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【ドルチェ・アマービレ】(11)

 『教授、綾歌の事なんですけど、彼女少し赤面症の気が有りそうなんです。ピアノは聴衆に正対しなくても済みますが、歌はそうは行きません。何か良い方法が有りますか?』
 確かに正面から見つめられると、顔が赤くなる事がある。
 【綾歌君は大丈夫です。彼女は人一倍練習し、赤面症を克服しています。自信が付くと実力を発揮するんです。練習が始まったばかりの時期には練習不足を気にして、上がってしまったり顔が赤くなったりしますが、それは当たり前の事だと、認識するよう働きかけるのです。
 つまり、赤面する事は綾歌君にとって極自然な事であると自覚する所から、始めればいい。
 赤面症は顔が赤くなる事自体がその人に影響を及ぼすのではなく、「紅くなったらどうしよう。」「顔が赤い事を指摘されるのではないか。」と言う、観念に囚われて自縄自縛に陥る事が、益々紅くなってしまう原因なのです。】
 『と言う事は、綾歌がそのことに対して、肯定し思考法を変えるだけで克服出来るのですね?』
 玲子は自分にない綾歌の悩みを判ってやることが出来ず、「頑張りなさい。」とか、治す事ばかり考えて、綾歌に無理強いしていた事を気付かされた。
 【誰しも、大人数の前に立てば上がります。ミスすれば顔が赤くなります。それが精神的に強迫観念となり、紅くなったらどうしよう、皆の前に立つと必ず赤くなる。と思い込みどんどん悪循環に陥るのです。良いじゃないですか、上がっても、良いじゃないですか顔が赤くなっても。それは綾歌君の初々しさを象徴する出来事です。】

 『教授、具体的にはどうすれば・・・』
 【何もしない事。それも一つの手です。でも玲子君は納得しないようですね。では、聴衆の前に立つ事は赤くなる事だと玲子君が身をもって教えなさい。そうですね・・・玲子君はミニスカートを穿きますか?】
 『穿きますけど、それが何か?』
 【では、いつもミニスカートで過ごしてください。但しショーツは禁止します。】
 『え、エッ?』
 【恥ずかしい格好で人前に出ると何もしなくても、恥ずかしくって顔が赤くなるでしょう?だが、徐々にその恥ずかしさが快感に変わる。赤くなることが快感に繋がれば克服できた事でしょう?】
 『教授、途中から論点がすり替わっているように思えるのですが?』
 【流石です玲子君、今の欺瞞に気が付きましたか。・・・そうです、赤面症と露出による快感は何の繋がりも意味もありません。ただ、綾歌君がその欺瞞に気が付かなくて実行しブラシーボ効果で克服出来たらめっけもん。その程度の対処法です。綾歌君は、まだまだ世間知らずの初心な女の子です。世間の欺瞞、大人の欺瞞に慣れ、自分の判断を磨き自分で対処出来るように訓練しなければなりません。あえて、やらせるのです。】
 『教授は悪者になるお積りなんですね。・・・そんなに綾歌が可愛いの?』
 【ええ、可愛いですよ。6年前の玲子君もね。】
 『今は・・可愛くないんですか?』
 【おやおや、玲子君しばらく逢わないうちに、嫉妬深くなりましたね。折角プロになった時に、玲子君を私の馘から解放したのに、また依存したいのですか?】
 『だって教授・・・一人で生きて行くのって、大変なんです。何もかも自分で決め行動する。結果責任は自分です。・・・判っています、教授に躾けられた通り、自分で考えて良かれと思う事を、迷わず行動していると思います。でも時々、この道で良いのだろうか?別の道が身近に見えると不安になるんです。
 そんな時傍に誰かが居て欲しい。自分が尊敬できる方、愛した方、いえ、今でも愛している方に、傍に居て欲しいのです。叶わない事は判っているのに、求めてしまうのです。証が欲しい、愛されている証が。』
 玲子がこの山荘に来てから初めて見せる涙。
 だがシュトレーゼマンは気が付かない振りをして言う。
 【困りましたね。玲子君の心を捉えて離さない人に私から一言言わないといけませんね。】
 『教授・・本当にその方の事判りません?』
 【あった事が有りますか私が?】
 『ああ、もう。・・・・忘れていました教授がどういう人だったか。』
 【私が?ですか。】
 『そうです、この鈍感!』
 玲子は泣き笑いの体で、教授の胸をポンポン叩く。

