラダ【19

 一郎の手が香織の腰を掴み引き寄せる。
 スルッと抵抗無く一郎のペニスが香織のオマ○コに飲み込まれて行く。
 『あぁあ』
 スッポリ嵌め込まれ亀頭の先端が、子宮口に当たった。
 香織は一声啼いて、上体をクネクネと折り手摺に凭れた。
 「ほら、シャンとしなさい。」
 一郎の掌が香織の尻を叩く。
 一郎は腰を振り突き込みながら、2度3度と香織のお尻を左右交互に叩いた。
 叩かれる度に香織の膣が一郎のペニスをキュッキュッと締め付ける。締め付けと同時に熱い液を亀頭に噴き溢す。
 その何とも言えない感触を味わいながら、一郎は奥へ奥へとペニスを突き入れ、子宮を抉る。
 柔らかい膣肉の、そこだけ硬い子宮口・・亀頭が壁に突き当たる。
 その壁を突き崩す勢いで激しく抽送をする。一郎の年の割には出ていない下腹部と香織の大きな尻が当たり、肉のぶつかる音が踊り場に響き渡る。
 押し付けられ乳房が手摺と摩擦する。香織は声を上げっぱなしになる。
 『あぅう、あぁん、アッアッ、ヒィ、あぅう、あぁん、ヒッぁあ、』
 グチュグチュブブブッと香織のオマ○コから、時折恥ずかしい、空気の漏れる音と共に淫液が滴り落ちる。一郎が挿入の角度を変えると恥ずかしい音が一層多くなる。。
 『あぁ、恥ずかしい・・聞かないで・・一郎さんやめて・・、恥ずかしい。』
 一郎の指が香織の背骨に沿って首から腰へと撫で擦る。
 激しい抽送のなかでもその擽ったさは意識の上に昇った。
 ソフトな刺激だが全身が紅潮し敏感になっている香織の肌には羽箒で擽られるように感じた。
 『はぁん・・イイ・・』
 香織は手摺を掴んだ手をギュッと握り締め、その刺激に耐える。
 『パン、パン、パン、パ・パパン、パ・パパン』
 一郎の抽送が、浅く1回、深く2回の1浅2深のリズムに変り、香織を追い込んで行く。
『あぁ・・あぁ・・あぁぁ』
 香織の息遣いも、 『ハァ、ハァ、ハァ』
 から、
『ハッ、ハッ、ハッ』と変り、あえぎ声も
『アッ、アッ、アッ』 と変って来ていた。
 一郎も腰に痺れを感じ睾丸も縮み上がって来ていた。
 射精が近い事を感じた一郎が香織に聞く。
 「どこに欲しい?」
 一郎は香織の意図を知らずに居た。膣内射精の要求も、興奮の余り口走ったに過ぎず本気だとは考えていなかった。いや中出ししても安全日だから要求したと思い込んでいた。
 その為、強烈な征服感、種の保存欲求が一郎を突き動かしていた、しかし最後の理性の欠片で再確認を行った。
 その確認は香織に一郎の思いやりを印象付けた。
 ここまで興奮した状態でも、自分の立場を気遣ってくれる。人妻への膣内射精を勝手にしない優しさを感じ幸福感に包まれた。
 『なかに・・あぁ・・だいじょうぶです・・なかに・・』
 小さな声の呟き・・しっかり一郎には聞こえた。
 一郎は無意識に尻の穴を締めた。縮み上がった睾丸から、尿道を奔り鈴口を飛び出す熱い滾りを、開放感と痺れるような快感と共に感じた。
 ドクッ、ドクッ、ドクッと言う音が聞こえた気がする、実際には3度に渡り軽い痙攣を伴う射精だった。
 『あっ、ぁぁ』」
 香織は子宮に一郎の熱い迸りを感じ一声だけ啼いた。
 間を置いて2度3度と浴びせられた一郎の精液を子宮で感じた時には、ポロポロ涙を流すだけだった。
 その涙に気付いた一郎は、香織の涙が愛した男のモノになった悦びの涙なのか、愛する夫を裏切った後悔の涙なのか、判断付かず、ただ一度だけギュッと抱きしめて、そっと、香織のカラダを横たえるだけだった。
 香織は一郎が一言も話さないことに感謝していた。
 ドラマなどで、女性に「すまない。」とか「ゴメン」とか「有難う」と、男が声をかけるシーンがあるが、人妻の自分にとって、自分で決めた事とは言え、現実に起こった問題で、
 瞬間頭の中が真っ白になり、そして混乱が襲い掛かっていたのだった。
 本能が感じる部分では現実を受け入れ、悦びに震える自分が居た。しかし、理性の部分では、強烈な罪悪感に押し潰されまいと「これは夢なの」、と、思いたがる自分が居た。
 こんな混乱した時に男に声を掛けられても煩わしいだけで、一人にして欲しいと思うのに、ドラマは所詮作り物ね。なぜかそんなくだらない思いも頭に浮かぶ。
 『あっ』
 膣から毀れる一郎の精液を内股に感じた。
 香織はゆっくりとカラダを起こし、バックから新しいショーツとティシュペーパーを取り出し、ショーツのクロッチ部分に折り畳んだペーパーを重ね穿いた。
 身繕いを済ませ、一郎の方を振り向く。

