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クロウエア・エクサラダ【28】

 『ングッ、フゥゥン、ハァン・・チュパ・・ジュプ・・ズズッ・・ハァ~。』
 香織のフェラチオに気持ちよくなる健一、だが口を衝いて出た言葉は。
 【俺の知っている香織はこんな事をしなかった。一郎さんに仕込まれたんだな。あの清楚な香織が。こんなに淫らになって・・・】
 『あぁ・・ゴメンなさい。』
 香織は銜えたチ○ポを離し、俯いてしまう。
 【何だ、もう止めるのか?一郎さんのじゃないからか?】
 香織は首を左右に振り否定する。
 『そんなこと有りません。あなたがイイの。もう二度とあなた以外の男の人は嫌。』
 そう言い放ち、先程より深く健一のチ○ポを銜え、喉の奥で健一を受け止める。
 『ウングゥ、ウグゥ、』
 【香織、お前の決心が本物かどうか。俺の言う事を聞ければ信用してやる。お前のクリトリスにピアスを開ける。乳首にもな。出来るか?】
 『そんな、カラダに傷を付けるなんて・・・無理です、それに怖い。』
 【香織がピアスを付けていたら、他の男も手が出せないだろう。それともオマ○コに刺青を入れるか?健一命とか?どちらか選べ。】
 『それ以外の事なら何でもします。ピアスも刺青もいや。』
 【あれもいや、これも嫌。ではどう証明する?言葉では信用できない。まさかオマ○コの毛を剃る位で信用するとは思うなよ。永久的におれの所有物の証しを付けないと信用できない。】
 『あなた、どうしてそんな頑ななんです。最初は一郎さんに私を抱かせたのに、あなたが言うからしたことなのに。』
 【抱かれろとは言ったが、心まで奪われて良いとは言っていない。】
 『そんな、今更言うなんて・・・女は例え嫌いな男でも抱かれ続けると、だんだん情が湧いて来るんです。まして、憎からず思っている人なんです。好きになっても仕方が無いと思いませんか。』
 【だから、香織の好きなように出来るように離婚してやる。そう言ったはずだ。】
 『酷い。私を試すの?どちらを選ぶのか?』
 【そうだ、別れる気が無いのならなぜあの時直ぐに戻って来なかった。俺に復讐する積りだったのか?ほとぼりが冷めるまで逃げていれば良いと思ったのか?あの時確かに寝取られる事に興奮はしていた、だが実際に寝取られ、相手の子まで儲けようとした事までは許していない。その事がどうしても引っ掛かる。あの火俺が行かなければ香織は妊娠していただろう。そんな事許せるか?いくら俺たちの計画を知らないからと言っても、そこまで俺を裏切って置いて、簡単に許せるか?】
 夫が、こんなに怒りに狂い思い詰めていたのか初めて知った。もうやり直しが効くと言う段階を過ぎている。香織は絶望した。
 【妊娠していたら、たとえ堕胎しても香織のカラダにも、心にも傷が付く。それに代わるほどの傷は刺青やピアスだ。】
 健一は狂いだしたのか?健一をこんなにしたのは自分。このまま別れても、健一の心は傷ついたまま。
 一生掛かっても償うには、夫の思う通りにするしかないのか?それで夫は治るのか?
 夫を愛しているから、夫の好きにさせよう。それで治ってくれるなら・・・
 『ごめんなさい、あなた。私が悪いのです。ピアスでも刺青でも何でもあなたの望むとおりにします。だから離婚はしないで。』
 【最初からそう言えばいいんだ。今はまだ俺たちの子供が居ないから刺青もピアスもする訳にも行かない。その気持ちだけで十分だ。・・お帰り香織。】
 やはり夫は少しおかしくなっている。
 『あなた、明日病院に行きたいので一緒に言って下さい。』
 初めて早智子が声を出す。
 『香織さん、私達も帰り道だから一緒に病院に行っても良いかしら。』
 「健一君どうせなら、車は私が出すから1台で行こう。」
 二人も異変に気が付いていたようだ。
 【そうですか・・・香織、病院には何を?】
 『あ、うん。修道院で傷付けた背中が痛むの、出来たらA大学病院に。』
 【ふ~ん。判ったよ。】

