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【ドルチェ・アマービレ】(9)

夕食は簡単にカレーライスを作り、みんなに提供した。
 「綾歌くん。林間学校のつもり?」と千夏先輩。
 『甘口なんて、お子様ね綾歌!』これは玲子さんだ。
 【美味しいよ綾歌君。でもこの次は焦がさないようにしたまえ。】教授ぅ・・
 3者3様で批評されてしまった。こんな事ならお母さんにもっと教わって置けばよかった。
 【でも大した物です、この玲子君はカレーを炭に変える錬金術師だし、千夏君はお米を洗剤で洗う天才です。
いやぁ、本当にこの合宿は綾歌君のお陰でまともな物が食べられそうで嬉しいですよ。】
 玲子さんと千夏先輩は教授を睨みつけていたが、教授は平然とカレーを掬い口に運んでいる。

 『千夏・・覘きに来るなよ。綾歌行こう。』
 玲子さんに誘われ、温泉に入りに行く。母屋から少し離れた場所に温泉があった。廻りを板塀で囲まれ、総桧造りの天然温泉。透明なお湯に月明かりが差し込んでいる。
 「チャポーン!」
 隅で音が反響する。
 『あ・・・れ、玲子さん。きょ。教授が先に・・・』
 あとが続かなかったが、教授が先に温泉に浸かっていたのに気が付かなかったのだ。
 『キャァ・・』思わず悲鳴を上げた。
 しかし教授は不思議そうに私達を見ただけでそのまま動かない。
 慌てて出ようとする私の手を掴み、玲子さんが湯船に引き摺っていく。
 『綾歌・・どうしたの?さあ、入ろう。』
 「れ、玲子さん。平気なんですか?あぁ・・恥ずかしい。」
 『しっかりしなさい。あなたも特別レッスンを受けている身でしょう。これくらいで恥ずかしがるなんて・・・あぁ・・出来る事なら、あなたと代わりたいわ。もう一度教授に教えて頂きたいわよ。』
 【玲子君、君はもう私の手を必要としない。立派に羽を広げて飛んで行った。もう私という、止り木は余計な物でしかない。】
 『そんな事仰らないで・・・あの時約束しました。それを忘れろと、仰るんですか?あの日の事は私の大切な思い出です。教授・・・どうして・・私を・・愛してくれないのです?どうして・・連絡もしてくださらないの?』
 呆気に取られた私の目の前で、繰り広げられる愁嘆場。
 全裸の玲子さんが教授に抱きつき、顔中にキスの嵐を振りまいている。教授が立ち上がり・・・キャァァ・・教授のおちん○んが・・・見えちゃった。・・温泉を出ようとすると、玲子さんが脚にしがみ付き、教授の腰に手を廻し・・
 うっそぉ・・・玲子さんが・・・玲子さんが・・・
 ダメだ私の口から言えない淫らな事をしている。

 『教授・・あぁ・・欲しかったんです。教授にもっと抱かれたくて頑張ったんです。ご褒美を下さい。』
 玲子は口を大きく開け、教授の男を飲み込む。根元まで飲み込み、喉の奥に当たっても構わずに深くより深く銜えようと顔を寄せていく。
 1度口の端まで戻し再度飲み込む。頭を前後に動かす動きが早まり、唇を窄め、舌先で肉茎を舐めあげ、チュパ、チュパ音を立てて吸い上げる。
 同時に、豊かな乳房を太股に押し付け、硬くなった乳首で教授を刺激する。