 一郎に近づき、背の高い一郎の首に手を掛け、下から唇に軽くキスし離れた。
 『おやすみなさい』
 香織はそのまま踊り場の階段を降りていった。
 香織は一刻も早く自分の部屋に戻りたかった。
 軽くシャワーを浴びただけで、ベッドに横になった。
 
 翌朝、昼近くに起きだした香織は、グランドハイアット福岡にあるペストリーブティックで昨日買って置いたキッシュを温め、カフェオレを飲みキッシュを食べ簡単に朝食を済ませた。
 部屋の掃除に取り掛かる、昨夜脱ぎ散らかした服をハンガーに掛けブラシする、一郎が訪れなかった部屋は一人暮らしの気安さか、幾分散らかっている。
 雑誌を片付け、掃除機を掛けた。
 ベランダから一郎にプレゼントされた鉢植えを持って中に入り、水をやった後、そのまま日当たりの良い場所に置いた。
 『あっ』
 昨夜のな残り・・一郎の精液がドロッと溢れ、あてていたナプキンを汚したのだった。
 夕べ直ぐに横になったのは、一郎の種をなるべく長くカラダに留めたかったからだ。
 あの時流れ出た精液を、無くしたくなくてそそくさと身繕いし別れた。
 流れ出る前の混乱していた頭に、冷や水を浴びせたほどの衝撃だった。
 一郎さんの貴重な精液・・・そう思ってしまい、とっさに取った行動だった。
 今も、良かったのか悪かったのか考えている。気持ちが定まらないまま、部屋の掃除をしていた。
 ナプキンを取替え、ビニールに入れ、ゴミ箱ではなくごみ袋に捨てた、
 ビニールに入れる時、独特な匂いが鼻腔を衝く。栗の花の匂いと雑誌に書いてあったりするが、香織は栗の花そのものの匂いを嗅いだことが無かったので、これが一郎の匂いだと思っていた。
 顔に掛けられたり、飲まされもしたが、今日の匂いはちょっぴり違うと感じた。
かすかに、ほんの微かに自分の匂いがした。
 それがまた、自分の膣中に有った事を実感させる。気が付いたらビニールを抱き締めていた。誰も見ていないのに恥ずかしくなり、ゴミ袋の底に捨てた。
 夫の健一は全然気付かないだろう。ゴミ箱は気にしても、ゴミ袋まで気にするとは思えない。余程疑っていなければ、男なんてそんな物だと思う。
 ヘアーサロンから帰ってきても、買った洋服をその場で取替えて帰っても健一は気付かなかった事がある。
 これが夫婦なのだろう・・・夫のために・・言い過ぎかもしれないが・・綺麗になろうと努力しても健一は気付かない。
 多分夫はもう何があっても私を自分の物だと思い、独身の頃のような関心を持っていないのだ。
 だからと言って健一が私を愛していないとは言えない、結婚して何年も経つと、妻は家族になるのだろう、女ではなく妻・・家族として愛してくれる。
 そして時折、女として見た時に抱く。そう言う事なのだ。
 だから、女として見てくれる一郎に惹かれ、愛したのだと思った。
 一郎も自分と結婚したら健一のようになるのだろう。
 だったら・・・何時までも愛して欲しいから、今の関係を続けたい。
 一郎の子が欲しいと思ったのは一時の気の迷いじゃない。やっぱり愛した人の子が欲しいのだ、同時に夫も変らずに愛している。
 一郎の子を産んでも夫とは別れたくない、添い遂げる積もり・・・一生掛けて夫には償う、生活を共にするのは夫しか考えられない、でも、恋人は一郎だけ。
 これが不倫という物なのかしら。同時に二人の男を愛した人妻・・夫の前では清楚で貞淑な妻でいる。彼の前でだけ思いっきり乱れる・・・不倫している妻たちは、皆そうなのかもしれない。
 決めると女はキッパリ行動出来る。
 3時になり、お風呂を沸かし、体を清める。カラダから一郎の匂いを消し、全身を鏡に写してチェックする。
 キスマーク・・無し・・・手の跡・・無し・・お尻・・少し赤い・・これ位なら大丈夫・・最後にもう一度入念に膣の中を洗浄する。・・ちょっと残念だけど仕方がない。
 半日以上子宮に留まっていたから充分だろう。
 お気に入りの服に着替え部屋を後にした。
 タクシーで福岡空港に向かう。到着ゲートで健一が出て来るのを待つ。


