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【明日晴れるかな?】(24)

 1週間後、真由美はまだ女の家に居ます。
 女は部屋を真由美に明け渡した様な格好です。
 真由美は銀行に出社せず、この部屋に滞在しています。常務は毎日顔を出しますがこの部屋の持ち主の女はずっと不在です。
 真由美はその事を、常務に尋ねたりはしませんでした。
 真由美の関心は、今日はどのようにして自分を抱くのか?どんな格好で?どんな体位で?道具を使うのかしら?等と、すっかり抱かれる事が前提になった思考でした。
 そのように考える自分がおかしいとか、恥ずかしいなどとは思っていないのです、より深く、より強い刺激を求めているだけでした。

 【明日から銀行に出社しなさい。流石に親類の不幸と言う言い訳も、これ以上は難しい。】

 常務は別段困った様子もなく真由美に告げました。
 いえ、むしろ真由美の方がその言葉に戸惑ったようです。
 
 『ご主人様・・・真由美に飽きられたのですか? 』
 オドオドした態度です。

 ここに連れてこられる前の真由美と同一人物とは思えません。
 常務の一挙手一投足に神経を尖らせて、その意を汲もうと勤めた結果なのでしょう、今の真由美からは常務に依存する心しか感じられませんでした。

 【明日を楽しみにしていなさい。きっとお前も満足した日になる筈だ。】
 真由美は不安に思いながらも

 『ありがとうございます。』

 と、返事するだけでした。
 真由美の内心は、常務が何かを仕掛ける不安に慄いていましたが、逆らう気力も勇気もありません。唯々諾々と従うだけでした。

 1週間ぶりに会う行員は、普段とまったく変わりのない様子でした。
 安堵のため息を漏らす真由美です。唯一の心配はユリ先輩に会うことでした。
 この日ユリは出社していませんでした。普段の彼女ならとっくに出社している時間です。
 真由美はユリの事情を了知しないまま会わずに済むことでほっと胸を撫で下ろしたのでした。 



 『あっ・・・くぅ・・・あぁ・・・』

 部屋に真由美の呻き声が響きます。
 四肢を緊縛され、応接椅子に転がされている真由美は、股間から全身を襲う快感に身悶えています。
 真由美の股間を覗くと、そこから黒光りする棒が生えていました。
 表面は無数の瘤が犇めきあい異様な様相を呈しています。
 その大きさの比較は真由美には出来ませんでしたが、経験豊富な女性には物足りない程度のごく普通のモノです。
 ここ数日、必ず常務にバイブで嬲られている真由美には十分過ぎるモノでした。
 『あっあ~~いい。ご主人様・・・ごしゅじん・さ・ま。』

 『うっ・・ゲェ・・・ウッ・・』
 トイレに駆け込んで女性が食べた物を吐いています。
 ここ数日その女性には、度々吐き気が襲って来るようになっていたのです。
 『うぅっ・・・気持ち・・・悪い。』
 なかなかトイレから戻らない女性を、男性は気遣い声を掛けています。
 【大丈夫かユリ・・・ユリねえ。】
 真一が声を掛けます。
 (あなた・・・真一さん。)
 ユリはトイレのサニタリーボックスから体温計の様なものを取り出しました。
 (まさか・・・そんな筈は・・・)
 不安は的中してしまいました。
 妊娠検査薬は陽性を示しています。
 つまり、検査薬「check one」の判定窓に赤紫色の縦ラインが見えるのです。

 器具メーカーの説明文によれば、

 【女性の体は、妊娠すると、おなかの中の赤ちゃんを育てようとする機能が働きだします。その変化の一つとしてhCG(human Chorionic Gonadotropin: ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)という名前のホルモンが、胎盤(おなかの中の赤ちゃんとお母さんの間で栄養分などを通すパイプ役)でつくられ始めます。
このhCGは普通、着床(受精卵が子宮の壁の中に取り込まれる現象)してから初めて体の中でつくられ、生理予定日(妊娠4週目)頃から尿の中に出てきます(左図)。
更にhCGは妊娠2カ月から3カ月くらいにかけてたくさんつくられ、出産するまで出続け、妊娠の状態を維持しています。普通は妊娠していなければ、hCGは尿の中には出てきません。】
(どうしよう。・・・・まさか、まさか。)
 ユリは妊娠初期の4週から6週の時期だったようです。
 こうなる事を一番恐れていたにも関らず、具体的な対策を何一つしてこなかった結果です。
 いいえ、一つだけは本能で実行していました。
 ユリは夫との性交を拒まなくなり、セックスレスを解消していました。そして、中で射精するように導いていました。
 ユリの女の保身・・・安全策だったのです。
 常務は避妊に気を使う事は有りませんでした。
 一応はユリの生理の周期を確認はするのですが、毎回と言う訳では有りません。
 ゴムアレルギーを理由に、コンドームを使用しないのです。危ない時にはさすがに外へ出しますが、それ程気を遣う事が無いのです。女性の方で気を付けるべきだ、と思っているのです。
 それならピルを服用する様に勧めるのでしょうが、ピルは母体に悪い、と偏屈な事を言い、服用を禁止していたのです。
 恐れていた事が現実になりました。
 ユリの女の本能は危険信号を発しています。
 真一の子種ではない様な気がしているのです。
 生物としての強さ、種の保存能力、精子の勢い。どれを取っても夫は常務の足許にも及ばない様な気がします。
 常務の精子には例え後からでも、夫の精子を駆逐してしまう強さが備わっているように思えます。
 何時までもトイレに入っている訳にも行きません。
 意を決して、外へ出ました。
 ユリは目を伏せ、真一に向かってか細い声で呟きます。

 『・・・陽性・・・でした。』

 手放しで喜ばない妻を訝しく思いながらも、仕事が面白い時期だから仕方が無いのかな。と思う真一でした。

 【やったね、ユリ。】

 『まだ・・・確定じゃないわ。お医者様の見立てじゃないの。』

 【確定に決まっているさ。その悪阻だもん。】

 夫が喜びの声を上げる度にユリの心は沈んで行きました。
 何とか気取られないように出社の準備をするユリに、真一は言います。

 【ねえ、今日は休んで医者に行ったら?】

 『ええ、取り敢えず午前中の会議はどうしても外せないから、その後で頼んで見るわ。多分午後は大丈夫だと思うの。』
 
 常務の部屋のドアが目の前に有ります。
 このドアを開けると、ユリの運命が決まる。そう思うと手が震え、動きが鈍ります。
コン・コン。
 運命の扉が開こうとしていました。


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