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回想録 ~二人の玲子~ 37

 【・・・綾子・・・お前にも判るよな。・・この先生が・・辛い過去を話してくれた訳を。先生はお前を許してやれと仰ってくれたんだ。・・・責めても元へ戻らないものはどうしようもない。責めれば責めるほど追い詰めてしまう。綾子も同じ様にならないように、赦してやれと・・・】
 『あなた・・・ごめんなさい。・・・本当に・・ごめんなさい。・・・肉欲に負けて・・不貞を重ねた私を赦して下さい。・・・一生掛かってもあなたに償わせて下さい。ごめんなさい・・あなた。』
 綾子は目を真っ赤に腫らし、杉本に縋り付く。
 杉本は振り払うでもなく、抱きしめるでもなく、ただ抱き付かれるままになったいた。
 【・・・綾子・・・俺も赦してやりたいと思った、だけど一つだけ気になる事がある。それに答えてくれ、その答えで納得が出来るかどうかが決まりそうな気がする。】
 杉本がじっと綾子の目を見て言います。
 『・・・はい・・なんでも答えます。あなたに隠し事ばかりの私でしたが、今は何でも答えます。』
 【そうか・・・・綾子・・お前・・・田中の事を愛しているのか?・・俺をもう愛していないのか?怒らないから正直に答えてくれ。愛していないのなら、離婚したいのならそれでもしょうがないと思っている。】
 この答えによって、杉本は今後の自分の取る態度を決めようと思っています。
 それでも内心、ビクビクしながら聞いてるのだと、傍からも窺えます。
 『・・・田中さんを愛しています。』
 杉本は目の前が真っ暗になりました。昨夜、怒りに任せ妻を責めたのも自分に気持ちが残っているだろうと、何とか繋ぎ止めたくて、また嫉妬に駆られ責めたのに、それが無駄だったと思い知らされたのです。
 『愛していると思い込んでいました。・・・あなたへの罪悪感・・に押し潰されそうになった時、甘い言葉で巧みに再婚を示唆され、もう、私には後戻りの出来ない道しかないと思い込んでしまいました。あなたに告白すればきっと捨てられると思いました。・・・こんな汚れたカラダであなたに愛していると告げても、あなたにはかえって迷惑だと思ってしまいました。・・・罪深い事をした、なんて淫らな身体になってしまったと、思うたびに、逆に快感が増してしまうのです。背徳の快感が私をおかしくするのです。』
 『もう止めよう、これっきりにしようと、足掻いても結局身体の疼きに負けてしまう自分に嫌気がさして、こんな私はあなたに相応しくない、あなたに縋るには汚れきっている。あなたに愛される、あなたを愛する資格がないと諦めて、田中さんの言うとおりになるしかないと、思い定めていました。』
 『・・・あなたには黙っていようと思いましたが、あなたに何もかもお話します。』
 『あなたにばれる前に研修で伊豆に行った時です。・・・・二人で露天風呂に入り、そこで・・・・あなたを貶める、罵倒するような事を言ってしまいました。興奮し、快楽に負け、とんでもない事を口走ってしまいました。・・あなたが聞けば・・・決定的に嫌われることをです。』


回想録 ~二人の玲子~ 36

 『美穂・・・可愛い美穂・・・お母さん・・若しかしたら、あなたの弟か妹・・・お父さん違いの・・・赤ちゃん出来たかも知れないの。・・園長先生ずっと美穂が生まれた場所にぬるぬるした白い液を出したの、何度も何度も、もう止めてって言っても止めてくれなかった。・・・出される度に・・美穂とお父さんが少しずつお母さんから離れてしまうようで、嫌だった。・・白い液体がお母さんを浸していくの、園長先生の色に・・』

 『美穂・・美穂にだけ教えるね。・・お父さんに見つかって、お仕置きされてる時に・・赤ちゃん居なくなっちゃった。・・・お父さんには絶対言っちゃダメよ。お父さん凄く悲しむわ。お母さんのお腹に赤ちゃんが居た事知らないの。・・・美穂・・お母さん、美穂と赤ちゃん二人も死なせてしまった。・・・ごめんね・・ごめんね・・直ぐにお母さんも行くからね。』