 一連の動きは全て見ていたが、最初のショックで記憶が飛んでいて、気が付いたらベッドに寝かされていた。
 隣のベッドはもぬけの殻で、時計を見るともう夜中の2時を過ぎていた。あれから、6時間経っている。
 ドアがそっと開きグリーンティの香りが流れ込んでくる。その中に栗の花の匂いを嗅ぎ綾歌は首を傾げる、
 『あっ・・綾歌。気が付いたの・・大丈夫?』
 玲子さんが心なしか上気しトロンとした目を私に向ける。
 『綾歌・・・ごめんね。吃驚させてしまって。・・でも判って・・4年ぶりなの・・教授にお逢いしたのは・・今判らなくても、いつかあなたにも判る。あのレッスンを受けた者なら・・きっと、理解してくれる。』
 『玲子さん・・私初めてで・・そのビックリして・・』
 『そうよね。。綾歌はヴァージンでしょう?・・私も・・6年前は・・あなたと同じ。ねえ、軽蔑した?』
 玲子さんの顔には、別になにを言われても構わない。自分の思うとおりにしたのだから。とでも言うような自信に溢れ、輝いていた。
 『綾歌・・あなた・・教授を信じて・・でも・・独占しないで、・・私にも・・教授の時間を頂戴お願いよ。』
 玲子さんは教授のことが好きで好きで堪らないのね。
 『玲子さん・・教授は・・玲子さんにとって教授は・・?』
 『教授は・・翼なの。・・空を飛ぶ翼・・教授がいないと私、空を翔べないの・』
 言っている意味は判らなかったが、玲子さんが教授に頼り切っているのが感じられた。
 依存と言うより・・そう・・隷属・・あら?何でこの言葉を・・


【ドルチェ・アマービレ】(8)

 「はぁ~・・・夏の長期休暇だっていうのに、休む暇無いじゃん。・・ピアノが、ハンガリー狂詩曲 第2番/F.リスト、声楽が、「皇帝ティートの慈悲」より 私は行くが、君は平和にかぁ、はぁ~。」
 美歌が嘆くのも仕方が無い事だった、ただでさえ休暇前は試験課題曲が出されるのに
 7月初旬に行われた定期演奏会では2人ともオーディションに落ちてしまった。今まで秋に行われる物だと思っていた定期演奏会が7月・・準備不足が響いた。
 これでため息が出ないほうが不思議だ。
 「ところで綾歌、秋のセメスターどうするの?私は変えてみようかなぁ~と思っているの。」
 セメスターとはセメスター制度、すべての科目が春・秋の半年で完結する完全セメスター制となっていて、4年間を通じて深く追求することも、半年ごとに新たな挑戦をすることも可能な制度が平成19年から導入された。これだと半年で履修するから遊んでいられないし、色々なバリエーションが選択できる。だけど・・だけど昔は秋に行われていた演奏会が5月から12月までそれぞれの科毎に組まれ、更に不定期の演奏会、歌劇と、今や狭き門じゃないのだが、同時にオーディションには学生や学校関係者、卒業生など間口が広くなり競争が激しい。
 だから、一般大学の学生が面白おかしく自由に休暇をエンジョイできるのに比べ、自分達は自宅でのピアノ・声楽練習に明け暮れ、1~2週間に1度か2度教授に習熟度をチェックされると言う、生活が待っている。
 食事と睡眠以外は音楽漬けの毎日、時々ため息は出るけど、ステージで歌い、奏でる、あの感動と充実感を得る為には必要な事だと、改めて心に刻む。
 でも・・・美歌はどうか知らないが私は・・・『好きな人に聴いてもらいたいから。』
誰?不純な動機って言うのは?・・・自分のために歌うのと誰かの為に歌うのでは意気込みが違うのは、仕方がないことでしょう?

 『それでさぁ・・・美歌、私2週間ばかりこっちに居ないから、連絡は携帯へお願いね。』
 「あん?何・・なんだって? 綾歌・・とうとう、ひと夏の経験?」
 美歌がニヤニヤして聞く。
 あ、コイツいやらしい目で私を見ているな。
 『バカッ・・・合宿よ、合宿。教授の特別レッスンなの。』
 「あ~いいなぁ・・・」
 美歌はあの日1日だけの。教授が特別に設けてくれたレッスンだったのだ。
 「合宿って・・・二人で・・・」
 美歌が泣きそうな顔になる。
 『違うよぉ・・ほら、玲子先輩と、千夏先輩が一緒だよ。』
 玲子先輩は今や数々のコンクールで入賞し、今年の秋には2枚目のCDを出す予定の新進気鋭の声楽家だった。
 先輩もシュトレーゼマンの特別レッスンを受けた人。色々聞いてみたいし相談したいから、誘いに乗ったのだった。