【妻の秘密・義妹の秘密2】(12)

 「二人ともそこまでにしておけ。」
 晃一が二人の話に割って入った。
 「薫・・・そこの物を取ってくれ。」
 晃一が指差したのは黄色いキャップのチューブだった。
 ラミネート製ではない硬質の感触があった。表面にはキシロカインゼリー、医療用局所麻酔薬だった。使い方の例としては尿道へのバルーン挿入時、鼻腔から胃へのチューブ挿管や座薬の挿入時に使う。これは晃一が受けた医療処置で実体験である。
 ただ今は尿道へのバルーン挿入にキシロカインゼリーを使わない医療機関が多いらしい、只の潤滑ゼリーで充分だそうだ。
晃一が胃潰瘍で入院した時に、胃に溜まる内容物・・主に胃液だろうが、その除去の為鼻から食道を経て胃に達する透明なチューブ・名称は良く判らないが、カテーテルとかいうものだろうか、挿入される時にガーゼの上にゼリーを盛り、カテーテルにまぶしながら入れられた。
 非常に苦しく痛い処置だった記憶が甦る。もしかしたら胃カメラにも使われるのかもしれない。
 座薬は、高熱を発し、氷嚢等でも下がらない熱を下げる為使用された。要するに肛門に挿入する物だ。これもガーゼにゼリーを盛り使う。
 ついでに、何故高熱が出たかと言うと、胃潰瘍で十二指腸との境に潰瘍が何度か出来て、治癒した跡が残る。これが狭い門となり胃から腸への道を塞ぐようになり、胃下垂も起こしていた。口からものを食べても胃に溜まり腸へは行かない状態・・これを解消する為絶食処置で胃の内容物を取り除き少しづつ胃の大きさを小さくする・・処置の一環で、絶食なので代わりにブドウ糖の点滴が必要になる。
 ところが、腕の血管はこの処置には細く高カロリーの輸液を入れることが出来ない。
 で、登場するのがIVHと言う方法。心臓に近い首や鎖骨の下にある中心静脈を利用する方法で高カロリーの栄養補給をする。この輸液だけで生きて行ける物だそうだ。
 しかし、同時に動脈も近くにあるので処置は医師しか行えないそして、挿入した後の管理に気を使う方法でもある。実際にここから菌が入ったのか高熱を発した訳で、座薬のお世話になる切っ掛けにもなった。お陰でキシロカインゼリーが肛門の痛みを抑えるのに使うという貴重な実例の体験者になった。(余談ここまで)