 心療内科、精神科・・色々通ったが一向に妻の状態は良くならなかった。
 罪の意識が深くて、どうしようもない状態、危険な状態を数週間、数ヶ月も彷徨った。
 そしてついに、美穂の命日の日妻は自ら命を絶った。

 私の回想が終わった時、それを声に出していた事に初めて気付いた。
 玲子が、杉本が、綾子が目に涙を浮かべ私を痛いほど見詰めている。ただ一人うな垂れたまま床を見詰めていたのが田中だ。

 「ごめん・・・君たちに関係の無い話を呟いていたようだね。」
 『そんなことない。・・先生の悲しい過去・・初めて知りました。お二人が亡くなった事は聞いていましたが・・・深い事情があったんですね・・・・』


回想録 ~二人の玲子~ 35

娘の美穂の事故が知らされたのは、夕方だった。
 病院に駆けつけると、既に暗い地下の霊安室に安置されていた。
 娘に縋って泣き叫ぶ妻と呆然と立ち竦む私が居た。
 『みほ!・・ごめんね。ごめんね・・・あなたの傍に居なかったお母さんを許して。』
 娘の体を揺さぶり、
 『ねえ、美穂起きなさい・・死んだ振りなんかしないで、お母さんが悪かったわ、あなたを放っておいて、謝るから起きて・・ねえ美穂・・・ぅぅぅぅうう』
 
 葬儀のあと、妻は抜け殻のようになった。何事にも無関心で仏壇の前で娘の写真に向かって話しかけるだけだった。
 『ねえ美穂・・・新しい幼稚園でお友達で来た?・・ごめんね、前の幼稚園に一杯お友達が居たのに、お母さんが・・あんなこと。・・・美穂寂しかったのね。幼稚園から帰って来てもお母さんもお父さんも居ないから・・・道路に出ちゃったのよね。・・お母さんが美穂の隣に居たら・・・許しって。』
 段々妻の話しかけが変わります。
 『あのね・・美穂。お母さん・・オイタしたからお父さんにお仕置きされてたの。だから遅くなって・・美穂に会えなかった。』
 
 『おかあさん、前の幼稚園の園長嫌い・・・お母さんを脅して・・イヤらしい事されたの。・・・お父さんに見つかって、一杯謝ったけど、お父さんに許して貰えなかったの。美穂も大きくなってお嫁さんになったら、絶対旦那さんを裏切るような事しちゃダメよ。』
 
『美穂の事もお父さんの事もすっごく愛しているのに・・・どうして・・悲しい事ばかり起きるのかなぁ・・・みほ・・やっぱり、お母さんが悪いのかな・・お母さんが悪いことしたから・・・罰が当たったのかなぁ・・』
 
 『・・・・あのね・・みほ・・本当にお母さん、悪いお母さんだった、・・嫌だ嫌だと思っても・・・園長にイヤらしい事されて・・感じてしまった。・・気持ち良くて・・・呼び出されると、拒否できなかった。・・・お父さんに悪いと思いながら・・園長のおちん○んを見せられると・・お腹の下の方がキュンとなって・・・一杯お汁を出して・・お胸を揉まれると・・乳首が硬くなって・・・乳房も張って・・お口で銜えてしまうの。』

 『美穂が生まれてきた所におちん○んが何度も入って来た。お母さん・・気持ちよくて叫んじゃった、・・・園長先生、いっぱい頂戴、・・玲子のおま○こ一杯突いて下さい・・ダメだよね、お父さんが居るのにこんな事叫んじゃ。』

 『お母さんどうして良いか判らなかった。・・・美穂とお父さんに申し訳ないと思いながら・・呼び出されるのを待っているの。・・・今日はどんな事をするの?今日はどこでするの?・・・』


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