 翌日、無理やり夫を受診させた。
 「ご主人は。軽度のBPD.境界性パーソナリティ障害かもしれません。例えば・・・。愛情独占欲求が過度に強く常に誰かとつながっていたいと願う、嫌われたり捨てられるのではないかという恐怖心や猜疑心から攻撃行動をとりやすい、ときに自ら嫌がられるようなことをわざと行ない、「ほらやっぱり私を見捨てた」などと相手を困惑させるなどがあります。がご主人の場合幸い、自傷行為がない。」
 「しかし・・BPDの患者さんの多くは周囲のちょっとした状況の変化や要求が通らないことに我慢ができず(欲求不満耐性が低いと表現されます)、この安定は脆く崩れやすいといえます。また抱えている不安感の反動として、自己の誇大感を増大させることもあり、これが自己愛性人格障害となったりします。また対人関係の不安定さから逃れるために、いわゆる引きこもりのような状態になる場合もありますが、この場合は、回避性人格障害と診断されることが多いようです。BPDの患者さんは、一時的に衝動的な激情によって周囲を脅かすことはあっても、周囲に対して迷惑を掛けたことをのちに反省したり、泣いて謝罪したり、自責したりすることが比較的多いので事件なることは少ないようです。しかし、暴力などの他害行為があった場合、一見人が変わったように見えたり、常軌を逸した様子を見せるかもしれませんが、現実検討能力はまず失われないとされています。」
 医者の説明は難しく、中々理解出来なかった。
 『それで・・主人は治るんですか?
 「それはまだ・・・詳しいカウンセリングをして、どこにその原因が有るのか調べなければ、何とも言えません。奥さんはご主人の幼児期の環境をご存知ですか?」
 『いいえ、あ、でも・・・主人の亡くなった母が・・いえ、一緒に住んでいたのではなく離婚されたのですが・・その母が3~4歳の頃、不倫の末、子供が出来て出て行ったそうで・・あっ!』
 似ている、自分がしてしまった行為が似ている。
 夫はそれが耐えられなかったのか。2度目のショックで発症したのだろうか?
 「一般的に長期の治療期間が必要だと言われています。5年や6年などの例も非常に多い。心理的療法(カウンセリング)と薬物療法を併用し行います。」
 
「周囲の方(最近ではノン・ボーダーと称されるようです)の患者さんへの対応としては、周囲がまず安定し幸せになることです。患者さんはそれを見習い、やがて取り入れ、安心して健全な精神を取り戻します。穏やかで安心感が持てる家庭や職場、学校を築くよう努めて下さい。犯人探しも禁物です。また、患者さんの欲求や一人になることへの不安に対して共感的理解を示す一方で、明確な限界を設定し(例えば夜何時以降は電話しない、ここまでは許せるけどこれ以上は許せない行為だ、など、これらは「限界設定=リミット・セッティング」と呼ばれ最近とくに重要視されています。)、一貫性のあるはっきりとした態度を維持することがよいとされています。つまり、健常者に対するものと同じような常識的な対応が必要です。「できることをやり、できないことはやらない。深追いはせず、拒絶もしない」というのが長続きするコツであると言われています。また、知らず知らずのうちに周囲が患者さんを依存的にさせ(とくに母親または母親的存在による過保護、過干渉)、無理な要求などをエスカレートさせてしまうケ-スも多いので、適切な距離感と客観性を保つことが重要です。また、言動や行動などがコロコロと変わり予測がつかないこと、頻繁に常識を逸脱するようなことを平然とやってのけてしまうことが多いので、そうした言動や行動に振り回されたり、一喜一憂していると周囲はへとへとになって疲れきって次第に対応もなげやりになってしまがちです。ノン・ボーダーの方の代表的な声としては、「何とかして助けてあげたい」、「実は自分も相当辛い」、「本当に病気なのだろうか」の3つが挙げられるそうです。まずは、周囲の方々はご自身のこころと身体を少しでもゆっくりと休ませてあげてください。」
 さらに説明が続く。
 「大っ嫌い、行かないで」がボーダーの最大の特徴です。それは、安らぎへの希求と不安定な状況への嗜癖性という相反するこころの状態の並存を意味します。周囲は、その言動に振り回されず、大地のように動じず、そばに寄り添い、味方であることを永遠に訴え続ける努力が必要です。動じない=存在を認めないということではありません。動じないことで、ある程度の攻撃を受けるかも知れませんが、それを上手にかわしていく方法を見つけだすように努力してください。「BPDの患者さんから向けられた言動は、あなたへの個人攻撃とは取る必要はない」ということを理解すべきだと言われています。なぜなら「彼らは現実と空想の区別がつきにくいところがあり、目の前のあなたに対して投げかけている言葉でも、あなた以外の誰かを心の中に思い浮かべて言っている可能性があるから」だそうです。
 具体的には、自分がとても理不尽なことを要求されていると感じたら、いきなり遠ざかるのではなくて、時間的にも距離的にも少し間を置いて接してみることです。目安としては「遠すぎず少し近め」がよいとされています。イギリスの精神科医のバリントはBPDの患者さんへの対応について、「大地のように、水のように、患者さんに接し、地のごとく支え、水のごとく浮かべ、患者さんの激しい行動に耐えていると、いつしか患者さんは新しい出発点に立つかも知れない、そうはならないかもしれないが少なくとも害はない」と述べています。また、「BPDの患者さんに対しては壁(あるいは鏡)になれ」とか「目の前に落とし穴があっても、それに気付かぬ振りをして患者さんがそこに落ちても自力で這い上がるのを暖かく見守れ」などといった心構えを持っている治療者も多いようです。」