 『綾歌・・・あなたにピッタリの訓練方法を見つけたわ。やってみる気有る?』
 玲子は不敵に笑う。
 「あがり症や赤面症が治りますか?」
 『ええ、教授が仰っていたから、大丈夫よ。』
 綾歌は、教授が言う事ならと、話を聞くことにした。
 『いい綾歌。あがり症も赤面症も、人に見られる事が気になるからなの。逆療法で見られる事に快感を覚えるように訓練すれば大丈夫よ。』
 「判りましたどうすればいいのですか?」
 『綾歌はミニスカートを持っている?持っていたらしばらくそれを穿いて過ごしなさい。そして、これが一番重要なんだけど・・・ショーツは付けないで。』
 「え~無理ですぅ。恥ずかしい・・・見られたら恥ずかしくってもう歩けない。それに千夏先輩や教授に見られたら・・嫌ぁ~」
 『あら、あなただけがその恰好じゃないわ。私も同じ事をするから。恥ずかしいのは同じでも、一人より二人なら出来るわよね。』
 「う・・・うん。判りました、玲子さんがするなら。」
 玲子はしてやったりと言う顔を隠し、その場で穿いていたショーツを脱いで見せた。
 綾歌は、モジモジして躊躇っていたが、辺りを見回し誰も居ないことを確認すると、思い切ってショーツを脱いだ。
 そこへ千夏が入って来た。
 一拍遅ければ脱いでいる所を見られた。そう思うと綾歌は顔が真っ赤になる。
 [綾歌くん、顔が赤いけどどうしたの?]
 「なんでも有りません。先輩何か用ですか?」
 千夏は今朝の事を尋ねにきた。
 [あのね、今朝僕を起こしてくれたのは綾歌くんかな?]
 ますます顔を赤くして綾歌は答える。
 「私かも・・・玲子さんも居ました。」
 玲子は、あら?上手く逃げたわね。と言う目で綾歌を見た後、千夏に言う。
 『千夏も男の子ね。おちん○ん朝勃ちして居たわよ。綾歌も喜んじゃって、悪戯しようとしたから止めたわ。』
 「嘘ですぅ! そ、そんなことしません。あんなに大きいの・あっ」
 『あらしっかり見てい居たじゃないの。』
 [で、二人とも、どうしてノーパンな訳?]
 「え?」 『え?』
 綾歌と玲子は同時に疑問を口にした。
 [君達、床に張られた大理石のツルツルの表面に薄っすらと映り込んでいるよ。]
 ふたリはさっと下を向く。
 「いっ~や~ぁあああ。」
 綾歌が叫ぶ。
 『ちなぁつう。見いたぁなぁ・・・で、どう?どちらの下半身がそそる?』
 綾歌はただ赤面し、恥ずかしがっている自分と、玲子の対応の仕方の違いに、大人の女の余裕を感じた。
 [決まっているじゃないですか。それは・・・]
 『それは?』
 [玲子さんですね。だって、玲子さん毛が無いんですもん。]
 「え?玲子さん?」
 ちらっと玲子を見る。・・・無い。有る筈の草叢が無い。夕べお風呂に入った時は有ったはず。
 『あら、綾歌不思議そうね。簡単な事よ、剃ったの。』
 「なんで?剃るんですか?」
 『党別に綾歌だけに教えるから、耳を貸して。・・・』
 何やら耳打ちされた綾歌は、ちょっと表情が険しくなっていた。
 (私が倒れていた時に露天風呂の方で教授とそんな事を・・・教授も教授よ。玲子さんと裸でそんな事を・・・私と言う者が居ながら。あ?え?・・・私・・・教授の事・・・玲子さんの事を・・・・)


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