 「お~夏の高原は涼しくて良いなぁ・・・ヤッホー」
 千夏先輩にこんな一面があったなんて知らなかった。
 『ふふっ、可愛いわ千夏。』
 後ろから、グリーンティの香りが漂ってきた。私も使っているお茶の爽やかな香り。
これは多分、ブルガリプールファムの香りだと思う。ミドル以降にジャスミンティーが現れ、ブルガリプールオムに比べお茶系の印象がはっきりわかる香りだと、個人的に思う、非常に上品で大人っぽい印象の香りで、男性受けの良い香り。ローズなどのフローラルやウッディも入って、ジャスミンティーの良さをふんだんに引き出した名作だと思う。
 自分で使っているのはエリザベスアーデンのグリーンティ、ボディークリームだ。OLさんたちに人気が有り夏向き、値段がお手頃なのだ。
 玲子先輩だった。27歳 多分独身、背の高い美人モデル系の女性だった。
 「・・そう、あなたが特別レッスンを受けている綾歌ね。よろしく、あなたの前にシュトレーゼマンに愛された女よ。」
 え?いま愛された。と言いました先輩?
 私がドギマギしていると玲子さんが、言い直した。
 「あら、愛された。と聞かされてビックリしたの?・・言葉のアヤよ綾歌。あれ?アヤと綾、面白いわ。」
 『ハハ・・・先輩・・』
 苦笑するしかない。意外とこの人天然なのかも。
 
 山荘の周囲1km以内に家屋は見当たらなかった。
 「ここはシュトレーゼマンのお友達の別荘なの。私も6年前に始めて連れて来られて、地獄の夏季合宿を受けたわ。懐かしい・・と言うより、思い出したくないほど辛かったわ。
綾歌・・震えているの。」
 「玲子さん、綾歌くんを脅かさないで下さい。直ぐに信じ込むタイプなんですから。」
 千夏先輩が横から口を挟むが、聞きようによっては、フォローになっていない。
 「綾歌君、ここには天然温泉が引かれている、小さいけど露天風呂も設置されている、後で一緒に・・・いてぇ」
 玲子さんが千夏先輩の後頭部をパシッと叩いていた。
 『千夏、暫く見ないうちに随分スケベになったのね。おねーさんは悲しいわ。』
 この二人ワザと漫才しているんだ。・・・それ私の緊張を解そうとして?
 噴出してしまった私を見て二人も大笑いしている。
 【随分楽しそうだね、君達、今夜はゆっくり寛ぐといい、明日からに備えてね。】
 【玲子君・・食事前に少し近況を教えてくれないか?書斎で待っているから。】
 シュトレーゼマンは玲子さんを伴って書斎へ向かう。
 その後姿を見送った私が振り向いたとき、千夏先輩の顔が悔しそうに歪んでいるのが見えた。
 千夏先輩と玲子さん、あの二人の間に何かありそう、その中心に教授がいる。
 その時の私にはそれが何なのか判らなかったが。
 【ひと夏の経験】本当に何かが起こりそうな予感に期待と不安が交互に私を襲う。


少しだけハードに。

 匿名様 お久しぶりですぅ、コメント有難うございます。

 蛇足は止めた方が良いよ。・・・と言われながら続けてしまいました。
如何でしたか?

 逆もまた真・・真偽は表裏一体、どちらに転ぶかはほんの少しの違いなのかも
知れません。

 ただ単純に作者がSっ気を出したかっただけ・・と言う声は無視して
あと1~2話は、健一による香織への責めのシーンでヌキどころ
を提供しようかと、かように思う次第です。
 野郎様読者にも、チ○ポの根元がウズウズする所を偶には提供しないと
溜まってばかりで、夢精しちゃいますもんね。(^。^)y-.。o○

 私はもう、そんな年じゃないですから、必要ないんですけど・・(T_T)

 では、今後とも宜しくお願いします。m(__)m
 寒さが一段と厳しい季節になりました、皆様お風邪やインフルエンザなど
にお気を付けて下さい。
 おお・・来週はクリスマス・・彼女の居ない貴方・・右手が居るさ!左手も!
 なんだぁ、両手に花じゃないですか?  m(__)m


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動機:gooで削除されたので。
一応フィクションとしてますが、ナイショ
写真は・・・・いけないんだぁ

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