 「それも一緒に。」
 晃一が指示したのはローションのビンだった。
 薫は晃一の指示が何を意味するのか理解し、哀しげに目を伏せた。
 後ろ向きの真樹には晃一が何を求めて薫に指示したのか気付いていない。
 疼痛が肛門を今だ襲っているからだった。
 押し込もうとしている晃一の亀頭が真樹のアナルから離れた。
 ホッと息を付く真樹。
 『ひゃ・・な、なに?』
 キシロカインゼリーとローションが混ざった手製の潤滑剤の冷たい感触だった。
 ほんの少し、指の腹に乗るくらいの量、
 そのまま、指の腹で肛門の括約筋を解すような動きを見せる。
 ゆっくり円を描くように、肛門の淵にぴったり付け動かしている。
 5、6回指を廻すとまた少しローションを掬い真樹の肛門に塗る。晃一は何度もそれを繰り返す。
 括約筋は硬いままだった。それも計算の内だった。
 いくら肛門を解すと言っても、官能小説のように直ぐに解れるわけではない。
 肛門の括約筋は内肛門括約筋とそれを包むように取り巻いている外肛門括約筋とで構成されている。括約筋は環状の筋肉の事だ。
 脊髄神経に繋がっている外肛門括約筋は比較的容易に自分の意思で締めたり拡げたりすることができる。自律神経に繋がっている内肛門括約筋は簡単には行かない。
 指の腹で解すのは実はこの外肛門括約筋の事で指を挿入してからが内肛門括約筋に対する拡張訓練と言える。
 女性のカラダは、肛門括約筋と膣括約筋、尿道括約筋が繋がっている。その特徴を理解して慎重に物事を推し進めなければならない。
 乱暴に扱ったり、無知蒙昧な輩の無理解で環状の括約筋に裂傷を負い、人工肛門のお世話になる女性が居なければ良いが。
 ただし、それらを充分理解し、限界を知る者の手で開発されれば、新たな快楽が女性を虜にしてしまうだろう。
 晃一はインターネットで得た知識を駆使し、真樹の肛門をアナルセックスが可能なようにしようとしている。
 キシロカインは皮膚の表面より粘膜から吸収されやすい、つまり麻酔が効く。晃一はキシロカインゼリーの量を先程より少しだけ多めに指に塗り、肛門に挿した。そして腸腸壁越しに内肛門括約筋に浸透しやすいように指を捻って満遍なく塗りつけた。
 ただその量は加減している、大量に使えば良いと言う物ではない。局所麻酔とは言え間違えば呼吸困難を引き起こす事にもなりかねない。酸素吸入装置や蘇生器具が無い所で素人が安易に使う物ではない。アダルトショップでアナルセックス用に平気で売られていると聞くがやめた方が良い、昔付き合っていた看護婦今は看護師か・・に寝物語に聞いた事である。でもアダルトショップには流石にボスミンは無いだろうなぁ。
 少し間を置いてローションをタップリ指に付け、真樹の肛門に挿していく。
 そしてまた満遍なく直腸壁に塗りつける、第一関節、第二関節少しづつ深く差し入れゆっくり引き出す。この繰り返しを何度も何度も行う。
 『ぅぁあ・・』
 真樹の声色が少し変わった。
 指を引き抜く時にカギ型に少し曲げ引っ掻く様にしてから明らかに変わった。
 それまでの受け入れ難いものを我慢する時の声から、声に甘い響きが混じる。
 押し込むときよりも引き抜かれる時の方が声が大きい。
 『クゥぅ・・あん・・』
 晃一の顔が綻ぶ、しかし指の動きは変らない。掬っては塗り、掻き回し引き抜く。やがて指の根元まで真樹の肛門は晃一の指を飲み込んでいた。