 「いずれにせよ、激しい言動、行動にばかりに目を奪われず、こころの底を見つめ、こころの裏の隠されたメッセージに耳を傾ける姿勢が何よりも重要だといえます。自傷行為、自殺企図などが見られた時も、周囲の方は、下手に慰めたり、励ましたり、叱ったりせず、何も言わずただ側に寄り添ってあげたり、抱き締めてあげて下さい。彼らは、そうした穏やかで暖かい愛情を求めているのです。周囲は、甘やかすことと愛情を注ぐことの区別さえしっかりつけることだけ心掛けていればいいのです。本人に治そう、良くなろうという意志さえあれば、BPDは必ず治るものです。どうか、希望を持って、安心して下さい」

 『香織さん・・・』
 『大丈夫、早智子さん。夫は必ず治るわ。だって、私を深く愛してくれているから、こうなったんですもの。私も夫へ愛を注ぐの。』
 【何かあったらいつで言ってくれ、すぐに飛んでくる。】
 『はい、一郎さん早智子さん。健一を見守ってね。お願いします。』
 
 【パパぁ。早く早く、ママが待っているよ。ねぇ、3人でお手て繋ごうよ。】
 「健一郎・・危ないぞ。走らないで、ママはどこにも行かないから、慌てないで。」
【だって・・・僕に妹が出来たんだよ。早く見たいよ、可愛いんだろうなぁ。】
 『あなた・・・ただいま、健一郎お利口にしていた。』
 【うん、僕パパとずっと待っていたんだ。ママが病院から帰ってくるの。淋しかったんだから。】
 『あらあら、健一郎はお兄ちゃんになるのよ。でも・・・ママに一杯甘えてね。あなた、健一さん。この子をお願い。健一郎を抱っこしたいの。』
 【大丈夫か、香織。疲れているだろう。】
 『ううん、健一郎もこの子も、健一さん、あなたとの間の大切な子よ。』
 【・・・・一郎さんに聞いたよ。・・・ずっと、迷惑を掛けていた。ごめん。・・早智子さんが家で赤飯を炊いて待っている。帰ろう、我が家へ】
 『ええ、あなた、私達4人の新しい家ね。』

 あれから、5年の月日が流れていた。その間に健一郎が生まれ、いま新たな命が誕生した。健一は、親子3人を見つめ穏やかで優しい笑顔を見せている。
 治療が始まって、ようやくここまでたどり着いた。
 香織は、涙を流しこれまでの軌跡を思い出していた。だがそれはもう過去の事。これからが大事である。と思いなおした。
 家には鉢植えが有る。夫が育てている、クロウエア・エクサラダ・・・花言葉は「遠い記憶」そして「願いがかなう。」
 【パパママ、赤ちゃん。ほら僕らの家だよ。】
 健一郎の元気な声が庭に響く。一陣の風が鉢植えを揺らしていた。(完)


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動機:gooで削除されたので。
一応フィクションとしてますが、ナイショ
写真は・・・・いけないんだぁ

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