 その状態になって初めて、晃一は二本目の指をアナルにあてた。そしてまた最初に戻り少しずつ肛門の拡張を図る。
 二本飲み込んだところで、小さなアナルプラグで真樹の肛門に栓をした。
 「初日はこんな物だろう。・・」
 真樹の肛門から引き抜いた指を少し空ろな目をした真樹に見せる。
 『いやぁ・・みないで・・汚いわ・・見せないで』
 綺麗に処置していない肛門に挿した指には、真樹の恥ずかしい汚物が少し付いていた。
 『お願いです・・恥ずかしい。』
 晃一は薫に始末を命じる。
 濡れたタオルで丁寧に綺麗にしていく。直ぐに綺麗になった,だが薫は辞めようとしない。
 その晃一の指に、そっと口付けした薫を晃一は黙って見詰めていた。
 「舐めたいのか?」
 『はい、ご主人様。』
 薫の目が潤んだ。
 「よし、舐めて良いぞ。だが、その前にこっちへ来い。」
 一瞬怯んだ薫は晃一の傍らに佇んだ。
 晃一は薫の腰に手を廻し真樹の正面に誘う。
 腰へ廻した手はそのままに反対の手で薫の頤を上へ向ける。
 薫が気が付いた時、晃一の顔が上を向いた自分の顔に覆い被さるのを感じた。
 『あぁぁ・・ご主人様ぁ』
 優しいキス、ここ何年も晃一にキスされた記憶はない。
 薫の目尻から涙が滲んでいる。それを下から真樹が見ている。
 晃一の唇が薫の唇から少し離れた。
 『あぁ・・嬉しい・・ご主人様ぁ・・』
 「あなたと呼びなさい。お前は私の妻だ。今日まで苦労かけたな。」
 『え?・・あ、あなた?・・』
 「ああ」
 『あなた・・あなた・・・あなた・・・あなたぁ・・あなた!』
 晃一がまた口づけをする。
 晃一の唾液が流し込まれる。
 薫は水を欲しがる砂漠の旅人のように貪り飲む。
 きつく抱きしめられていた。薫もおずおずと晃一を抱きしめる。潰れた乳房が心地良い。
 まるで彩を出産して、ベッドから離れられた日の晃一の仕種だった。
 あの時も抱きしめられて優しいキスを交わした。ベッドでは赤ちゃんが広げた両手を必死に振り、抱き合う二人を見えない目で見上げていた。
 「薫への罰は終わりだ。もう二度と裏切るなよ。」
 『あ、あなた・・ごめんなさい。二度と裏切りません。愛しているのはあなただけです。ごめんなさい、ごめんなさい。あなたぁ・・』
 この5年間針の筵の上で生活している毎日だった。
 夫の冷たい眼が心に突き刺さった。もう二度と夫に優しく口付けされる事は無いと覚悟していた。こんな日が来るとは夢にも思わなかった。
 ただ夫・・ご主人様の傍に居られるだけで幸せだと思っていた。
 やっぱり違う。夫を「あなた」と呼べる幸せ。この5年間が無ければ気付かなかったかも知れない。
 薫と晃一はしっかり抱き合い、お互いの存在を確かめ合っていた。


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プロフィール

HIRO(S)

Author:HIRO(S)
HN:HIRO(S)
年齢:秘密
性別:秘密
地域:関東地方
動機:gooで削除されたので。
一応フィクションとしてますが、ナイショ
写真は・・・・いけないんだぁ

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